今日のシネマ
2014年 アメリカ
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やり手の広告マンとして順風満帆だったサム(ビリー・クラダップ)は、大学で起こった銃乱射事件で、大学生の息子ジョシュを突然亡くしてしまう。
それから2年後、失意のどん底に落ち、荒んだボート暮らしを送るサムは、離婚して再出発を果たそうとする妻(フェシリティ・ハフマン)から、
生前にジョシュが書きとめていた自作曲の歌詞とデモCDが詰まった箱を受け取る。
息子の楽曲を聞き、ジョシュが何を思いながら生きていたのかを全く分かっていなかったと自覚したサムは、
息子に近づきたい、彼のことをもっと知りたいという思いから、遺品のギターをつま弾きだす。
そんなサムの演奏と歌唱は、孤独なロック青年クエンティン(アントン・イェルチン)を刺激し、
彼の説得によってバンド・スタイルとなり、街の注目を集める存在となっていく。
「自分が作った曲ではない」と言い出せないまま、音楽を奏でる純粋な喜びに包まれていくサムだったが、
そこには衝撃的な“秘密”が隠されていた。
サム、そしてクエンティンの魂の旅路は、果たして、どこにたどり着くのか。(映画com.より)
ネタバレありです。
もし、見ようと思っていて上記の 「秘密」 を知りたくない方はスルーしてください。
なんか変だよなぁ・・・と 前半部分からちょっと思っていました。
お父さんが記者たちに執拗に追われたり、
なんで 「実はこれ、自分じゃなくて息子の作った曲なんだ」 とすぐに打ち明けないんだろう? とか
離婚した妻(つまりジョシュの母親)が中途半端にドライだったりとか・・・
それらのもやもやが、一瞬にして理解できるシーンがあります。
ジョシュのお墓に落書きがあった、ってところ。
つまり、亡くなった息子は銃乱射事件の被害者ではなく、犯人だったんです。
これがわかった時、言葉を失うほどのショックを受けながらも
腑に落ちていなかった箇所がいっぺんに埋まり、
なんだろう・・・それは言葉は悪いけど、ある意味小さな快感でもあったりしたんですよね・・
いろんな感情が湧いてしまいます。
今まで100%サムに寄り添っていたはずなのに
息子の歌を使ってこんな風に立ち直ろうとしているのを見たら
殺された学生の親はどう思うだろうとか。
そしてまた一方では、被害者でも加害者でも親は親。
息子の犯した罪を背負って生きるなんて どんなに辛いだろう、と
離れそうになったサムに再び寄り添ってあげたくなったり。
本当にそういう意味では 答えを出すことなんてできない、
ずっとこの思いを持ち続けなければならない内容でした。
それでもラストの歌を聞いたら、きっと誰でもジーンとしちゃうだろうな。
サムに寄り添ってあげたくなっちゃうだろうな。
楽曲が素晴らしいです。
昔なら迷わずアマゾンでクリックしてますが、最近は一呼吸できるようになったので
YouTubeで聞いて満足してます。
監督がなんと名優、ウィリアム・H・メイシー。
本人も出てますし、サムの奥さん役のフェシリティ・ハフマンは彼の本当の奥さんですって!
彼が通う楽器店の店長に ローレンス・フィッシュバーン も。
いい味出してます。
ああ、またいい映画観ちゃったな。
今年の上位に入りそう。