宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「桜」究明は、民主主義の原点を守り、戦争への道をストップさせるたたかい (4)

2019年12月11日 | 野党連合政権への展望

 臨時国会が閉幕しました。 臨時国会の最大の争点が、「桜を見る会」をめぐる安倍首相に直接関わる疑惑の解明でした。 安倍首相は今国会では、最後まで真実を語らず、「逃げ」続けました。 「桜」疑惑の構図について、日本共産党の志位和夫委員長は、9日の日本共産党国会議員団総会で次のように指摘しました。

 「一つは、関係者はきわめて多数でって、数千人の関係者をとうてい隠しとおせるものではないということです。 二つは、『ジャパン・ライフ』の被害者が、これも数千人規模でいるということであります。 三つは、安倍首相に直結する違法行為の疑惑が多数あるということです」

 「真相の徹底究明を行い、安倍政権を総辞職に追い込むまでがんばりにこうではありませんか」。 さらに、志位氏は、記者会見で、「(桜疑惑)それをあいまいにしてしまったら、日本の民主主義は壊れてしまします」と語りました。

 9日、「立憲デモクラシーの会」が、国会で記者会見しました。 そのなかで、石川健治東京大学教授は、「哲学者カントが公開性・公表性のない統治は『不正』であり、戦争を招くと述べた」と紹介し、「安倍政権の疑惑の隠ぺいによって、『統治システムの本質がb日々毀損されている』『併せて9条改憲が提起されていることが極めて深刻だ』と強調しました」

 「朝日」紙9日付、「社説」は、「政治の公平・公正に対する信頼は政策遂行の基礎である。 税金で賄われる公的行事を、安倍政権が私物化していたのではないかという疑念を放置したまま、先に進むことはできない」

 「政治権力が国民への説明を放棄した先に待っているのは、民主主義の土台の崩壊である」

 安倍首相は、9日の記者会見で、こうした指摘に「見事」に答えました。

 「(桜を見る会)私自身の責任で招待者の明確化や招待プロセスの透明化を検討する」

 「(憲法改正)憲法改正は決してたやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」

 「桜」疑惑を隠ぺい政治」が、「憲法9条改悪―戦争する国づくり」と一体化していることを、安倍首相本人が、最も分かり易く語っています。

 

 

 


国会審議なしで自衛隊の中東派兵ー事実上の米主導の有志連合参加に反対 (22)

2019年12月10日 | 綱領関連

 安倍政権は自衛隊の中東派兵について今月中旬の閣議決定を目指しています。 トランプ米政権が参加をよびかけた各国部隊の活動が来年1月に本格化することを踏まえ、日本としても派兵決定を急ぐ構えです。

 「日経」紙電子版12月4日付は派兵部隊は、「4千~5千㌧級でヘリコプターが搭載できる中規模の護衛艦で、約250人が乗艦する予定だ。 司令部要員の50人も載せる」 「哨戒機の要員としては約20人を確保する。 現在、ソマリア沖アデン湾の海賊対処任務にあたっている『P3C』を活用していく」と報じています。 これらの部隊は横須賀、厚木基地から派兵される可能性が考えられます。

 また、「安倍晋三首相は来年1月中旬の中東訪問を検討する。 サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)を訪れる方向だ」とつたえています。 これらの国は、有志連合参加国です。

 日本は、米国主導の有志連合「番人(センチネル)作戦には参加せず、防衛省設置法による「調査・研究」活動を行うとしていますが、「情報収集などで米国と連携する」(「日経」同前)ことが明らかにされています。

 こうした、一連の経過や派兵部隊の活動内容から、事実上の「有志連合」参加であり、米軍の指揮下での活動になることはあきらかです。 しかも、作戦・事態の拡大、深刻化のもとでは、自衛隊の増派、日本がアメリカが引き起こす戦争に巻き込まれる危険性が強く懸念されます。 

