2日、原水爆禁止2020年世界大会・国際会議主催者声明が発表されました。同大会の国際会議で討論、採択される「国際宣言」が原水爆禁止運動の到達点と今後の課題と取り組みを明らかにしてくれます。例年ですと、明日4日から広島の世界大会に参加するところですが、今年は、コロナ禍のなかで、一般参加の大会は中止となりました。しかし、世界大会はオンライン形式で開催されています。素晴らしいことではないでしょか。「しんぶん赤旗」3日付は、世界大会実行委員会の主催者声明を掲載しました。その一部を紹介させていただきたいと思います。
「核兵器は今なを全人類の脅威です。被爆者と核実験被害者は長年、自らの体験を通じて、核兵器の使用がもたらす非人道的な結末を訴えてきました。広島と長崎では、その年の末までに20万人をこえる市民が命を奪われ、かろうじて生き延びた人びとも後遺症や社会的差別と貧困に苦しみ、その次の世代も健康への不安をかかえています」
「核兵器は『悪魔の兵器』です。いかなる理由によっても、いかなる場所でも、ヒロシマ、ナガサキを繰り返させてはなりません。私たちは、この危険を一刻も早く根絶するために、ともに行動することを世界の人びとによびかけます」
「COVID-19パンデミックによって、世界ではすでに70万人近くの人びとの命が奪われ、貧困層はじめ移民・難民・先住民など社会的弱者のあいだでの感染拡大がとりわけ深刻化しています」
「国連は今日の事態について、『国連の75年の歴史において、莫大な破壊力を持つ兵器により安全保障を確保しようとする愚かさがこれほど明らかであったことはありません』と表明しています。私たちは、軍事力による国家の『安全保障』から、国民一人ひとりの命と安全、そして尊厳を最優先する政策への転換を強く求めます」
「いまなを1万4000発近く核弾頭が存在し、2000発近くの核ミサイルが直ちに発射できる状態にあります。意図的な使用の危険に加え、偶然や誤算によってさえ、核爆発が起きかねない状況が続いています。幸運にも、最悪の事態を回避してきましたが、核兵器が存在する限りその危険は続きます。人類の生存をこれ以上、『運』にゆだねるわけにはいきません」
「世界の122カ国は2017年7月、市民社会と力をあわせて、核兵器禁止条約を成立させました。核兵器をはじめて違法化したこの条約は核兵器廃絶への重要な一歩にほかなりません。核兵器禁止条約を成立させた国々と市民社会の運動はこの3年間、核固執勢力を追いつめてきました」
「禁止条約の批准は40カ国となり、発効に必要な50カ国まで10か国と迫っています。発効はもはや時間の問題です。そうすれば、核兵器廃絶をめざすたたかいも、新しいステージへと前進します」
「唯一の戦争被爆国である日本政府の責任は重大です。日本政府がすみやかに核兵器禁止条約に参加するとともに、『核兵器のない世界』をめざす世界的流れの先頭に立つことを求めます」