
麻生総理の好意を奇貨として、日教組出身の民主党議員やプロ市民並みの下品で独善的な言辞を撒き散らし、「自民党=組織の呈をなしていない政党」との印象を広め、以って、自民党の支持率低下に<寄与>した鳩山(弟)氏がその<勘違い振り>を加速しているようです。以下、産経スポーツ配信記事。
鳩山氏が断罪 麻生首相も兄も「正義」がない
鳩山邦夫前総務相(60)が22日、都内で行われた米映画「正義の行方」(9月公開)の試写会に出席。終了後に、「正義、不正義の判断を間違えた麻生首相には日本の将来は託せない」と、日本郵政の社長人事をめぐる問題を持ち出して麻生太郎首相(68)を断罪した。
返す刀で実兄で民主党の鳩山由紀夫代表(62)についても「正義がない。(“故人献金”問題は)史上最大の不義記載。兄弟でもウソで固めた人には(政権は)託せない」と大批判した。
さらに「独自の政権公約を作る」「外国人への(国政)参政権付与は反対」などと終始“絶口調”だった。
(2009/07/23:以上、引用終了)
ほとんど「何様?」ものの発言ですが、ここまで組織原則が理解できずチームプレースキルの欠如した人物を目にするとき、私は、逆に、少し浮世離れした質問をしたくなります。蓋し、「正義とはなんですか?」、と。
人口に膾炙していることではありますが、(この世に絶対の正義がアプリオリに存在していて、かつ、人間がそれを認識できるという、そうマルクス主義や憲法9条教の如き、プラトーンの形而上学的な正義論と隔絶した地平で)経験主義的で哲学的な正義論を創始したアリストテーレースによれば、「正義」とは「各人に各人のものを配分すること」。そして、「何が各人のものであるか」を定める原理には、(1)平等に、つまり、頭割りで配分することと、(2)各人の能力や価値、各人が達成した成果に従いその度合に応じて配分することの二つがある。畢竟、前者を平均的正義、後者を配分的正義と呼びます。而して、正義をこのように、平均的正義と配分的正義の組み合わせと理解することに関しては(正義の具体的内容ではなく、形式的・原理的に正義を考える場合には)現在もそう異論はないと思います。
けれども、では「これが誰のものであるか」「平均的正義の原理と配分的正義の原理のいずれをどのような場合に用いるべきなのか」を決定する基準は何なのか。また、誰がこれら「配分の具体的内容」「正義原理の選択」を決めるのか。これらの問いの答はアリストテーレースの正義論の枠組みから導き出すことはできず、正義論外の something を持ち出さない限り解答することはできない。
蓋し、アリストテーレースの生きた古代や中世、あるいは、大東亜戦争後の日本、冷戦構造下の安定した秩序を前提にして「欧米に追いつけ追い越せ」のスローガンに誰も疑いを懐かなかった古き良き時代には、これら「配分の内容」「正義原則の選択」「決定権者の決定」を巡っても共通の認識が社会に広く行き渡っていたのかもしれない。しかし、時代は変わった。そう私は考えています。
バブル崩壊後の失われた90年代に所謂「40年体制」や「55年体制」を体現していた「旧田中-竹下派」や旧社会党の神通力が消失し、また、2008年9月の政界金融危機に象徴されるグローバル化の昂進の中で所謂「新自由主義」の権威にも一定程度の後退が見られる現在、すなわち、社会的な正義を一義的に定めていたこれまた社会的に共通の<常識>が不在の現在、蓋し、プラトーンでもあるまいに、「正義」をアプリオリに認識可能な something でもあるかの如く語る鳩山(弟)氏は正義を騙っているものでしかない。と、そう言えると思います。
ならば、現在、この思想乏しき時代の<正義>は、よって、遂行論的で真摯な討議と運動の中でその姿を結果論的に現すものでしかないのかもしれません。而して、「正義は我にあり」と自負するほどの正義感と慷慨の士こそ、自身の懐く正義の内容が価値相対主義的なものでしかないことを謙虚に自覚しつつ、私の正義を我々の正義にすべく戦わなければならない。一人でも多くの同志を募り支持者を集め、その相対的な価値をこの社会の価値とオフィシャルに看做されるように汗をかくべきなのだと思います。
保守改革派、ファイト!