 日本共産党の綱領第2章第5節は、「日本の自衛隊は、事実上アメリカ軍の掌握と指揮のもとにおかれており、アメリカの世界戦略の一翼を担わせられている」と規定しています。

 そして、第6節では、次のように規定しています。

 「日本独占資本主義と日本政府は、アメリカの目したの同盟者としての役割を、軍事、外交、経済のあらゆる面で積極的、能動的に果たしつつ、アメリカの世界戦略に日本をより深く結びつける形で、自分自身の海外での活動を拡大しようとしている」

 「軍事面でも、日本政府は、アメリカの戦争計画の一翼を担いながら、自衛隊の海外派兵の範囲と水準を一歩一歩拡大し、海外派兵を既成事実化するとともに、それをテコに有事立法や集団的自衛権行使への踏み込み、憲法改悪など、軍国主義復活の動きを推進する方向に立っている」

 「軍国主義復活をめざす政策と行動は、アメリカの先制攻撃戦略と結びついて展開され、アジア諸国民との対立を引き起こしており、アメリカの前線基地の役割とあわせて、日本を、アジアにおける軍事的緊張の危険な震源地の一つとしている」

 日本共産党の小池晃書記局長は2日の記者会見で次のように強調しました。

 「そもそも中東沖へに自衛隊派遣に反対だが、国会の審議をしないで進めるのは、論外中の論外。 なし崩し的自衛隊の海外での活動を拡大していくことになる」

 「日本がやるべきことは、トランプ政権に核合意に戻るように説得すること、イランに緊張を高めないように自制を求めること、欧州諸国などと連携しながら平和外交でこの地域の平和を実現のために努力すること。 それこそが日本が憲法9条に基づいて果たすべき役割だ」 

 

 


沖縄県の対米自治体外交ー”新基地はいらない、民意を無視するな”一歩一歩成果 (21)

2019年12月09日 | 綱領関連

 日本共産党綱領第2章第5節は、「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている」と規定し、さらに次のように述べています。

 「わが国には、戦争直後の全面占領の時期につくられたアメリカ軍事基地の大きな部分が、半世紀を経ていまだに全国に配備され続けている。 なかでも、敗戦直後に日本本土から切り離されて米軍の占領下におかれ、サンフランシスコ平和条約でも占領支配の継続が規定された沖縄は、アジア最大の軍事基地とされている」

 「沖縄県民を先頭にした国民的たたかいのなかで、1972年、施政権返還がかちとられたが、米軍基地の実態は基本的に変わらず、沖縄県民は、米軍基地のただなかでの生活を余儀なくされている」

 「アメリカ軍は、わが国の領空、領海をほしいままに踏みにじっており、広島、長崎、ビキニと、国民が三度核兵器の犠牲とされた日本に、国民に隠して核兵器持ち込みの『核密約』さえ押し付けている」

 とアメリカの軍事支配を告発しています。 こうした、事実に基づいて日米関係の異常な関係を規定し、日本の主権を回復し、真に独立した国家の建設、対米関係を対等・平等な関係に変革することを当面する日本改革の最重要課題として掲げている政党は、現在は日本共産党だけです。 広く、国民的、野党共通の合意になるために大いに努力したいと思っています。 

 こうした努力が、具体的な行動で示しているのが沖縄ではないでしょうか。 

 「しんぶん赤旗」12月7日、8日付が、沖縄県政与党訪米団(6県議が参加)のとぐち修県議団長(日本共産党)のインタビ―記事が掲載されました。 今回の訪米の目的は、(訪米期間は11月11日~17日)「県民投票で示された民意の尊重を米政府・連邦議会関係者等に面会して訴え、県議会決議を届けること」(とぐち団長)でした。

 とぐち団長は、今回の訪米について、次のように語っています。(同紙、8日付)

 「私は、2015年の翁長雄志前知事の訪米に参加し、今回で訪米は4回目です。 訪米のたびに一歩一歩、成果を得ています。 米国内でも着実に県民の民意を支持する輪が広がっています。 初めは『沖縄ってどこ?』という反応でしたが、今回は本当に話し合いができる状況でした

