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6300万円、渋谷区のタワマンを退職金で買った“上昇志向夫婦”が青ざめた「10年後の後悔」

2024年12月22日 09時03分05秒 | 不動産と住環境のこと


6300万円、渋谷区のタワマンを退職金で買った“上昇志向夫婦”が青ざめた「10年後の後悔」


12/26(月) 5:03配信2022
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タワマン建設ラッシュ!

photo by iStock

 筆者は1990年代、アトランタにあった36階のタワマンに一週間滞在したことがある。 

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  ガラス張りの天井を見上げれば青空に雲が流れていき、ベランダでは庭の高い木々が戸建の住宅を覆い隠すので、見下ろせば一面の緑の海のような眺めで、空飛ぶ鳥のような爽快さに感激した。住人のビジネスマンは「犯罪多発地域だけど、窓が高過ぎて侵入されず、武装ガードマンが24時間常駐する最も安全な生活空間だから需要がある」と言うが、「警護費用」だけで月に15万円の出費だという。治安のいい日本ではこの高さは無用の長物と、“昭和人間”の私たちは決めつけていた。

  しかし現在、日本では超高層マンション(以後、タワマン)が林立している。特にリーマンショック以降に企業が都心部や駅近の土地を売却した結果、タワマンは増加している。2021年12月時点では国内に1427棟、37万5152戸が建設され、現在も年間40棟前後が竣工予定だという。タワマンは首都圏や関西圏に集中しているが、アメリカ都市部と違って、「強盗から身を守るための最後の砦」といった悲愴感は無い。 

 単に低くて横広だった箱物を縦にして積み上げてみたら、見栄えはするし、戸数は稼げるし、小洒落た共用施設も追加できる。そこに集う住人達も「成功者のトロフィーとしてのタワマンを持つ人」や「近い、早い、便利をめざす省エネ大好き人間」「プライバシー重視のプチ引きこもり」「老人ホームより自由に、マイペースに暮らしたい高齢者層」など、バラエティーに富んでいる。


  当然、一種の“憧れ”をもってタワマンに飛び込んでくる人もいる。だが、タワマンは良くも悪くも従来のマンションとは全く別物だ。期待を抱いてタワマンという「魔窟」に住んでみた結果、思わぬ苦痛を味わうことになる人もいるということを忘れてはいけない。


夫と妻の「領土問題」


 八木夫妻(仮名)は約10年前、優雅で便利な暮らしを夢見て退職と同時にタワマンを購入した。

  「海外勤務と東京の商社での役職とを繰り返してきたので、ずっと借り上げ社宅住まいでした。だから初めてのマイホーム購入に舞い上がっていたんです」と八木さんは自嘲する。株の売却益と退職金とで購入できて、後で売っても目減りしない資産価値のある住まいが欲しい…という視点から、渋谷区内のタワマンの11階の部屋を総額6300万円で購入した。

  しかし夫が74歳、妻が70歳になった現在、二人は深い後悔の念を抱いているという。いったいなぜなのか。 

 そもそも予算内で買えたのは、小ぶりの2L D Kだった。住み始めた直後、悩んだのが60平米という狭さである。高層ビルの強度の関係なのか、梁がやたらと多く出っ張り、窓の開口部が小さくて圧迫感や密閉感がある。 

 一部屋は内廊下側で窓無しなので、どうしても開口部のあるリビングに居たくなる。定年後の在宅夫と、趣味に没頭し「自分ワールド」を持つ妻とで「領土問題」が勃発。試行錯誤の末、「午前の部」「午後の部」で家の滞在時間とLD Kの使用権を分けあうことにした。 


 時間を分けて家を使うというルールを決めたことで、しばらくは夫婦喧嘩もせずに乗り切ることができた。だが、新型コロナウイルスの流行が始まってから、状況が変わった。  

夫は「外出制限によって二人が同時に家にいる時間が長くなり一触即発。やたらと口喧嘩をするようになった。なんでこんな狭いタワマンを買ったのよ! もっと安くて広いマンションはたくさんあったでしょ! と妻から罵られたこともありました」と振り返る


オシャレ外国製家電の「罠」


 夫は「映画、美術館、大学の聴講、行きつけの小料理屋、スポーツジム、どこへ行くのも30分の都心のタワマンは、定年後の楽しみを満たすはずだったんですが、コロナが……」とため息をつくなど、愚痴は止まらない

  さらにタワマンを買った後悔に拍車をかけたのが、備え付けの豪奢な電化製品だった。  

入居当初に故障したのがゴミを粉砕して流せるディスポーザーで、異物が紛れ込んでしまったからか、ガーガーと異音をあげて動かなくなってしまった。修理をしようにも、海外からの部品の取り寄せは高額だし、メーカーの技術者の派遣料が3万円もかかる。便利な住宅設備のはずが、修理する手間とカネの問題があって無用の長物と化している

  妻は「外国製の食器洗い機も、一度故障した際に15万円の修理代がかかると言われました。直すのはあきらめて、食器入れとして使っています」と嘆く。

換気空調システムの修理に70万円!

写真:現代ビジネス

 洗濯乾燥機も怪しげな音を立てはじめたが、給水や排水設備などのサイズに合うのはドイツ製の一種類だけ。値段も60万円と聞いて躊躇した。今は小物類を手洗いし、あとは週1回、大物の洗濯物をリュックに詰めて外のコインランドリーに通っている。 

 換気空調システムの修理交換は機種が製造中止のため自主的な機種変更をするよう勧告がきて、70万円という高額な見積もりも届いた。次は天井の間接照明の修理も必要になるだろうと思うと、ため息が出るという。 

 憧れを抱き背伸びをして買ったタワマンは、内装や設備は豪華絢爛そのものだが、維持費を甘く見ていた。実用性や2人の暮らしぶりを考えれば、「宝の持ち腐れ」になるのは確実だが、それに気づいたところで引っ越す資金も体力も残っていない。 

 「古い公団住宅の生活の方が精神衛生上良かったね」といった愚痴をたびたび口にしながら、八木夫妻は暮らしている。

  一方、

『1億6000万円タワマンで「優雅な晩年」を過ごそうとした78歳男性が驚愕した「ヤバすぎる出費」』に続く…




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