2022年7月25日(月)
甲斐駒ヶ岳山頂から仙丈ケ岳を望む
仙水峠から駒津峰に到着。
CT 1:20 登りっぱなし、苦しいトレイルではあったが、特別に難しい斜面があったわけではない。
けれどここからはどうだろう。
安心なことにさほど切り立った危うい所を歩くわけではないが、
岩の多い、どこに足を置いたら良いか迷うようなトレイルを慎重に下ってゆく。
左には険しく危険なことで知られる鋸山の尾根が見える。
右奥は霧ケ峰や美ヶ原だろうか。 時々休んで景色を眺める。
六万石に向けて慎重に下る。
岩の間にチョウジコメツツジ
斜めになったり、尖った縁を歩くような歩きにくい岩のトレイルを進み、
六万石の下をくぐるように通り抜けると直登りルートと巻き道ルートの分岐に出た。
ここがその分岐。(9:00) 右の岩に「マキ」と書いてある。
彼女たちは直登ルートに向かって行った。 私はもちろんマキだ。
イワツメクサ
マキ方向もしばらく大きな岩の段差を下りたり上ったりしながら進む。
タカネツメクサ
岩場にこのようなお花があちこち見られるので、なんとなくホッとする。
岩場をしばらく進むと突然花崗岩の斜面に変わる。
多くの人がアリジゴクのように歩きにくい、と言っているトレイルに突入。
山頂へは先ほどの分岐から回り込むように登ってゆくので、まだ山頂がどのへんなのかもよくわからない。
まずは摩利支天への分岐まで。
直登&マキの分岐から摩利支天への分岐までCTは20分。
ザレた場所もあるがこのように歩きやすい場所もあるので、CT少しオーバーくらいで歩けた。
が、摩利支天分岐少し下、いよいよここからが本番のアリジゴクだった。(9:19)
花崗岩の砂がザラザラなうえに斜度が非常に急。
登山者はなんとか岩に近い場所を手掛かり、足掛かりにして登ってゆく。
ピークのように見える場所もまだ山頂ではなく、いったいどこまで登る?
時に砂地でどちらに行ったらよいかわからなくなるような場所を探りながら、とにかく一歩一歩登る。
良かったのは、直登&マキ分岐は既に 標高2,700mを越えているので、直射日光でもそれほど暑さを感じなかったこと。
岩の上に赤い標識が立っており、それを目印に登るようになり、
見上げるとようやく山頂の祠が見えた!
甲斐駒ヶ岳山頂と~ちゃく!!(10:05)
やった~!! 登頂できた!!
伊那から登った自分は甲斐駒ヶ岳と言うより東駒ヶ岳に登った、ということになるだろう。
けれどここに来れた喜びはひとしおだ。
日本中の「駒ケ岳」の中で一番高いこの駒ケ岳は標高 2,966m。
六万石あたりから高山病で頭痛、というレポも読んだが、私は大丈夫だった。
昨夜の眠りの浅さから考えたら不思議なほど良く歩けた。
山頂からはそれまで見えなかった八ヶ岳が望めた。
黒戸尾根方向。 非常に急な尾根が雲の中に消えてゆく。
奥左が金峰山方向、右奥が大菩薩嶺~小金沢山稜。
麓が北杜市かなぁ。 あの辺からグルッと回って伊那に入り、北沢峠に至ったのだなぁ。
黒戸尾根から登れれば、登山口は近いのだけど。w
鳳凰三山の向こうに富士山。 見えて良かったなぁ。
直下には摩利支天。
鳳凰三山と富士山をアップ。
あそこからこちらを眺めたのだ。
手前左が栗沢山から始まる早川尾根。 その向こうにキリリと立つ北岳。
北岳の奥に間ノ岳、その奥にずっと南アルプスの名峰群。
右、すぐ隣にはもちろん仙丈ケ岳。
道標が指すのは鋸岳へのルート。
手前の岩に熟練者以外は通行禁止の旨書かれた表示板がある。
左奥に中央アルプス、麓に伊那盆地。
山頂の岩でゆっくり腰を下ろし、お昼ご飯にした。
予定よりそれ程遅れてはいない。
15:00には下山する登山計画だったが、最終バスは 16:00だから、少しは喜びの余韻に浸る。
昼食後少し下にあったこちらの祠を訪ね、本当に下山する。
さようなら、山頂。
けど、バスに間に合うよう下山も頑張らなくては。
結局のところ、体力がもたないと思い、仙水峠のピストンで戻ることにした。
登りはつらかったアリジゴク、下りも歩きにくいがやはり楽。
奥中央に見える巨石が六万石。 そこから登った左奥が駒津峰。
ヨツバシオガマ
六万石に向かう。
その後の駒津峰への登り返しはとても辛かった。
ハイマツの実が豊作。
そう言えば朝から高らかにホシガラスがあちこちで鳴いていた。
コバノコゴメグサ
コケの森をどんどん下ってゆく。
駒津峰から仙水峠では下りも疲れてしまい、仙水峠手前でいったんゆっくり座っておやつ休憩にした。 仙水峠まで行かなかったのは、さすがにこの辺では暑くなり、日影で休みたかったから。 それでも下りは計画より早く歩くことができ、結果こもれび山荘に戻ったのは 14:35。 預かっていただいた荷物をピックアップし、トイレをお借りして、ご挨拶してから 15:00発のバスに向かうことができた。 15:00前にはバスに乗れるよう待合のベンチに座っていたが、先のバスが15:00前に満員で出発し、15:00過ぎにもう一台のバスで山を下りた。 このように待ち人数によってバスが到着次第出発する様だ。(2便以降が定時より後になることもある、ということ)
下山後、数十分後にはバスに揺られて下山している自分が何だか夢のようだった。 「本当に今日あの山に登ったんだっけ?」みたいな。 実際すぐに眠ってしまったのだが。 北沢峠からではあるが、あの甲斐駒ヶ岳に登ったのだ。 数字を見ると、距離 10.0km、上り 1,161m、とそんなに驚くようなものではないのだが、岩だったり、砂だったり、今の自分にはよく頑張った、という所。 北沢峠から1泊で甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳と2日連続で登る人も多く、私もそうしたいと思っていたが、今回甲斐駒ヶ岳1座にしておいて妥当だった、と心底思った。
近日、大雨や雷も多い中、天候も崩れず、自身の体調も崩れず、駐車場も何もかも上手くいって本当に良かった。
またいつか、仙丈ケ岳に登るためにこの北沢峠を訪れよう。 そんな楽しみも増えた。
北沢峠からの甲斐駒ヶ岳、上り1,161mとのことで
すが、上りづらい岩々、砂礫地のコース、頑張った
甲斐があり、天気も良く秀麗富士や八ヶ岳などの
展望とイワツメクサやシャクナゲなどに出逢え、
最高でしたね。
甲斐駒ヶ岳は何時かはと思いながらも未踏、レポを
楽しませていただきました。
コロナがあって「今年こそ行かなくちゃ!」と思わなければ、
決断できなかったのかもしれません。
私には登りがいのある山でしたが、
多くの方が仙丈ケ岳とセットで2日連続登られているので、
うらやましい限りです。
私はもう一度、今度は仙丈ケ岳に登ろうと思います!