 「これまでの翁長前知事や『オール沖縄会議』、『島ぐるみ会議』、玉城デニ―知事の訪米行動などの積み重ね、県民の粘り強いたたかいがあってこその今回の成果だと思います」 

 「訪米したら終わりではなく、つながった人たちと日常的に連絡をする運動をつくりあげていくことが今後の課題です。 成果を生かし、さらに大きな運動を沖縄、全国、世界で展開していく必要があります」 

 「何より大事なことは、沖縄であきらめない、揺るぎないたたかいと民意をもっと示すことです。 そのためにも来年6月予定の県議選で、日本共産党の現有6議席を7以上にして、玉城デニ―県政を支える力をもっと強固にしなければなりません」

 日本の地方、国政を変えるたたかいが、対米関係を変える力になることを私たちは実感しています。  

 


植民地体制の崩壊のかなで「世界の構造変化」が。 対米従属下の日本の未来は (20)

2019年12月08日 | 綱領関連

 マハティール首相発言をどう考えるか、それぞれの立場があると思います。 マハティール氏は、「いまの日本の行動は日本のためにも、ほかの国のためにもなっていない」と指摘し、その根拠として、「敗戦後、日本は平和を希求して、攻撃的な戦争をしないと憲法にも書き込みました。 でもその一方で、日本は米国の強い影響下にあります。~米国の利益だけ考えていたら、アジアの平和は実現しないのです」

 日本が、世界をどう見て、どう行動するか。 また、世界、アジア諸国は日本をどう見て、対応しようとしているか。 このことは、私たちの地域の日常活動にとっても大変重要な課題です。

 日本共産党の「綱領一部改定案」は、新たに「第9節」を設け、「世界論」を整理し発展させました。 その一部を紹介させていただきたいと思います。 ご意見、ご批判は直接中央委員会に届けていただきたいと思うます。

 「(九)植民地体制の崩壊と百を超える主権国家の誕生という、20世紀に起こった世界の構造変化は、21世紀の今日、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめている」

 「一握りの大国が世界政治を思いのままに動かしていた時代は終わり、世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれてつつある。 諸政府とともに市民社会が、国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」

《中略》

 「東南アジアやラテンアメリカで、平和の地域強力の流れが形成され、困難や曲折をへながら発展している。 これらの地域が、紛争の平和解決をはかり、大国の支配に反対して自主性を貫き、非核地帯条約を結び核兵器廃絶の世界的な源泉になっていることは、注目される」

 「特に、東南アジア諸国連合(ASEAN)が、紛争の平和的解決を掲げた条約を土台に平和の地域共同体をつくりあげ、この流れをアジア・太平洋地域に広げていることは、世界の平和秩序への貢献となっている」

 私は、この大きな躍動的ともいえる「世界の構造変化」を考える時、異常な日本の対米従属状態を直視し、その変革についての課題を国民的なレベルで考え、行動することがさけられない時代となっているように思います。 

 

 


マハティール首相 「日本には独立した外交政策がない」-「朝日」報道 (19)

2019年12月06日 | 綱領関連

 「朝日」紙の12月5日付、「インタビュー」欄には、昨年15年ぶりに首相の座に就いたマレーシアのマハティール首相(94)の発言が掲載されました。 以下、日本に関する発言部分を紹介させていただきます。

 「--では、日本について、国際社会で果たすべき日本の役割や存在感をどう見ていますか」

 「(マハティール首相) 日本はアジアの問題にもっときちん役割を果たすべきです。 米国から命令を受けているだけの衛星国だとみなされれば当然、日本の影響力は弱くなる」

 「--日本はいま、そのように見られているというわけですか」

 「それが私の印象です。 日本には独立した外交政策がないように見えます

 「--日本は対米依存を弱め、米中の間でもう少し中立的になるべきだということでしょうか」

 「そうです。 いまの日本の行動は日本のためにも、ほかの国のためにもなっていない。 米国は常に対立的で、それに付き従っていては、常に紛争に巻き込まれることになります」

