今日のシネマ
2010年 アメリカ
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4歳の息子を事故で亡くした夫婦。
セラピーで暴言を吐き、もういない息子の遺品を次々に捨てる妻(ニコール・キッドマン)と
毎夜 息子のビデオを観ては涙する夫(アーロン・エッカート)
愛する息子を失った悲しみは同じでも、それを受け止める方法は人それぞれ。
お互いがいっぱいいっぱいで、自分とは異なる向き合い方に嫌悪感を感じてしまう・・・
そんな喪失感に満ちた中、偶然出くわした青年によって少しずつ新しい風が吹き始める。
彼は結果的に息子を死なせた青年・・・しかし彼もまたそれによって自身の人生を狂わせた一人だった。
重い内容ですが、ラストのうっすら見える希望も含めてとても丁寧に作られていている映画だと思います。
ニコール演じる妻と彼女の母親(ダイアン・ウィースト)とのやりとり。
母親も昔、息子(ニコールの兄)を薬物中毒で失くしている。
N 「悲しみは消える?」
母 「いいえ・・・でも変化はする」
N 「どう?」
母 「重さが変わるの。のしかかっていた重い大きな石が、ポケットの中の小石に変わる。
時には忘れさえするけど ふと、ポケットに手を入れると・・やっぱりある。 ああ、そうか・・・と 胸が震えるわ」
母親の言葉・・・
あまりにも的を射ていて私の胸も震えました。
でも、たとえ重さが変わってもポケットの小石が砂になって飛んでいくことはない・・・
いえ、無くならずにそこにあることに意味がある。
だってそれは、思い出を懐かしむ材料にもなるのだから。