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マネジャー移行期の課題について

2019-10-15 11:04:36 | 組織開発・社風改革
こんにちは。有限会社人事・労務の井上です。

今回、先日拝聴した弊社開催のセミナー「残業学 組織開発で進める働き方改革」でお呼びした立教大学経営学部教授の中原淳先生の「駆け出しマネジャーの成長論」を読ませていただきました。実務担当者からマネジャーへの移行期における挑戦課題について考えていきたいと思います。



弊社内では、担当として受け持つ時点からマネジャーのような意思決定を任せていただくことが多く、その中での自身の状況を冷静に受け止め歩んでいくにあたり、一般的には実務担当者を経験し、マネジャーへの移行となる中での葛藤をどう乗り越えていくのかという視点で自身とも重ねて、共感や気づきの多い内容でした。

ソロプレイヤーとして活躍する時代に区切りをつけ、過渡期を超え、マネジャーへ移行していくときにはどのような課題に対面するのでしょうか。

新任マネジャーの課題に

①部下育成
②目標咀嚼
③政治交渉
④多様な人材活用
⑤意思決定
⑥マインド維持
⑦プレマネバランス

の7つが挙げられています。



まず「マネジャーとは何か」色々なアプローチがあるかと思いますが本質的なところでは「他者を通じて物事を成し遂げること」を言うそうです。
そして他者は部下だけを指すのではなく、上司や他部門の長、経営者を動かしていくことが求められます。
一人での担当者の時代にはできなかったことを周囲を巻き込み実現していく存在なのですね。

私自身も挑戦課題の中でも意識しつつ進めている所ですが、

①の部下育成とも大きくかかわる②の目標咀嚼は重要性を感じており、それこそ周囲を巻き込み、ことを進める上でも、会社の目指すものや求めるものと部下の思いの調整を図る行為です。
自分自身の経験からも「納得できていない目標」や「見えないゴール」に対して強いモチベーションを保つのは難しく、このような時に、会社の目標をかみ砕いて説明し、納得を得ることが重要になってくると感じています。

また下記の挑戦課題は自分自身のセルフマネジメントに大きくかかわり、自分を冷静に見つめる時間も作りながら、自分自身を調整していく必要があり、難しさも感じるところです。

⑤意思決定
担当者単位では解決できない白黒ハッキリとしないグレーな問題に対して意思決定を求められます。実務担当者より少ない情報をもとにメリット・デメリット・リスクを勘案して、反対勢力と対峙しながらも適切な意思決定を行っていく必要があります。
グレーなことを判断していくことは、勇気もいりますし、心理的抵抗感を感じることも多いようですが、そのような状況も当たり前のこととして受け止めていく冷静さが大切なのだと感じました。

⑥マインド維持
マネジャーの世界は「矛盾」と「混沌」に満ちているなかで「やりくり」をしていくことを求められます。そんな中、平静に保ち「折れないように自分を維持すること」が必要とのこと。
担当者として自分の担当業務についてのみ向き合う段階では、その業務に集中して当たることが求められますが、様々な矛盾と混沌の中での意思決定をする存在としては、自分で引き受けなくてよいものを「腑分け」し、その上でマインドを平静に保つことはマネジャーに必要なスキルとなります。「あきらめなければならないこと」が出てくることは非倫理的なことではないそうです。この点は、立場が変わってみないと気付けない点であると感じました。
私自身も意思決定に余り関わらない、自分の担当にだけ集中していく段階では、自分の行ってきた考え方が標準となっている為、意思決定へ関わることでそれが行えなくなることへ強い違和感を感じました。
そうした「諦めてはいけない」という固定観念を少し和らげ、前に進んでいく方法を身につける必要があるのだなと思いました。

⑦プレマネバランス
担当者として実務も行いながらも、チームを牽引する存在となるには、プレイヤーとしての自分と、マネジャーとしての自分の心理的・時間的バランスを取っていくことが課題となります。マネジャーへの移行の最中、実務への時間を過剰配分してしまうとマネジメントへの影響も支障をきたし、部下育成にかかわる目標咀嚼へ時間を割けないなど連鎖して負のスパイラルに陥ってしまいます。
これも自分の通常の業務を同様に抱えながら、調整役へ移行していくには、時間の使い方にも変化が出てくるため、意識的にバランスを整えることが必要なのだと感じました。


上記の7つの課題は程度の差はありながらも、意思決定にかかわりの増えてくる移行期に生じる課題となり、挑戦課題がない人は中々いないとのことです。

こうした挑戦課題や葛藤はマネジャーというポジションになったという現実的な肩書のようなものがなくとも、日々の中で自然と出てくる課題解決にむけての個々人レベルでの意思決定において、起きうる葛藤や課題だと思います。

各々が意思決定を行っていける組織体は変化のスピードも早く、課題解決に向けても素早く行動していくことができますが、その上でも自身の状況を冷静に受け止める状況把握やセルフマネジメントの部分は日ごろから整えていき、自分自身の原理原則を日々を振り返りつつ導いていけるように取り組もうと思いました。





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