 「アジアのためにならない米国の政策は突き放すべきです。 米国が正しいことをしている時には従えばいい。 米国は世界一の軍事大国で、対抗するために多くの国が、自国の防衛力に無駄にコストをかけなければならない。 日本はこうした米国の政策に引きずられてはいけません」

 「ーーかつて『ルックイースト政策』を掲げていました。 日本に学ぶことはまだ残っていますか

 「ありますよ。 特に日本の失敗からですね。 『ルック・イースト』は日本や韓国のいい面だけでなく失敗からも学ぶ。 同じ過ちをしないということでもあるのです」

 「日本の失敗、とは何を意味するのですjか」

 「敗戦後、日本は平和を希求して、攻撃的な戦争をしないと憲法にも書き込みました。 でもその一方で、日本は米国の強い影響下にあります。 攻撃的な外交政策をとる米国が引き起こす紛争に、日本がその紛争を招いたわけでもないのに、引きずり込まれる可能性があるということ。 米国の利益だけ考えていたら、アジアの平和は実現できないのです」

 マレーシアは、1957年8月イギリスから独立し、1963年9月16日に成立しました。 アメリカのベトナム侵略戦争が激しさを増している時代でした。 東南アジア諸国連合国。 人口 31,786千人。 GDP 3,124億㌦(世界35位)

 ★1967年 東南アジア諸国連合結成。 結成時の加盟国 インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア。 1999年4月カンボジア加盟で10カ国となる。 人口 約6億人(2010年)

 マハティール氏の概略を「ウイキぺディア」から見て見たいと思います。

 1925年7月生まれです。 1946年統一マレー国民戦線(UMNO)発足に、関与、独立運動および政治活動を開始。 1953年 医師の資格を取得。 1963年マレーシア成立。 1964年4月総選挙で、下院国会議員に。

 1981年7月16日、第4代首相に就任。 以降、2003年まで首相を務めた。 2018年5月に15年ぶりに首相に就任。

 マハティール首相の発言は、青年時代の独立運動への参加以来の長い政治活動から生まれた鋭い指摘ではないでしょうか。 同時に、東南アジア諸国連合の当初からの加盟国の立場からの発言でもあると思います。

 私たち国民にとっても、大いに検討する意味のある提起ではないでしょうか。


日本の未来社会ー国民主権、基本的人権、議会制民主主義は継承、豊かに発展 (18)

2019年12月05日 | 綱領関連

 《続き》

[②未来社会への移行の過程の条件]

「自由と民主主義、政治体制について」

 「自由と民主主義、政治体制という点でも、日本での社会主義の道は、中国などとは異なる道をすすむことになる。 中国、ベトナム、キューバでは、政治体制の面で、事実上の一党制をとり、それぞれの憲法で『共産党の指導性』が明記されている。 これは、それぞれの国で社会主義をめざす勢力が、革命戦争という議会的でない道を通って政権についたことと関連がある」

 「もちろん、議会的でない道を通って政権についた場合でも、レーニンがロシア革命の初期に実践したように、反対政党の禁止は一般的な革命の原則とはいえない。 同時に議会も民主主義の経験も存在しないという条件から革命が出発したことが、現在のこれらの国ぐにの政治体制のあり方と結びついていることを、見ておかなければならない」

 「日本では、このようなことは決して起こりえないことである。 日本共産党は、当面する民主主義革命でも、将来の社会主義的変革においても、その一歩一歩を、選挙による国民の審判を受け、議会で多数を獲得することによって進むことを、綱領で宣言している。 綱領にはつぎのように明記している」

 「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」

 「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」

 「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」

 「これが綱領が国民に約束している社会主義日本の展望であるが、これはたんに綱領上の公約というだけにとどまらない。 日本のように憲法で国民主権、基本的人権がうたわれ、議会制民主主義が存在する社会を土台にするならば、未来社会において、それらが全面的に継承され豊かに花開くことは歴史の必然である」

