1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 コンプライアンス、コンプライアンス、と自分達で自分達の住む社会を締め付けて、何が面白いんだろうか。何にでも、程度があるよね。

2023-01-05 10:25:50 | 法話
【 段々と日本の風習が消えていく。『コンプライアンス』という、今流行りの儀式の様なものによって。自分達の足を自らが止めて、くそ面白くもない社会を現在、構築中。『コンプライアンス』と言われるものの中には、自分の心の中で十分、対応出来るものも少なからず。例題、子供達に見せたくないテレビ番組。「子供達が真似をするでしょ」と。いやいや「親が、子供達に真似をさせないで下さいね(経験、教育、指導、免疫)」で済む話にて。社会に出れば、子供達に見せたくない物などは山ほど。テレビ番組だけに噛みついて、どうなる物でも。それよりも考えなくちゃならんは、人間界の理不尽(嘘、誤魔化し、喧嘩、押し付け、ルーズなど)を子供は生まれて後、まず最初に目にするは、親の言動から、ですもんね。他に噛み付くより前に、親はする事がありそうですよ 】

読者男性から「祖父母、父母から『もうすぐ〇〇ちゃん、初誕生だね。1升餅を背負わせにゃならんね』と。この風習って実際、どういう意味があるんですか。実は今月(1月)、私の娘が1歳に」と。対し「拙僧の祖父母から聞いていた話では、誕生日を祝う風習って、本来、日本にはなかったらしいよ。外(特に欧米)から入ってきたものじゃないか、と。そんな事(ハロウィンなど)って、この日本には多いよね。但し、1歳の誕生日を祝う行事はあったんだと。無事に1歳を迎えられる事って、昔は大変難しかったんだって。縄文、弥生時代から、室町時代まで日本は、平均寿命は20歳前後、江戸時代に入って30代、昭和に入ってやっと50代、80代になったは、平成になってから、だもんね」と。

この読者男性に「因みに1升餅とは、1升の餅米から作られた餅で、お祭りやお祝いなどで、縁起物として用いられてきたと。『1升と1生』を掛け言葉にして、餅の形状を丸く、平たいものにして『一生(1升)、食べられる様に。一生(1升)、健やかに、円満である様に』と願ったのだと。で、実際に1升(約2キロの重さ)餅を背負わせて『立ち上がれたら将来、身を立てられる。座り込んだら将来、家にいてくれる、家を継いでくれる。転んだら、厄落としになる』と、どの様な結果になっても子供の将来に幸あれ、との思いから。檀家の婆様が言うには『男の子は家から出ない様に、無理矢理倒す、転ばす。女の子はいつまでも家に居座らない様に、手を添えてまでも、立たせて歩かせるんじゃ』と言ってたよね。その事から『ぶっ倒し餅』なる別称もあるとか。昔は餅をおんぶ紐の様な物で、1歳児に結んでいたが、昨今は、リュックに餅を入れて、背負わせる事が多いそうだよ」と、この読者男性に。

最後にこの男性が「そういう意味合いがあっての、1升餅だったんですね。私は『親が子供の事を思う、素晴らしい風習だな』と思うけど、コンプライアンス過激時代の昨今『子供に対する虐待だ』と騒ぐ者も出てきそうですね」「それがくさ、もうそんな風に騒ぎ立てる人達が出てきてるんだよな。方々の分野に、いちゃもんを付けて、自己主張を押し付けて、社会の足を止めてる人達が、ね」と。

次回の投稿法話は、1月11日です。



【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 人にはそれぞれ、特徴がある。将棋も、王将ばかりが駒じゃない。歩のない将棋は負け将棋、と言う言葉も。自分の分を見極めるは、大事。

2023-01-03 18:07:08 | 法話
【 わが寺の檀家で、宮大工の棟梁(現在98歳)が「体の不自由な人が住みやすい家は、健全者なら、もっと住みやすい。常に弱者を基準に物事を合わせていけば、世の中も住み良くなろうに。ただ、わしは、バリアンフリーは、あまり好きではないな。家から1歩外へ出たら、バリアフリーなど、どこにもない。家の中で障壁があれば、足を上げて歩く訓練が出来ているから、外出しても多少は。車椅子の方がいるなら、別だが 」と 】

正月三ヶ日に参拝に来た、檀家の高校生が「住職は、法話をする時、何か気を付けてる事ってあるの」と。「どうしてだい」「今年中に、大人も子供も混じった中で、僕が話をする役目を」と。「嘗て、高僧がわが寺に来られた時、当時16歳だった拙僧に『息子(拙僧)さんな。わしが千人の前で話をしたとしよう。その話でわしが、言おうとしている意図を理解してくれる人は、半分もいない。その理解をしてない人達に、また後日、同じ話をする。その中でも、理解してくれる人は、半分くらいかな。その(理解度)割合は、場所によっても異なるが。この繰り返しが坊主の仕事。法話は、子供でも理解出来る様に、話さにゃならん。子供が理解出来る法話なら、大人だったら、もっと深く理解出来るはず。その大人が、子供並みの理解力じゃ、話にならんが』と。この高僧が言われている意味は、16歳の拙僧でも理解は出来たよ。が、何故、僕(拙僧)に今、こんな話をされるのかな、と当時は疑問に。が、その言葉が還暦を迎えた今でも、しっかりと耳に残ってるんだよな」と。

