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憲法訴訟を巡る日米の貧困と豊饒☆「忠誠の誓い」合憲判決-リベラル派の妄想に常識の鉄槌(5)

2013年02月01日 16時09分35秒 | 日々感じたこととか

⤴️ブログ冒頭の画像:記事内容と関係なさそうな「美人さん系」が少なくないことの理由はなんだろう?

https://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/c566c210ad11db94fc1d87a5fddcf58e

 


So Newdow filed an identical challenge on behalf of other parents who objected to the recitation of the pledge at school. In 2005, a federal judge in Sacramento decided in Newdow's favor, prompting the appeals court to take up the case again.

Judge Carlos Bea, who was appointed by Bush in 2003, wrote for the majority in Thursday's 2-1 ruling.

"The Pledge of Allegiance serves to unite our vast nation through the proud recitation of some of the ideals upon which our Republic was founded," he said.

Bea noted that schools do not require students to recite the pledge, which was amended to include the words "under God" by a 1954 federal law. Members of Congress at the time said they wanted to set the United States apart from "godless communists."

そこで、そこは転んでもただでは起きないNewdow。Newdow氏は学校における忠誠の誓い斉唱に反対している他の保護者数人を代理することで「2002年-2004年」の訴訟と全く同内容の訴訟を提起する。而して、2005年、サクラメントの連邦地方裁判所はNewdow氏勝訴の判決を下し、そうして事件は因縁浅からぬ連邦第9巡回控訴裁判所の法廷に持ち込まれたのだ【連邦地方裁判所の審理は通常1人の裁判官が担当するので、ここの「a federal judge」は「1人の裁判官=裁判所たる裁判官」の意味です。また、その条規の存在自体、逆に言えば「裁判所が先例と異なる判断を下すこと」をあり得ると法が考えていることの傍証でもある我が国の刑事訴訟法405条2号および3号などとは気合いが違い、判例法国の本場米英では所謂「先例拘束性の原理:doctrine of stare decisis」が「実定法的ルール」ではなく「実定法ルール」そのものであり、同一巡回区の連邦控訴審の2002年判決が出ている以上、サクラメントの「連邦地方裁判所裁判官=連邦地方裁判所」には、原告適格性(standing)を調達した「帰ってきた酔っ払い」ならぬ「帰ってきたお騒がせ男」の訴えに対しては to decide in Newdow's favorの他に道はなかったものと思われます】。

運命の木曜日。判決は3人の裁判官が2-1に分かれた。而して、多数側を代表してCarlos Bea判事が法廷意見【majority opinion =opinion of the court】の筆を取ることになった。ちなみに、【キューバから帰化した経歴を持つ元オリンピック選手でもある】Carlos Bea判事はBush(息子)大統領によって2003年に連邦控訴裁判所の裁判官に任命された人物。そのBea判事はこう述べる。

「忠誠の誓いは我らが広大な国家を統合するのに寄与している。この国がそれに拠って建てられた基盤たる諸理念がめいっぱいの気合いと魂を込めて斉唱されることを通じて忠誠の誓いはとてつもなく広大茫洋たる我らが共和国の統合に尽くしているのであります」、と。

而して、Bea判事はこうも言及する。各学校においては忠誠の誓いの朗唱が生徒に強制されてはいない、と。尚、その忠誠の誓いに含まれている「神の下に」という文言を加えたのは1954年のとある連邦法による修正によるもの。当時の連邦議会議員の中には、「神の下に」という言葉を含めることによってアメリカと「神仏を畏れぬ暴虐非道な共産主義」との間に些かなりとも距離を設けようとしたのだと述べる人々も少なくはない(★前註の「立法事実」参照)。





Judge Stephen Reinhardt, who was part of the three-judge panel that ruled in Newdow's favor eight years ago, wrote a 123-page dissent to the 60-page majority opinion.

