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なでしこの澤選手が引退撤回-続けるのは自由だけど、日本代表入りは自制して欲しいかも?

2012年08月12日 19時35分18秒 | すぽーっの話題

 


 

 


▼カズになる! 澤 引退一転「やれるまでやりたい」

 


◇なでしこ帰国
ロンドン五輪で銀メダルを獲得したなでしこジャパンが11日、成田着の航空機で帰国した。W杯優勝時を超える約600人のサポーターに出迎えられて堂々の凱旋。日本女子サッカー史上初のメダル獲得という快挙に貢献したMF澤穂希(33=INAC神戸)は、J2横浜FCのFW三浦知良(45)の助言もあって、現役続行と今後も代表入りを目指すことを宣言した。女子サッカー界のクイーンが“女カズ”を目指して再出発する。

自身4度目の五輪を花道に代表を引退するはずだった。だが、銀メダルという結果に終わったこと、まだ戦えるという手応えをつかんだことで、澤はサッカーへの愛情を再確認した。「サッカーが楽しくて仕方ない。やれるところまでやりたいというのが正直な気持ち。代表も呼んでもらえるチャンスがあるなら、やれるところまでやる」


(スポニチアネックス・2012年8月12日7時1分






▼なでしこ激闘譜 宮間「誇りに思う」


ロンドン五輪・サッカー女子決勝(9日、日本女子代表1-2アメリカ女子代表、ロンドン)サッカー女子の決勝を行い、昨年の女子ワールドカップ(W杯)で優勝した日本は米国に1-2で敗れ、初の銀メダルを手にした。米国は3大会連続4度目の金メダルに輝いた。

・宮間あや(27-岡山湯郷)の話
「チーム一丸となってやり切れたことを誇りに思っている。結果は銀だったが、お互いを信じてやってこられた。みんなに感謝している」

・大儀見優季(25-ポツダム)の話
「負けたけど、自分たちが積み重ねたものは次につながる経験。銀メダルはものすごく価値のあるもの。五輪やW杯は続く。これをベースにしてもっと高いレベルで、米国に勝てるように練習していかないといけない。自分自身がこの大会を通して何を感じて、それをどう未来につなげていくか。そのステップをきちんと踏まないと米国との差を縮められない」

・鮫島彩(25-仙台)の話
「悔しい気持ちはあるけれど、精いっぱい戦った。すごく幸せな時間を過ごせた。銀メダルもなかなか取れるものじゃない。ここまで戦えたことに胸を張りたい。そして4年後は金メダルを取りたい」

・岩清水梓(25-日テレ)の話
「負けた悔しさと、もうこの仲間とできなくなる悲しさがあった。立ち上がりに失点しちゃいけなかった。そこが反省点だけど、やることはやったので胸を張って帰れる。(郷里の)岩手にメダルを持って行く」





・田中明日菜(24-INAC神戸)の話
「金メダルを取れなかったけど、五輪で戦えていい経験になった。応援してくれた人に感謝したい」

・岩渕真奈(19-日テレ)の話 
「銀じゃ嫌だから金取ろうねって言って試合に入った。(終盤のシュートは)決めたかったな。コースが甘かった。自分が決めていたら試合も変わっていた。申し訳ない。悔しい。今回、いい経験をしたので、次は絶対に金メダルを取らないといけない」

・川澄奈穂美(26-INAC神戸)の話
「悔しい思いはあるが、この経験を糧にしたい。メダルを取れるか取れないかで、今後に大きな違いがあったと思う。準々決勝、準決勝と気持ちで勝ったが、決勝を一番いい内容で締めくくれたのはよかった。だから、このチームが解散するのは寂しい。自分がこのチームで経験できたことを、少しでも下の子たちに伝えたい」

・福元美穂(29-岡山湯郷)の話
「金じゃなくて銀だったのは悔しいけど、これが実力。すべてやり切った結果なので後悔はない。(攻撃で)ボールを持てていたし、チャンスもあった。早い時間帯での失点が痛かった」

・高瀬愛実(21-INAC神戸)の話
「すごいことを成し遂げたという気持ち。自分たちが続いていかないといけない。若い選手は心に誓ったものがあると思う。(決勝の)試合に出られなかった悔しさを生かしたい」

・阪口夢穂(24-日テレ)の話
「一試合一試合、精神的に成長できた。その結果、銀メダルという形は残せた。金を目指していたので悔しいけど、メダルを取れたのはよかった」