 「発達した資本主義国から社会主義・共産主義への道に踏み出した経験を、人類はまだもっていない。 この変革の事業のもつ可能性は、その出発点の諸条件を考えるならば、はかりしれない豊かさと壮大さをもつものとなるだろう。そこのとに深い確信をもって、未来を展望し、前進しよう」

 


日本の未来社会ー”現在の経済力でも、憲法第25条を国民すべてに保障できる” (17)

2019年12月04日 | 綱領関連

 綱領一部改定案が提起している日本の未来社会への「豊かで壮大な可能性」について関心が寄せられています。 このことに関して、日本共産党第26回党大会(2014年1月開催)決議が、すでに、わかりやすく明らかにしています。 しかし、この間の国政選挙などではこうした、日本の未来社会へのー「豊かで壮大な可能性」について、語ることが不十分だったと、反省させられています。 

 そこで、あらためて、第26回党大会決議(第6章ー「日本における未来社会の展望について」、第29節)を紹介させていただきたいと思います。 

 「日本が、社会主義の道に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる。 中国、ベトナム、キューバが抱える『政治上・経済上の問題』は、根本的には、これらの国の革命が、経済的・社会的・政治的に発達の遅れた状態から出発したことと不可分に結びついている」

 「中国やベトナムは、それに加えて、外国帝国主義による侵略戦争で国土が荒廃させられたところからの出発という問題があったし、キューバには長年にわたる米国による無法な経済封鎖という問題がある」

 [日本における未来社会への豊かで壮大な展望]

 ①未来社会への移行の過程の条件ーー経済力の水準について

 「日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる。 その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的諸矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう」

 「日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう『健康で文化的な最低限度の生活』を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっていいる。 社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった『浪費型の経済」 --繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化などーーになっているためである」

 「生産手段の社会化によって、資本主義に特有の『利潤第一主義』という狭い枠組みから解放され『生産と経済の推進力』が『資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展』に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした『浪費的な部分』は一掃されることになるだろう」

 「そのことによって、現在の社会的生産の規模でも、日本国民すべてに『健康で文化的な最低限度の生活』を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。 そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう」

 [②未来社会への移行の過程の条件ーー自由と民主主義、政治体制についてーーは「続編で紹介させていただきます]


「今のたたかいが、未来社会を根本的に準備する」-志位氏の民青全国大会の講演(16)

2019年12月03日 | 綱領関連

 志位和夫委員長が11月23日、日本民主青年同盟第43回全国大会で、「21世紀の世界をどうとらえ、どうたたかうか」と題して党綱領一部改定案について講演した内容が、11月26日の「しんぶん赤旗」に「要旨」が掲載されました。 綱領改定案を読み、深めていただく上で大変参考になっています。

 「講演」の最後の部分、「今のたたかいは、そのすべてが未来社会を根本から準備する」を紹介させていただきたいと思います。 

 「志位氏は、一部改定案で『発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である』と明記していることにかかわって、その『特別な困難性』と『豊かで壮大な可能性』について詳しく解明しました。 ここは、『今の私たちのたたかいが、すでに未来社会実現の土台を築いていることがよくわかった」(千葉県・男性)など参加者から大きな反響が寄せられた部分です」

 「一部改定案は、『資本主義の高度な発展そのものが、その胎内に、未来社会に進むさまざまな客観的条件、主体的条件をつくりだす』として、①高度な生産力 ②経済を社会的に規制・管理するしくみ ③国民の生活と権利を守るルール ④自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験 ⑤人間の豊かな個性ーーという5つの要素を列挙しています」

 「この5つの要素について、志位氏は、『このなかには資本主義の高度な発展が必然的につくりだす要素もありますが、人民のたたかいによって初めて現実のものとなる要素もあります』と指摘」