"Under no sound legal analysis adhering to binding Supreme Court precedent could this court uphold state-directed, teacher-led, daily recitation of the 'under God' version of the Pledge of Allegiance by children in public schools," wrote Reinhardt, who was appointed by President Jimmy Carter in 1980.

他方、8年前の「ほとんど<鳩山由起夫>もん」の判決を出しNewdow氏に軍配を上げた3人の裁判官が構成する法廷の一員だったStephen Reinhardt判事は60ページの分量の法廷意見に対して123ページもの大容量の反対意見(to dissent to majority opinion≒to write dissenting opinion)を書いた。その【無意味に膨大でエコじゃない】力作にはこう記されている。

「連邦最高裁が過去に下した拘束力を帯びる先例をきちんと踏まえた、道理にかなった法的な分析を採用する限り、州の指図を受け、教師が指導する、「神の下に」のフレーズが含まれて以降の忠誠の誓いを公立の学校において生徒が日々斉唱している状態を当法廷が是認することなどあってはならないのであります」、と。ちなみに、Reinhardt判事はジミー・カーター大統領が1980年に任命した裁判官なのだけれども。





Newdow, a doctor and attorney who founded a group called the First Atheist Church of True Science, told The Associated Press he would ask the appeals court to rehear the case. If it rejects that request, Newdow said he'll appeal to the U.S. Supreme Court.


"The whole argument that 'under God' wasn't placed into the pledge for religious purposes is bogus," Newdow said. "I hope people recognize this is not against God or people who believe in God. It's about the government not treating people equally on the basis of their lawful religious views."

Newdow said he isn't optimistic the Supreme Court will agree to hear the case because the justices will likely be reluctant to hear a case that could invalidate the pledge.

"They don't want to do what's politically unpopular," he said. "The Supreme Court will not hear a case that upholds the Pledge of Allegiance. It's very unlikely at least."

医師にして弁護士の【はからずも「無意味に高学歴のアホ」という点でも鳩山由起夫氏に一脈通じる、鴨の】Newdow氏はthe First Atheist Church of True Science【真正科学無神論第一教会】と名乗るグループの創設者でもあるのだけれども、AP社のインタビューの中で件の連邦第9巡回控訴裁判所に対して当該事案の再審理を求める意向を表明した。そして、同連邦控訴裁判所がこの再審理の申し立てを却下するようなら、連邦最高裁の判断を求めるのみとも。

「宗教絡みの目論見とは無関係に「神の下に」という言辞は忠誠の誓いに入れ込まれたなどという議論はいかさまの議論です」「世間の人々には、我々の裁判闘争が別に神に対する反逆などではないこと、あるいは、神を信じておられる人々に対する敵対的行為でもないのだということを是非ともご理解いただきたい。そんな反逆や敵対行為ではなく、我々の裁判闘争はアメリカの連邦政府に対する異議申し立ての営みなのですから。そう、紛う方なく憲法が認めている宗教的なものの見方の相違に着目することで、その国民の中のある一群の人々を不平等に扱い続けてきた連邦政府に対する異議申し立てなのですから」ともNewdow氏は語っている。

而して、Newdow氏は、しかし、連邦最高裁が彼の訴えを正式手続の土俵に乗せて審理する可能性はそう高くはないと覚悟しているとも述べている。その理由は、忠誠の誓いを反古にしかねない訴訟の審理を始めることに連邦最高裁の判事達が乗り気とは到底思えないからということ。

「連邦最高裁の判事達は何につけ政治的に見て不人気な案件を取り上げることを嫌がる。換言すれば、彼等が「火中の栗」を拾おうなどという奇特な人達ばかりでは必ずしもないだろうから」「而して、連邦最高裁は忠誠の誓いを支持する訴えもまた審理しないだろう。少なくとも、そのような訴えが連邦最高裁の正式な審理の土俵に登る可能性はほとんどないと私は睨んでいる」というのがそのNewdow氏の言葉である(★)。






<続く>




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