今日のシネマ
2014年 アメリカ
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メキシコからカナダまで続く1600キロの道、パシッフィク・クレスト・トレイル(PCT)を3ヶ月かけて歩いたシェリル・ストレイドの実話。
母親を失った悲しみとそれを紛らわすために不埒な行動を取った自分を省みて戒め
これからの自分の道を探すべく、旅に出たシェリル。
使いもしない余計な物や、バーナーにマッチしない燃料を持ってきてしまったこと、
更には 足に合わない靴を履いてくるなど
決して準備万端ではないスタートの仕方に、彼女の切羽詰まった心の内が見て取れました。
趣味の一つに 「山歩き」 を挙げている私としては、
実は彼女の心の中なんてどうでもよくって、PCTってどんな所? そんな長い道のりをどうやって歩くの?
と、そっちの方に大きな興味があってこの映画を観始めました。
私はいつも家族と一緒に山を歩いていますが、単独の登山者はけっこう多く、
若い女性(若くなくてもいいけど)が一人で歩いているのを目にすると
私には寂しくて怖くて絶対にできない! と 感心していたので、
それらも全部ひっくるめてシェリルの行動と、その間にフラッシュバックされる過去の出来事を
観客の一人として気楽な気持ちで観ていました。
が、最後に出くわした少年の歌声を聞きながら涙している自分にビックリ。
知らず知らずのうちに、私はこの長い道のりをシェリルと一緒に歩いていたんだ、とそこで気付きました。
まあでも、その後、道で跪いて号泣する彼女を見たら一気に涙が乾きましたけど。
シェリル役は リース・ウィザースプーン。
お母さんに ローラ・ダーン。
二人とも素晴らしかったし、予想していたよりもかなり好きな作品でした。
ただ、1600キロという想像もできない距離を歩いているハードな感じがちょっと薄かったような。
もっときっとボロボロでヘトヘトで、死と隣り合わせなくらいの逼迫した場面も実際にはあったんじゃないかと。
これはオリジナルを読むしかないでしょうが、そこまでの思い入れは私にはないので、まあ、仕方ないか。
エンドクレジットで本物のシェリルが出てきます。
確かに、リースよりたくましい。
景色は本当に素晴らしかったけど、やっぱり私にはソロの山歩きは無理です。
絶対に無理。