 「たとえば、労働時間の短縮、社会保障の充実、学費の無償化、ジェンダー平等など、『国民の生活と権利を守るルール』は、自動的につくられたものではなく、たたかってこそ現実のものとなります。 『自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験』も、自由と民主主義を守り、発展させる国民のたたかいの歴史的経験を積み重ねてこそ、未来社会に確実に引き継がれ、発展させることができます」

 「さらに、『人間の豊かな個性』の発展についても、資本主義社会のもとで自動的に進行するものではありません。 すべての人が生まれながらにして平等だという民主主義の感覚、個人の尊厳が何よりも大切だという人権の感覚、国民こそが国の主人公であるという主権者意識などは、人間に最初からそなわっていたのではなく、人民のたたかいによって歴史的に形成されてきたものでした」

 志位氏は、次のように、若い世代に熱く訴えました。

 今のたたかいは、未来社会と地続きでつながっています。 そのすべてが未来社会を根本的に準備します。 こういう大志とロマンのなかに現在のたたかいを位置づけ、たたかいの大きな前進をかちとろうではありませんか。 発達した資本主義国での社会主義的変革は、まだ誰も歩んだことがない、人類未到の道の探究。 そこには『特別の困難』もありますが、はかりしれない、『豊かで壮大な可能性』があります」

 


「発達した資本主義の国の社会変革は、社会主義・共産主義への大道」 (15)

2019年12月02日 | 綱領関連

 日本共産党の綱領一部改定案は、「第3章21世紀の世界」への改訂が中心ですが、その改定の関連で、「第5章社会主義・共産主義の社会めざして」についても改定される予定です。 その内容が、「毎日」紙の報道を考える参考になるのではないかと感じています。

 以下、新たに追加される部分を紹介させていただきたいと思います。

 「これまでの世界では、資本主義時代の高度な経済的・社会的な達成を踏まえて、社会主義的変革に本格的に取り組んだ経験はなかった。 発達した資本主義の国での社会主義・共産主義への前進をめざす取り組みは、21世紀の新しい世界史的な課題である」

 「発達した資本主義国での社会主義的変革は、特別の困難性をもつとともに、豊かで壮大な可能性をもった事業である。 この変革は、生産手段の社会化を土台に、資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ、国民の生活と権利を守るルール、自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験、人間の豊かな個性などの成果を、継承し発展させることによって、実現される」

 「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である。 日本共産党が果たすべき役割は、世界的にもきわめて大きい」

 志位和夫委員長は、8中総での、「綱領一部改定案」の討論の「結語」のなかで、次のように述べました。

 「一部改定案が、『発達した資本主義国における社会変革は、社会主義・共産主義への大道である』という命題を押し出したことの意味についてであります。 これは、私たちが、一つの世界史的な『割り切り』をしたということであります」

 「わが党は、資本主義の発展の遅れた国ぐににおける社会主義的変革の可能性を否定するものでは決してありません。 そのような断定は、図式的で傲慢なものとなるでありましょう」

 「同時に、ロシア革命から1世紀をへた世界史的経験は、資本主義の発展が遅れた国ぐににおける社会主義的変革には、きわめて大きな困難があることを証明しました」

 「そうしたもとで、発達した資本主義国で社会主義・共産主義への道を開くという人類未到のとりくみに、腹をくくって挑戦しようーーこれが一部改定案の立場であります」

 「一部改定案では、発達した資本主義国での社会主義的変革の『特別の困難性』とともに、『豊かで壮大な可能性』を全面的に明らかにしています。 私が、結語で強調したいのは、今の私たちのたたかいが、『特別の困難性』を突破するとともに、『豊かで壮大な可能性』を準備するたたかいであるということです」


アメリカの若者と「社会主義」、「NY 響く革命歌」ー「毎日」紙 (14)

