4月8日。
二男が卒業した高校の入学式でした。
え・・・何で? と思われるかもしれませんが
本部役員だった私は 来賓として招かれたんです。
応接室に通され、待機していると
事務の方が桜茶を振る舞ってくださり、
それを見た私は思わず
「わあ~っ!」 っと 声を上げてしまいました。
この感覚、なんだかものすごく久しぶりでした。
なんて表現すればいいんだろう。
心がほっこり・・ウキウキするみたいな・・・
こんな状況の時にこの感情は不謹慎なのかもしれないけれど
とにかく自然にそう思えて、また、そう思えた自分がなんだか嬉しくて・・・
式は淡々と進みました。
新入生の顔を見ていると緊張感が伝わってきて
3年前、二男もこんな感じだったんだなぁ、って とても懐かしく思いました。
帰り際、下駄箱の脇に方々から送られた祝電が貼られていました。
そしてその中にこんなものがありました。
ある人からのメッセージです。 ↓
日本中の学校の入学式に送られたんだと思います。
全文をここに載せてみます。
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新学期を迎える皆さんへ
皆さん、進学、進級、おめでとうございます。
皆さんは この4月 希望に満ちた春を迎えるはずでした。
しかし、この春は 私たちにとって とてもつらい春になってしまいました。
ご存じのように 3月11日、あの未曾有の大地震と津波が日本を襲ったのです。
皆さんの中にも ご家族を亡くされたり、あるいはいまも避難所から学校に通ったりしている生徒さんがいることでしょう。
避難所の中では、皆さんが率先してお年寄りや身体の不自由な方を助け
掃除をしたり食事の準備をしたりしてくれているという話を聞いています。
本当にありがとう。
直接被災をした皆さん、皆さんは、十代のもっとも人間が成長する時期に
この大きな試練に立ち向かわなければならなくなりました。
いま抱えている全ての悲しみや不安から 完全に逃れることはできないかもしれません。
でもいつか、皆さんがその悲しみと向き合えるようになる日まで
学業やスポーツ、芸術文化活動やボランティア活動など 何か一つでも夢中になれるものを見つけて
この苦しい時期を乗り越えていってもらえればと願います。
学校は、あらゆる面で 皆さんがこの逆境を乗り越えていくためのサポートをしていきます。
被害にあわなかった皆さんにもお願いがあります。
どうか 皆さんの学校にやってくる避難した仲間たちを 温かく迎えてあげてください。
すぐ近くにそういった友達がいなくても、遠く離れて不自由な生活をしている同世代の友達を
同じ仲間、友達だと思ってください。
そして、被害を受けた友達の声に耳を澄ましてください。
この大震災を通じて、日本国と日本社会は、大きな変化を余儀なくされます。
この大震災からどうやって日本を立て直していくのか。
自然と共生してきたはずの日本社会が その本来の姿を取り戻すために何が必要なのか。
もちろん 復興の過程では 「がんばろう」 という元気な掛け声が必要です。
しかし、それと同時に、新しい社会、新しい人間の絆を作っていくために
大きな声にかき消されがちになる、弱き声、小さな物音にも耳を澄ましてほしいのです。
東北が生んだ詩人宮沢賢治は科学と宗教と芸術の力で、冷害、凶作の多かったこの東北地方の農民を
少しでも幸せにしようと考え、そのことに一生を捧げました。
どうか 他人の意見もきちんと受け止めながら、自分で合理的な判断ができる、冷静な知性を身につけてください。
しかしそれだけではなく、他人のために祈り涙する、温かい心も育んでください。
そして、芸術やスポーツで人生を楽しむことも忘れないでください。
宮沢賢治の 『銀河鉄道の夜』 には こんな言葉があります。
「ぼく、もうあんな闇の中だって怖くない。 きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。
どこまでもどこまでもぼくたち一緒に進んでいこう」
賢治の言う ほんとうのさいわいとは何でしょう。 この大きな災害と混乱の中で 皆さんにこのことを考えてほしいのです。
それを皆さんが本当に真剣に考えてくれるなら、きっと皆さんはどこまでもどこまでも一緒に進んでいけるはずです。
そしてその先にはもっともっと素晴らしい日本の新しい国の姿があるはずです。
忘れないでください。 一緒に進んでいくのは決して日本人だけではありません。
今回の東日本大震災では、世界中からたくさんの支援が送られています。
また、この非常時にあっても秩序正しく、理性を失わない日本人の姿に 世界中が驚き称賛の声を掲げました。 私たちは世界と共にいます。
原子力発電者の事故に対して危険をかえりみずに立ち向かう消防士や自衛官、電力会社の人たちの姿。
各地の被災地で、救命救急活動にあたった警察官や医療関係者、そして何より
本当に命がけで皆さんを守ってくれた先生たちの姿を忘れないでください。
そして、みなさんももっともっと身体を鍛え、判断力を養い、優しい心を育んで 他人のために働ける人になってください。
日本の未来は皆さんの双肩にかかっています。
あなたたちのその笑顔、ひたむきな表情が、今、家族や地域の人々を支えようと懸命に頑張っている大人たちに勇気と希望を与えています。
私たちも全力で皆さんの支援に取り組みます。
本当の幸せを求めて一緒に歩んでいきましょう。 (原文のまま)
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以前から続いていた菅内閣への政権批判は この震災を機にますます激しくなりました。
よくわからない肩書きのアナリストや、その他大勢の一般人も一緒になって執拗に責め立てます。
確かに言いたい事は山ほどあるかもしれない。
でも誹謗・中傷するだけでは前に進めない。
足の引っ張り合いは もう少し落ち着いてからでも遅くはないと。
今はちょっとガマンして 同じ方向を向いて、先頭に立つ人を労ってあげたい・・と 私は思うのです。
私も できることをやっていきます。
近況報告はこれで終わり。