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医学部に進む理由は「偏差値が高いから」…元東大教授・養老孟司がみた「日本型エリート」の本末転倒

2024年05月10日 15時05分33秒 | 受験のこと

医学部に進む理由は「偏差値が高いから」…元東大教授・養老孟司がみた「日本型エリート」の本末転倒

4/21(金) 9:17配信 2023




※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mizoula
この数年、医学部の人気が高まっている。東京大学名誉教授の養老孟司さんは「偏差値が高いという理由で医学部を選ぶ学生が多いのだろう。それでは本末転倒だ」という。エコノミストの藻谷浩介さんとの対談を収録した『日本の進む道』(毎日新聞出版)から一部を紹介する――。 

【写真】養老孟司さん(右)・藻谷浩介さん(左)

 ■いい教育とは教育しないこと 

 【藻谷】何だか論語の問答みたいになってきましたが、先生のお名前は孟子にちなんでいるわけですから、弟子になった気分でどんどん聞きます。先生は、いい教育とは何だと思われますか。  

【養老】小学生くらいなら何もしないことですよ。有機農業の不耕起と同じようにやったほうがいい。高等教育についても「教育」しないことです。東大の伝統は結局は「自分でやれ」と言うことです。モチベーションのある人が自分でやる、それを周りが手助けする。それだけですよ。  


学校は、基本的に子供に好きなことをさせる場にして、大人は見守るだけでいい。「この学年ではこれを覚えなさい」なんてナンセンスだと思います。  

【藻谷】たしかに、皆で同時に同じことを習って同時に覚えると褒められ、どうせあとで完全に忘れてしまうのにそのときには責められない。これでは何一つ血肉として定着しませんよね。 

 私は、当時はお受験勉強が盛んではなかった田舎で育ったために、そのころは受験に出ることのなかった日本地理や英会話やディベートの類に好きに注力できた幸運な人間でして、それがその後にどれだけ役に立ったことかと思うのです。 

 しかし大学で受けた法学の教育は、まさに同時に覚えて一斉に忘れるの典型で、苦痛でしかありませんでした。教養課程はとても面白かったのですが、専門課程の卒業には1年余計にかかりました。 

■偏差値の大学ランキングは意味がない  

【藻谷】何でそんな大学のそんな学部に行ったのかと言えば、当時世に登場して間もなかったところの「偏差値」が高い学部であるがゆえに、通るというのであれば通っておけば、そういう数値を絶対視するような連中にも後々足元を見られずに済むだろう、という実に受動的な考えからでした。  

その後ますます社会に深く浸透している、受験時の偏差値によるランキングはどう思われますか。  【


養老】全く意味がないですね。あれは、いまの大学システム

――同じ大学に入りたい人をどうやって選別するかという問題が生じてしまったために便宜的にやっているだけでしょう。だから僕は、現役の時に入学試験を通ったら卒業証書を出せと言っていました。そうすれば、本当に勉強したい学生だけがお金を払って残りの4年間学びますから。  

【藻谷】卒業証書だけ欲しい人は入学したらすぐにもらう!

  それでも勉強したい人だけが残って勉強しなさいと。最高の皮肉のようにも聞こえますが、圧倒的に偏差値の高い東大医学部でずっと教授をされていた上でのご実感であり、つまり真実をついている。  

私も、偏差値が基準の大学名で人を判断することは、本当に一切しないで生きています。ですが世の大半の人は、教育の主目的を偏差値による能力のランクづけみたいに思っている。  

【養老】そう、それが日本的な教育の在り方だと思います。

■東大医学部には医学に興味のない学生がいっぱいいた  

【藻谷】日本のいろいろな地域の親、特にお母さんたちと話していて、いちばん認識が時代遅れだと感じているのは教育の話です。東大医学部で、偏差値だけは高い困った学生といっぱい向き合ってきた養老先生が、どういう認識でおられるかなんていうことに、彼らは興味はない。それこそ入学と同時に卒業証書を持って帰ってきたら、そんな親御さんたちは大喜びで、「東大に行ってよかった」なんて言うのでしょうね。  