・熊谷紗希(21-フランクフルト)の話
「結果としてあと一歩及ばなかった。今は悔しい。うれしいと言えるようになるまで、もう少し時間がかかる。この悔しさを次につなげないと意味がない」


(産経新聞・2012/08/10







澤穂希選手はなでしこジャパンの顔であり、ここ数年は、内外のサッカーフアンにとってなでしこジャパンとは澤選手のことでさえありました。蓋し、()長年に亘るなでしこジャパンへの貢献の大きさ、()代表チーム内での存在感、なにより、()技術と体力と精神力のすべての面で現在でも澤選手が、(「顔」によってなどではなく)実力でサッカー女子日本代表メンバーに名を連ねるに値するフットボーラーであることは衆目の一致するところでしょう。

けれども、私はこの記事の冒頭で紹介したニュースを目にしたとき、言うに言われない残念な気持ちになりました。澤選手には、所属チームで現役を続行するにせよロンドンオリンピックを最後になでしこからは<卒業>して欲しいと思っていたから。

率直に言えば、更に1年前、昨年のワールドカップ優勝を花道に澤選手がなでしこを<卒業>していた方が、(ロンドンオリンピックでのなでしこの成績如何に関わらず、)少なくとも今後5年から10年を見据えた、日本の女子サッカーの伝播と強化の両面で、なにより、なでしこのためには良かったのではないか。昨年、ワールドカップを報じた海外報道を翻訳しながらそう私は感じていました。

敷衍します。ロンドンオリンピックが閉幕しつつある現在、
白黒はっきり言えば次のように私は感じる。蓋し、
その能力が低いからではなく隔絶して高いがゆえに、
2012年8月12日の現在、

б(≧◇≦)ノ ・・・澤穂希は邪魔である
б(≧◇≦)ノ ・・・澤穂希は日本女子サッカーの阻害要因である、と





澤選手のなでしこジャパン<卒業>。1年前にそうしたとすれば、AKB48の前田敦子さんとならび長らく賞讃されることになったであろうそんな潔さは、しかし、女子サッカーの「世界最高の舞台=オリンピック」が文字通り1年後に迫っていた/そのためのアジア最終予選が数週間後に始まろうとしていた昨年のワールドカップ終了時点では(まして、澤選手のポジションがフォーメーションの要となるボランチであるだけに)些か綺麗事だった、鴨。

而して、2011年夏の代表引退が現実的には難しかったがゆえに、1年後の2012年の夏、その「世界最高の舞台=ロンドンオリンピック」が終わった現在の段階では、逆に、澤選手はいよいよ<卒業>すべきではないのか(繰り返しますが、サッカー自体を続けるのは彼女の自由にしても日本代表からは<卒業>すべきではないのか)と私は考えます。

もちろん、澤選手の技量は現時点でも抜きんでている。世界の女子サッカー界の至宝、宮間あや姫がチームリーダーのタスク(なでしこの主将の役回り)をも継承したにせよ、「澤代表引退」は端的には日本女子代表チームの戦力ダウンと同値でしょう。それは誰にでも分かる。

けれども、どんな組織も若手の抜擢、つまり、若手に経験をきちんと積ませなければ(しかも、チームの目先のパフォーマンス低下を覚悟した上で/織り込んだ上で若手を育成しなければ)中長期的にはその組織は衰退に向かうもの。而して、なでしこジャパンもこの経験則からは逃れられないとすれば、理想からは1年遅れたにせよ、今こそ、澤選手は<女子サッカー界の前田敦子>になるべきだと私は考えるのです。





単刀直入に言えば、現在どころかおそらく2年後でさえも、攻守ともにMFとしての「澤穂希」は、例えば、MFとしての「田中明日菜」よりも遥かに優れた選手なの、鴨。だから、この間、実力で選手を選考するとなれば澤選手が日本代表入りするのは当然のことなの、鴨。

けれど、4年後はどうか? 幸いにして4年後も澤選手が若いコンペティターを実力で凌駕していたとしてもその間、澤選手のサッカーにおける実力とサッカーに対する情熱の高さがゆえに、皮肉にもなでしこの若手選手の抜擢が滞り、トータルのなでしこの戦力も相対的には低下するのではないか。まして、8年後や18年後は?