立憲主義下の民主主義社会における政治とは、蓋し、そのようなものである。而して、そこにおける政党とはこのような営みのための<公器>ではないのか。もし、私のこの政党に関する理解が満更我田引水的なものでないとするならば、上に新聞報道を引用した鳩山(弟)氏の行動は政党組織人の理念を逸脱した私的なものと言う他はない。畢竟、鳩山(弟)氏は、自民党という、自己の信じる価値相対主義的な正義を組織的な政治活動を通してこの社会の公式の<正義>とするべく汗をかいている政党を嘲笑している。そうとしか私には思えないのです。
而して、自由民主党党則93条1項はこう定めています。
党員が次の各号のいずれかに該当する行為をしたときは、党規律規約の定めるところにより、処分を受けるものとする。
一 党の規律をみだす行為
二 党員たる品位をけがす行為
三 党議にそむく行為
そして、この党則93条を受けた自由民主党規律規約はその9条1項で「党員が次の各号のいずれかの行為をしたときは、処分を行う」として、次のような行為類型を定めています。
(イ)公の場所又は公に発表した文書で、党の方針又は政策を公然と非難する行為
(ロ)各級選挙に際し、反対党の候補者を応援し、又は党公認候補者若しくは推薦候補者を不利におとしいれる行為
(ハ)党内において国会議員を主たる構成員とし、党の団結を阻害するような政治結社をつくる行為
(ニ)その他党紀委員会において党規律をみだすものと認めた行為
また、これらの「法的要件」に対応する「法的効果」として同規約同条2項には、「党紀委員会が行う処分の種類は、次のとおりとする」として、党則の遵守の勧告、戒告、党の役職停止、国会及び政府の役職の辞任勧告、選挙における非公認、党員資格の停止、離党の勧告、除名の8個が明記されています(尚、「法的要件」と「法的効果」とは、例えば、「人を殺した者は→死刑・無期若しくは3年以上の懲役に処す」というように、こういう事態が惹起しと認定された場合には(法的要件)、このような処置が行なわれます(法的効果)という、法的思考の前提と帰結のことです)。
再度述べますが、蓋し、鳩山(弟)氏は自民党という政党を、否、<政党>一般を無視し嘲笑している。ならば、氏は自民党を一刻も早く離党すべきではないのか、否、政党に属するべきではないのではないか。また、自民党執行部は、党則93条と党規律規約9条を根拠に可及的速やかに鳩山(弟)氏を除名処分すべきである。と、冒頭に引用したこの報道に接して私はそう思いました。
畢竟、保身と私的な「正義」のために、
麻生総理に後ろから弓を引いたこやつら、
鳩山弟、山拓2世・清水鴻一郎・山内康一
中川鬼瓦・武部パンダ・加藤紘一・古賀誠の4元幹事長
こやつらは絶対に落選させなければならない。それは、こやつらが「自民党を組織の呈をなさない状態」にしたからであり、こやつらを落選させずには、自身の掲げる「正義」をこの社会の公式な<正義>とすべく組織的に汗をかき努力する<政党>としての矜持を自民党は取り戻せないだろうからです。
蓋し、この総選挙は、自民党内の「旧田中-竹下派」的分子を民主党に引き取らせ、而して、次のような<正義=政策>に小異を捨てて大同につける人士、すなわち、
①地方再生と構造改革の同時実現
②(集団的自衛権の政府解釈・非核三原則・武器輸出禁止原則の変更、核武装、敵基地先制攻撃能力の整備、軍事法廷とスパイ防止法の制定を含む)日米同盟の強化と自主防衛能力増強の同時実現
③(宮澤談話・河野談話・村山談話にはなんら日本の外交政策を拘束する規範内容は含まれていないとの前提を明示した上で)特定アジアとは「政凍経冷」の関係に移行、他方、台湾・東南アジア・南アジア・中央アジア・西アジア、そして、ロシアとの関係強化による新米的な自主外交路線の創出
④(日教組・全教・自治労の粉砕を嚆矢に)自己責任の原則の貫徹と労働法制の強化、セーフティーネット整備の三正面・厚生経済政策の敢行
⑤日本の安全と伝統を保守するための「現行憲法廃棄→新憲法制定」もしくは憲法改正
これらの<正義=指針>に同意できる、有意・有為の保守改革派がまとまる好機である。そして、その新生自民党が(2回の予算編成など到底不可能な民主党を含め)広く政界から同志を募ることで、政界再々編のエンジンであり頭脳になることを私は毫も疑いません。ならば、
б(≧◇≦)ノ ・・・責任政党、否、組織としての矜持を取り戻せ自民党
б(≧◇≦)ノ ・・・全国の保守改革派よ団結せよ!
б(≧◇≦)ノ ・・・麻生総理断乎支持! 頑張りましょう。
б(≧◇≦)ノ ・・・ファイト!
【参考記事】
・麻生太郎『とてつもない日本』に迸る保守主義の政治哲学
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/08af31555a2f386edcd85261925262d3
・これこそ保守改革派の神髄☆麻生太郎首相の所信表明演説
http://blogs.yahoo.co.jp/blue_k_i/17861099.html
・麻生総理の素晴らしさ! 「危機をチャンスに変えろ」<前編・後編>
http://blogs.yahoo.co.jp/keinoheart/47657603.html
・б(≧◇≦)ノ ・・・問責可決後の審議拒否は無責任だぁー!
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/ee5c2776a143b45fa4f5bb9d3f6d70e4
・日本国民に見せたい☆細田「麻生内閣不信任案反対」演説
http://blog.goo.ne.jp/kabu2kaiba/e/5a3432b93d60efed63c12b583800f8a5
・保守主義とは何か(1)~(6)
http://kabu2kaiba.blog119.fc2.com/blog-entry-474.html
・保守主義-保守主義の憲法観
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11144611678.html
・保守主義の再定義(上)~(下)
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11145893374.html
・読まずにすませたい保守派のための<マルクス>要点便覧
-あるいは、マルクスの可能性の残余(1)~(8)
http://ameblo.jp/kabu2kaiba/entry-11139986000.html