【海外発!Breaking News】ゴースト・ウェディング 墓場から女性の遺体盗難が多発(中国)
ゴースト・ウェディング(冥婚)」とは独身の男性が亡くなった後、死後の世界で幸せになれるようにと死亡した女性と結婚させる中国の地方に伝わる伝統的儀式で、そのルーツは3000年前にも遡る。1949年に法律で禁止されたが、一部の農村では復活する兆しを見せている。
2016/03/01
中国北部に位置する山西省は沿海部に比べるとかなり貧しい地域だが、近年では経済が発展し豊かな人々は“死後の安らぎ”を求めて「冥婚」にお金をかけるようになってきた。つまり女性の遺体を掘り起こして、亡くなった男性と結婚させるのだ。
以前は遺体の仲人が存在し、未婚の女性など遺体の手配をしたようだが、ここ数年は闇市場での遺体の取引が急増している。『telegraph.co.uk』によると、山西省だけで過去3年間に30の女性の遺体盗難事件が発生しており、2011年には夫が遺体を提供するために妻を殺害するという金目当ての殺人事件も起きている。
2013年には山西省と陝西省で10体もの遺体を売り、24万元(約410万円)を荒稼ぎしていた4人が逮捕された。亡くなったばかりの若い女性ほど高く売れるようだ。
最近、独身の兄を亡くしたというジン・ゴージさんは「兄の冥婚には人形を使おうと思っていました。でも村の長老に人形では不幸を招くだけだと猛反対されたのです。仕方なく女性の遺体を買うはめになりました」と語っている。母親の遺体盗難にあったというリー・フカイさんは「父のそばに埋葬されていた母の遺体が盗まれて、お墓には父がひとりで眠っています」と涙を流す。
中国では毎年4月に墓参りをし先祖を供養する盛大な行事があるというが、「墓参りにくるといつも死んだ両親に墓前で語りかけるのです。今年は、父しかいない。父には、私が母を捜しだすまで待っていてくださいね、と言うつもりです」と怒りを隠せない様子だ。
遺体泥棒は時に3メートルもの穴を掘って遺体を取り出すそうで、山西省の村々では墓をコンクリートで埋めたり、パトロールをしたり、墓を住居のそばに移すなど様々な対策がとられているものの被害はなくならないようだ。
03/2016