謂わば「組織の新陳代謝を促す経験則」を念頭に置いた、私のこの主張に対しては、「代表チームのレギュラーポジションが欲しければ実力で澤から奪いなさい!」という論者もおられる、鴨。而して、これは<正論>でしょう。

けれども、(実際、宮間・大儀見・鮫島・熊谷等々の選手がそうしたように、なにより澤選手がここでもパイオニアの一人であったのですけれども)海外への武者修行は可能にしても、世界水準にある代表チーム間の真剣勝負の機会は、日本の場合、ワールドカップとオリンピックとアジア選手権にほぼ限られている女子サッカーの脆弱な内外の現状を見るとき、(その真剣勝負の経験値をすでに持っている澤選手がそのアドバンテージもあり、これからの3~4年も経験値を獲得可能なほぼすべての機会を独占することになりかねない現実を想起すれば、)「レギュラーポジションが欲しければ実力で奪いなさい」という<正論>は必ずしも合理的ではないのではないでしょうか。

少なくとも、自分の努力と研鑽、才能と資質でもってかなりの程度は<先輩>との差を<後輩>が詰めることもそう困難ではないと思われる選抜総選挙の順位やグループ内の序列を前提に話されたと思われる、今年のAKB第4回選抜総選挙における篠田麻里子様の「後輩に席を譲れと言う方もいるかも知れません。でも私は席を譲らないと上にあがれないメンバーはAKBでは勝てないと思います」というスピーチと、<後輩>が澤選手と競争してなでしこのメンバーの座を獲得できるかどうか、レギュラーポジションを勝ち取れるかどうかはパラレルではないのではないでしょうか。


加之、上で述べた「組織の新陳代謝を促す経験則」の好例でもあるのでしょうが、フランスワールドカップ(1998年)の際に、当時、日本サッカーの代名詞でさえあった三浦知良氏を日本代表最終メンバーから外した岡田武史代表監督が(三戦全敗での予選リーグ敗退という結果もあいまって)世間から総攻撃を受けた経緯。

この経緯を反芻するに、日本サッカーの伝播と強化のために当然それもあり得る人選をした代表監督が世間からヒステリックにバッシングを受けるような事態はもう見たくないと私は思うのです。少なくとも、それは美しくないと。而して、澤選手にはそんな美しくない事態が生起することの遠因になるような身の振り方だけは止めて欲しい。私はそう切に願います。


尚、澤選手が原動力となって世界一を勝ち取った昨年のワールドカップドイツ大会。ロンドンオリンピックまでのこの1年間のなでしこの進化/退化、なでしこの素晴らしさとなでしこが抱えている問題点を考える上でも、また、(代表入りの自制を澤選手に求める前提として)澤選手の業績の素晴らしさを再確認するためにも「ワールドカップドイツ大会でのなでしこジャパンの軌跡」をファイルした下記拙稿を参照いただければ嬉しいです。

・なでしこジャパンの主将<宮間あや>に見る女子サッカーの無限の未来と乏しい現実
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/44bbe2495f726d918808786337208aad

 
・英文読解 one パラ道場:世界が称賛する<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/643740ec23042d51ef43b1db4dbe4bf1

・海外報道紹介☆不沈戦艦ドイツを撃破-歴史を創った<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/07ac87862c3bbfc3af79190ba8662799

・英文読解 one パラ道場:ドイツを撃破-世界が驚愕した<なでしこジャパン>!
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/15be03ebc05efd5edba8a4973e62e085

・英文読解 one パラ道場:初の決勝進出-世界を震撼させた<なでしこジャパン>!(前)(後)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/6876e9252d11c1dec532651511ed0990

・英文読解 one パラ道場:決勝前夜-世界が瞠目する<なでしこジャパン>!(序)~(後)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/79871988a70ed3055fb2c026ffe7a544

・英文読解 one パラ道場:ワールドカップ初優勝-世界を戦慄させた<なでしこジャパン>!(序)~(後)
 http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/10573afbcaba57d23a77b90a0e5f09bf
 









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1 コメント

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三文記事について (三日月)
2013-06-21 23:46:15
どうも若手を馬鹿にしていらっしゃる様に聞こえる。

道を譲るということは、自分には誰も叶わないからと、上から見下しているということ。
澤穂希の人柄を鑑みた場合においても、あり得ない話である。

また、相当昔から限界説を唱えられてきた中で、最高の結果を残してきたことについて、説明がつくのだろうか、とも思う。
今までが良く、これからはダメということについても。

さらにいうと、代表監督が誰になるか分からない時点での同情論に、欺瞞性と嫌悪感を覚える。

次の大会が終わった後、また読み返してみたい記事ではあるかな。
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