ダリアの花を、久しぶりに見ました。何故か、小さい頃、病気で寝ていた時、窓ガラスの向こうに、揺れていた思い出があります。母が好きだったのか、それしかなかったのか、分かりませんが、妙に懐かしい花です。幼い頃の感性が一生残るとは、思っていませんでした。子育ては思うようにならないなんて、分かったような事を言っていますが、やはり環境が、子供の感性を形成するのに、かなり大きな影響があるように思います。何人か若い人と仕事をしてきましたが、K君が言った言葉が、頭に残っています。「衣、食、住に、係わる仕事がしたいのです。」人間が、生きる上で、本当に必要な物は凄くシンプルです。だからそれは、本物でないといけないと、私は思っています。家に関しては、本物の素材を使う事は、本当に大事だと思います。触って,舐めて、感じる事が、子供の頃は大切だと思います。だから私は、自然な素材、地元の素材で家は創りたい。自然の素材は動くし、透いたり、割れたりもします。でも風土に合った設計で作り、メンテナンスをすればいいのです。近頃は、家も、車や家電の感覚で、買うような気がします。壊れたら買い換えるような。私は一緒に生きて行き、育ち、老いていくイメージがあります。そう言う家を創って生きたい。