この高校生に「話をする題目は、決まってるの」と。「押しつけ教育への思い、みたいなの」「いくつか、面白い話を提供しようか」「うん、ちょうだい」「今から、50年程前の話だが、12歳の仲良し3人組の1人、裕福家庭勉強優秀君が、最新式空気入付自転車を購入。3人でサイクリングに。途中、その新式自転車がパンクを。『もう、帰れない』と泣く優秀君に、他の2人が『大丈夫、任せろ』と、近所の家からビニールテープを借りてきて、タイヤチューブを取り出し、応急処置を。この2人の対応力、社会人になった今でも。子供は皆、それぞれ得意分野が」「ねえ、その2人の内の1人って、住職でしょ」「おっ、ご明察です」と。

この高校生に「今1つ、面白い話がある。拙僧の知人男性が、外回りの営業中、公園のベンチで休憩している時、小学生達のこんな会話が耳に入ってきたそうだ。いじめられている弱々しい男の子をかばって、別の男の子がいじめっ子達に「お前ら、やめろ。貧乏なのは、こいつの責任じゃないだろ。お前ら金持ちの家は、親が金持ちなだけであって、お前らの力じゃなかろうが。子供の世界に親を持ち出すな」と言ってたそうだよ。この2つの話、使えそうなら、君なりに話として使える様に、アレンジしてごらん」と拙僧。




【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 ペストは500回以上のパンデミックが。17世紀の時、大学休校から自宅で研究に没頭したニュートンは、万有引力の法則を。

2023-01-02 13:08:29 | 法話
【 アダムとイブの時代から、林檎は実れば落ちていたに、17世紀になって初めて、ニュートンがそれを見て疑問(万有引力)を持った。柳の木に、蛙が飛び付く様を見て、皆は「飛び付けるものか」と笑ったが、小野道風はそれを見て、励み、と受け取った。『どの様に見るか、どの様に聞くか、どの様に悟るか』は、人それぞれにて 】

タレントの勝俣州和さんが「先輩のお笑い芸人さんから『スタジオの仕事ばかりせず、ロケに出ろ。話のネタは、外に出ないと吸収出来ない。ロケバスでは寝るな。とんねるずも、うんなんも、成功を遂げた人達が、ロケバスで寝ている姿を見た事がない。ロケバスで寝ていた人間は皆、消えていった』と言われた」と言ってましたね。拙僧も、法話のネタ吸収は、車で移動中の時が多い。『見えてくる物、聞こえてくる物』は全て、深読みすれば、教訓に変わる。

年始挨拶に来た檀家の中学生が「人をすぐに『こいつは、こんな人間だ』と決め付ける人がいるんだよね。住職は、どう思う」と。「わずかな時間、わずかな対話で、その人の本質を理解するなんて、そんな事は到底無理だよね。その理(ことわり)を把握してない人、つまり、知識や知恵、理解力、読解力、洞察力、観察力に乏しい人が、軽率な言動を、かな。それとね、人間の本性は、どこで見て取れるか、と言えば『腹を立てた時、追い込まれた時、人が見てない時』の行動。他には、SNS 内での誹謗中傷(陰口)もそうかな。その人間の本性は、そうした言動で浮き彫りになる。拙僧の周囲でも、コロナが来て、人間性が露わになった人が、少なからずいるよ。ところで君、何か、あったんかい」と問うと「いや、住職の話を聞いていて、心がすっきりしたから、もう、いいや」と。

この中学生が「他に何か、面白い話はありませんか」と拙僧に。「サンドウイッチマン、知ってるか」「うん。結構、好きだよ」「Mー1で彼らが、敗者復活から決勝に勝ち上がった時、巨人師匠が『この子らが何故、予選で落ちたんだ。審査員は、どこを見てたんだ』と怒りを。ドラフト4位で入団し、2軍で埋もれていたイチローさんを、時の監督だった仰木彬さんが、1軍に引き上げた。イチローさんは、そこから道が開けていったと。地道に腐らず、努力を続けていたからこそ、やって来たご縁かな。一生懸命に取り組んでいれば、必ず、誰かが見てくれている。果報は寝て待っていても、やっては来ないよ。因みにね、イチローさんといえば、高校野球の地方大会決勝で、自分のエラーから敗れ、甲子園の切符を逃した。その夜、宿屋の玄関で泣いていると『人間は、負ける度、失敗する度に、強くなっていくんだよ』と声を掛けてくれたが、当時、横綱だった曙さんだったらしいよ」と。この中学生男子も、野球少年にて。

次回の法話投稿は、1月13日です。