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白洋舎のカレンダー

 2月に入って、大事なことを思い出した。
「白洋舎のカレンダーをまだ飾っていない!」
毎年暮れにもらえる小さなカレンダーだが、毎月素朴な絵が添えられていて、そこはかとなく郷愁が感じられ、見る度にホッとする。塾舎の階段の下、印刷機の前の壁に飾ることにしているのだが、今年のカレンダーは自宅の階段にずっと置き忘れていて、一月も過ぎた頃になって、やっと思いだしたのだから、迂闊にも程がある。慌てて自宅から持って来た。


 今年の表題は、「里山の花ことば」。絵を描いた人は誰なのだろう、作者の名前がどこにも見当たらないのは残念だ・・。表紙をめくって、もう過ぎてしまった1月の絵を見た。

「水仙」の絵が描いてある。そして、花ことばも・・。

 「美しい姿と芳香から中国では仙人、ギリシア神話では美少年として描かれた水仙。雪の中から春の訪れを告げるこの可憐な花は、雪中花とも呼ばれます」

水仙の向こうに、凧揚げする着物姿の兄妹が描かれている。藁葺き屋根の家も遠景として・・。今はもう見かけなくなった情景ばかり・・。

 1月はもう無用だから、めくって2月。「梅」だ。花ことばは、

 「まだ寒さが厳しいなか、枝いっぱいに花をつけ、かぐわしい香りを広げる梅は、春告草。心なしかまわりの空気もやわらかくなってきたように感じます」


 竹籠を背負った兄妹が、枯れ野を通っていく。近くの山で薪を集めてきた帰りだろうか、寒空の下、見上げる先にはほころんだ白梅の枝・・。

 じっと見ていると3月から先の絵と花ことばが知りたくなってくる・・。しかし、ここは辛抱だ。月が変わる度にカレンダーを一枚めくる楽しみをとっておかねばならない。そうしないと、カレンダーをめくるのを忘れてしまいそうだから・・。
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