今日のシネマ
◆俳優の名前をクリックすると詳細が見れますヨン◆
2007年 フランス/アメリカ
人間の一生なんて 何が起こるかわからない・・・
それが最初の大きな感想。
日本でも有名なフランスのファッション雑誌 「ELLE」 の敏腕編集長 ジャン=ドゥがある日突然脳梗塞で倒れ、その後遺症で 意識はあるものの動かせるのは左目だけ という状態になってしまった・・・。
もちろん実話です。
金も名声も手に入れ、3人の子供にも恵まれて申し分のない人生を送っていた人間が ある日を境に180度変わってしまう・・・・
これは特別なことではなく、誰にも起こりうることなのだ。
闘病ものの映画というのは たとえば日本で作るとどうしてもお涙頂戴ものになる。
私も思いっきりその流れにはまってしまう一人だけれど この映画は違います。
どん底の世界から這い上がり 彼は自伝小説を書き上げるのです。
でも考えてみてください。
手は使えない、喋れない・・・ ではどうやって?
瞬きです。
唯一動く 左目を使っての気の遠くなりそうな作業。
彼は言語療法士の導きにより、20万回の瞬きで本を書き上げたのです。
この映画 「空を飛ぶ夢」 と 比較されることが多いようですが、 これは比べられるものではないでしょう。
どちらにしても本人の苦しみは 本人しかわからないのですから。
主演のジャン=ドゥ役には マチュー・アマルリック が好演。
タイトルの 「潜水服は蝶の夢を見る」 は 自由にならない自分の体を潜水服に、 また逆に 自分の持っている自由な発想を 優雅に飛び回る蝶に例えたもの。
原作も読んでみたくなりました。