2019年12月01日 | 綱領関連

 12月1日「毎日」紙は、1面トップで、「NY 響く革命歌」「社会主義 若者に浸透」の見出しで「ポスト『冷戦時代』のかたち」を報道しました。 また、11月24日付の「読売」紙は、「中国の現在の統治スタイルを『デジタル・レーニン主義』と名づけ、注目を浴びている」セバスチャン・ハイルマン独トり―ア大教授の「今後の中国と世界の関わり方についてのインタビー記事を掲載しました。 「朝日」紙は、同日付で「崩壊後30年 マルクス未完の問い」のタイトルで、大野 博人編集員の記事を掲載しています。

 資本主義社会の矛盾、行き詰まりが様々なかたちでに人々のくらしや、温暖化問題など地球的規模で現実的な問題となって現れてきているなかで、未来社会・社会主義に関心があつまりつつある反映といえるのではないでしょうか。

 「毎日」紙の報道を見て見たいと思います。 記事の冒頭は、<「アライズ ヤ プリズナー オブ スタベーション(立て飢えたる者よ)・・・>。 木枯らし吹く11月10日の米ニューヨーク・マンハッタン。 雑居ビルの一室で2日間にわたって開かれた集会が終わりを迎えると、約90人の若者らが立ち上がって拳を振り、歌い始めた。 革命歌『インターナショナル』」

 「30年前、米国は資本主義を掲げる西側陣営を率い、東西冷戦を終わらせた。 だが、その米国の経済の中心地で、社会主義の象徴である歌が高らかに響いていた」

 「ソ連崩壊以降に生まれた世代の抵抗感は薄れている。 彼らは反対派の粛清や飢餓で多数の死者を出したスターリン独裁体制(1920年代~53年)も直接は知らない。 オ―ス・メルチャさん(22)は教員になるために大学で学ぶが、週末は働いて、母と暮らす自宅の家賃を払っている」

 「スターリン時代の社会主義は多数の犠牲者を出したのではないか。 そう尋ねると『関節の病気を患った時、私は保険に加入できていた。 保険がなければ月80㌦を自腹で払わなければならなかった。 でも私は幸運だ。 保険代も払えず死ぬ人がいる。 いまは資本主義の下で多くの人が死んでいる』と話した」

 「米ギャラップ社の調査(18年)によると、『社会主義に好意的』と答えた人は18~29歳の若者で51%に上り、資本主義の45%を上回る」

 「『若い有権者はなぜ民主的社会主義を選ぶのか』(ニューヨーク・タイムズ)」。 「『いつの間にみんな社会主義者になったのか』」(ニューヨーク・マガジン)」 今の米メディアで『社会主義』の見出しが躍るのは珍しいことではない」

 「米国で社会主義に傾倒する若者の多くが加入するのが、全米最大の社会主義政治団体『米国の民主的社会主義者(DSA)だ。 来年の大統領選に向け、公立大学の学費無料化や公的国民皆保険を訴え、民主党候補選びに名乗りを上げているバーニー・サンダース上院議員を支持。 その会員は、前回大統領選の2016年秋の約5000人から約6万人にまで膨らんでいる」

 「米国の経済格差は深刻だ。 米連邦準備制度理事会の統計(18年)によると、家計資産合計の7割を上位10%の富裕層が独占する。 米経済学者のパブリナ・チャ―ネバ氏の試算では、1982年以降、景気拡大期でも下位90%の世帯の所得は上位10%ほどは伸びず、09年からは景気が戻っても下位90%の所得は減少した」

 「30年あまりの間に、豊かであればあるほど、さらに多くの富を手にできるようになった」「若い世代の将来への失望感は切実だ」

 「『格差是正のための富の再配分について言えば社会主義は復権されるべきだ』(米国の政治学者、フランシス・フクヤマ氏「英誌 ニュー・ステーツマンのインタビー(18年10月))

 そして、同紙、隈 俊之ニューヨーク支局長は、「資本主義の仕組みにどう『民主主義』を取り戻すか。 それが私たちに問われている」と記事を「まとめ」ています。