【養老】大学で新たに医学を学ぶモチベーションがなくても、偏差値が高かったからというだけで入学してくる学生はいっぱいいますから。  

【藻谷】偏差値が高いだけで、大学で学ぶモチベーションがなければ、大学に来る意味はないはず。なのに日本の教育は、そういう生徒を「優秀」として選抜してしまう。自分がそうだったのを棚に上げて言いますが、これでは本末転倒ですね。  

【養老】そうです。  

【藻谷】入試の時点でモチベーションがなくて、あとから急に湧いてくる人もいますが、それが専門課程に進学する時点だとは全く限らない。  

【養老】そういう人はその時に勉強を始めればいい。  

【藻谷】そうですよね。僕は、子供をいい大学に行かせようと言っている親には「そうではなく、あなたが行けばいいのに」と言っています。いま、あなたがそういう気になったのならあなたが勉強すればいい。実際に、いわゆる「いい大学」にも、社会人入学のコースはいろいろありますから。 

■「みんなで考える教育」に対する違和感  

【藻谷】まあそうはいっても、子供に幼いころから受験をさせて、学歴エリートにしようとする親御さんは、エリートになるとよほどいいことがあると信じているのでしょう。いや、エリートになれないとよほど損すると信じているのかな。 

 そう言っている本人には、よほど損したという自覚があるのでしょうか。よく成功した芸能人が子供にお受験させるという話がありますが、年間数千人も卒業する東大生の中で、その芸能人ほど成功する人が何%いると思っているのでしょうか。  

日本のどこかの「エリート校」でも行われているという「エリート教育」とは、いったい何なのでしょう。西洋でエリートと言えば「自分で考えて判断し、自分の責任で行動する人」だと思いますが、日本もそういう人を教育しようとしていると、言っている人もいますね。  

【養老】それは嘘ですよ、全部違います。私はさきほどお話しした、髙橋秀実さんの『道徳教育』(ポプラ社)をみんなに薦めていますが、彼は、戦後の日本の教育――特に道徳教育は「みんなで考えましょう」というフレーズがよく出てくると書いています。  

小さいときから「みんなで考えましょう」とやってきました。でも、どうやってみんなで考えるのでしょうか(笑)。僕は「考える」というのは一人でやることだと思っていますから、「みんなで考えましょう」には引っかかります。




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ビッグサイトの陽射しに

2024年05月10日 14時49分21秒 | 日々の出来事



会議棟の下から見る西日ですね⭐
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河原も、夏の風情ですね!

2024年05月10日 13時05分01秒 | 日々の出来事
気温が30℃を越えています❗






5/6/2023
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税金を投入して「コオロギ食」や「培養肉」を推進するのは愚の骨頂…日本政府が鵜吞みにしている「ヤバいビジネス」

2024年05月10日 11時05分43秒 | 食のこと

税金を投入して「コオロギ食」や「培養肉」を推進するのは愚の骨頂…日本政府が鵜吞みにしている「ヤバいビジネス」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース 





税金を投入して「コオロギ食」や「培養肉」を推進するのは愚の骨頂…日本政府が鵜吞みにしている「ヤバいビジネス」
2/20(火) 7:03配信





現代ビジネス
photo by gettyimages


 既存の農業・畜産が環境を破壊している。だから水田を潰し、培養肉や昆虫食を普及させせよう」今年のダボス会議でもこういった主張がなされ、SNS上では批判が集まっている。経済アナリストの森永卓郎氏と、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏の対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。 


【漫画】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由


 連載第1回後編


前編【
だから「給食のコオロギ」は食べてはならない…「環境に良い」と「昆虫食」を勧める人たちが裏でやっていること】より続く


「デジタル農業」で儲かるのは一部のグローバル企業だけ
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 ちなみに日本政府も、「緑の食料システム戦略」においてAIを活用する「スマート農業」「デジタル農業」を掲げている。


