安倍政権は自衛隊の中東派兵について今月中旬の閣議決定を目指しています。 トランプ米政権が参加をよびかけた各国部隊の活動が来年1月に本格化することを踏まえ、日本としても派兵決定を急ぐ構えです。
「日経」紙電子版12月4日付は派兵部隊は、「4千~5千㌧級でヘリコプターが搭載できる中規模の護衛艦で、約250人が乗艦する予定だ。 司令部要員の50人も載せる」 「哨戒機の要員としては約20人を確保する。 現在、ソマリア沖アデン湾の海賊対処任務にあたっている『P3C』を活用していく」と報じています。 これらの部隊は横須賀、厚木基地から派兵される可能性が考えられます。
また、「安倍晋三首相は来年1月中旬の中東訪問を検討する。 サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)を訪れる方向だ」とつたえています。 これらの国は、有志連合参加国です。
日本は、米国主導の有志連合「番人(センチネル)作戦には参加せず、防衛省設置法による「調査・研究」活動を行うとしていますが、「情報収集などで米国と連携する」(「日経」同前)ことが明らかにされています。
こうした、一連の経過や派兵部隊の活動内容から、事実上の「有志連合」参加であり、米軍の指揮下での活動になることはあきらかです。 しかも、作戦・事態の拡大、深刻化のもとでは、自衛隊の増派、日本がアメリカが引き起こす戦争に巻き込まれる危険性が強く懸念されます。
日本共産党の綱領第2章第5節は、「日本の自衛隊は、事実上アメリカ軍の掌握と指揮のもとにおかれており、アメリカの世界戦略の一翼を担わせられている」と規定しています。
そして、第6節では、次のように規定しています。
「日本独占資本主義と日本政府は、アメリカの目したの同盟者としての役割を、軍事、外交、経済のあらゆる面で積極的、能動的に果たしつつ、アメリカの世界戦略に日本をより深く結びつける形で、自分自身の海外での活動を拡大しようとしている」
「軍事面でも、日本政府は、アメリカの戦争計画の一翼を担いながら、自衛隊の海外派兵の範囲と水準を一歩一歩拡大し、海外派兵を既成事実化するとともに、それをテコに有事立法や集団的自衛権行使への踏み込み、憲法改悪など、軍国主義復活の動きを推進する方向に立っている」
「軍国主義復活をめざす政策と行動は、アメリカの先制攻撃戦略と結びついて展開され、アジア諸国民との対立を引き起こしており、アメリカの前線基地の役割とあわせて、日本を、アジアにおける軍事的緊張の危険な震源地の一つとしている」
日本共産党の小池晃書記局長は2日の記者会見で次のように強調しました。
「そもそも中東沖へに自衛隊派遣に反対だが、国会の審議をしないで進めるのは、論外中の論外。 なし崩し的自衛隊の海外での活動を拡大していくことになる」
「日本がやるべきことは、トランプ政権に核合意に戻るように説得すること、イランに緊張を高めないように自制を求めること、欧州諸国などと連携しながら平和外交でこの地域の平和を実現のために努力すること。 それこそが日本が憲法9条に基づいて果たすべき役割だ」