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一縷の希望

 クワズイモが滴り落ちるような緑色の葉を何枚も茂らせているので、嬉しく思っていたのだが、驚愕の事実を発見してしまった。
 このクワズイモは、根上がりの部分が腐ってしまい、3分の一ほどの太さになってしまったため、支えがしてあったのだが、葉が茂って上の部分が重くなったためなのか、鉢を動かしたときにクワズイモ全体がぐらんぐらんと揺れた。思わず根こそぎ土から抜けてしまうか、と危惧したほどだが、なんとか持ちこたえてくれてた。

 


 「これはヤバイ!」
と思ったのだが、いったいどうすればいいのだろう。土から掘り出してしっかりするよう植え直した方がいいのか、それとももっと立派な支えを取り付けた方がいいのか・・。
 かなり迷った末、結論が出ずに今まで生きてきたんだから、このままにしておいた方がいいのかも、と曖昧な決着でお茶を濁すことにした。だが、その時、根元から生えていた新しい葉っぱが、どうも違う株から生えたものであるのに気付いた。



 これは息子が初任給で買ってくれたクワズイモだけに、どんなことがあっても枯らすことはできないものだが、新しい株ができていれば、もし本体に万一のことがあっても、新しい株を大きく育てれば、息子も許してくれるだろう。
 少し希望が出てきた気がして、しばらくクワズイモはそっとしておこうと、鉢を奥の方に移動した。
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