森林技術センターでの、壁の強度実験の様子。油圧シリンダーで左右に力をかけて行きました。板倉工法に準じた丸太の柱壁は、120角で作った壁より少し強い壁倍率でした。落とし込みに筋交いを併用した壁は強いのですが、有る程度の力が掛かると、筋交いが分離して折れ、強い地震の時は一気に崩れるのではないかと、危ぐする結果でした。板倉を改良した壁は強度が出すぎて、試験機のベアリングを壊す結果となりました。ただ強度が出すぎても、ホールダウン金物が必要となるので、木だけで作る事を目指している上では、喜べません。しかしいくら揺らしても、倒壊しない柔構造の板倉工法は、安全な建築ではないかと、改めて思いました。改良版の壁も認定さえ取れれば、窓など多く取りたく、壁量が少ない建築では有効な構造だと思いました。金物も、全然使わないわけには行きませんが、倒壊しにくい構造は、魅力です。新しい木造建築には、余り伝統工法に、こだわり過ぎずに、現代の技術も取り入れて行くべきだと思いました。でもなるべく、木だけで作りたいとも思いました。技術センターの方と話をしていて、有る程度大きな木を使う事は、強度的にも安全だと確信しました。考えてみれば、伝統工法は105角や120角の材料は使っていなかった。高知で建てる家は最低150角ぐらいの柱を使う事を提案したい。大きな柱を使う、メイドイン高知の家は地震にも強い事を証明したい。アイビーログ工房の建てる家の柱は最低200角で建てています。今、森には木が溢れています。木の魅力を持った家が建てられる、幸せな時代に日本はあるのです。構造の大きな、土佐の現代民家を、建て長く住み継げる家を建てて行きませんか。