 「デジタル農業」によって農家の負担が軽減されるならいいが、既存の農業を破壊し、利益はビル・ゲイツ氏のようなIT長者が総どりになるのであれば大問題だ。


既存の農業がスケープゴートに
 現に、こうした取り組みが既存農業に対する「攻撃」に利用されるケースがある。


 既存の農業は非効率であり、環境にも悪い。だからセンサーを張り巡らせてドローンを使った農業をやるべきだ、といった主張がされがちだが、「デジタル農業」を導入して儲かるのは、ビル・ゲイツ氏や一部のグローバル企業だというなら、いったいだれのためのデジタル化なのかわからないだろう。


 環境問題に意識が高い人ほど、既存の農業を環境に悪いものとしてスケープゴートにしがちという問題もある。


 地球温暖化の対策が必要なのは間違いない。先進国で飽食が進み、肉の消費量が増えたことが地球環境の悪化につながっているという指摘もおそらく正しい。


 ただ、その結果として、既存の農業は壊してしまい、「培養肉」を推進する企業には補助金を出せ、という話になるのは困ったものである。


「伝統的な農法」のほうが環境にいい
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 日本は「フードテック」の分野で遅れており、取り戻すためにもっと投資が必要だ、と盛んに言われている。


 「フードテック」とは先ほどあげた培養肉など、テクノロジーによって食料の問題を解決しようというものだ。


 フードテックを進めるべき理由といえば、食料問題の解決、環境問題対策ということになる。そこまではいいが、いまある農業、とくに畜産が一番の悪者だと考えるのはおかしい。


 環境問題の解決のためなら、むしろ伝統的な農法に回帰するほうが先であり、効果的ではないのか。


 その取り組みをすっ飛ばして、フードテックによる代替肉・培養肉だ、ゲノム編集作物だ、昆虫食だ、無人農場だとなるのはおかしい。
また、それらに税金を投入して国策でやるというのはもっとおかしい。


「ショック・ドクトリン」に過ぎない
 ショック・ドクトリンという言葉がある。大災害の発生後などの危機的状況を、既存のシステムを変えてしまう絶好のチャンスととらえ、新自由主義的な改革など国民にとって不利益となるような政策を一気に進めてしまうことを指す。


 コオロギ食や培養肉はまさにショック・ドクトリンであり、既存の農業を破壊し、グローバル企業が取ってかわるための手段として使われている。


 地域コミュニティ、伝統文化を破壊し、結果として一部の企業だけが儲かるなら、まさに「いまだけ、金だけ、自分だけ」ではないか。


投資家向けに煽られているだけ
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 そもそもフードテックが本当に効果的かどうかは疑問が残る。培養肉は通常の食用肉よりコストが高い。結局、自然環境で太陽の光を浴びて育った肉のほうが安くつく。


 同じことは植物工場にも言える。植物工場では、ビルの中に畑を作り、水や栄養を管理し、LED照明で作物を育てるが、工場の維持費や電気代のせいで、価格も高くなってしまう。


 ただ、新しいビジネスであるのはたしかであり、投資家向けに「これからはフードテックだ」とさんざん煽られている。日本政府はこれを鵜呑みにしているわけだ。


 現在の世界経済はまさしく「株主資本主義」だ。株価さえ吊り上げられれば、本当に有望なビジネスなのか、環境対策として効果があるかどうかは二の次、三の次となりがちだ。その視点でさまざまな情報が流され、政治家や官僚に対しても売り込みが行われる。


 その結果、国民にとって本当にいい政策よりも、まるで中身のないビジネスに多額の予算が投じられる、ということが起きる。


 人の命や健康より、企業が儲かることが優先されているのだ。


 もっと読む【だから「給食のコオロギ」は食べてはならない…「環境に良い」と「昆虫食」を勧める人たちが裏でやっていること】


鈴木 宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)/森永 卓郎(経済アナリスト)

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教育関連の展示会、EDIXですね⭐ >AI応用の流れが

2024年05月10日 08時05分22秒 | 日々の出来事

教育にもAI応用の流れですね。これでなんでも解決にはならないと思いますが

先日のIT関連の展示会に比べて、規模はかなり小さいです。

やはり、産業としての『教育』は、少子化の負の影響をもろに受けているようです。


5/9/2024
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