
前の記事の最後に英語のパラグラフのお話をした流れから、今回はWritingの学習方法について説明しましょう。TOEFLのiBTでも2007年1月から始まったTOEICのSW(スピーキング/ライティングテスト)でもWriting能力は判定されますが、何といっても、「Writing」能力はアメリカの大学・大学院を卒業する上で最重要なスキルと言えると思います。
実際、1980年代に倒産の危機からクライスラー社を再建したアイアコッカー(Lee Iacocca)氏も「ビジネスで最も大切なスキルはWritingである。書くことによって人は多くの人々に正確に自分の考えを伝えることができる」と述べているくらいですから。
私の乏しい経験でも、アメリカ留学を考えた場合、Listeningの力が乏しいと生きていけないし(笑)、Readingの力がないとそもそも授業についていけない。
また、Speakingの力がないとクラスでもプライベートでも悔しい思いをするし、クラス参加(class contribution)が積極的でないとみなされ低い評価に甘んじなければならなくなることも少なくない。
けれど、英語のネーティブスピーカーの向こうを張って(どんなに英語が得意でも彼等には勝てない)日本人留学生が彼等を上回る評価を獲得できるかどうか、あるいは、ListeningやSpeakingがいまいちでも、なんとか平均以上の成績(GPA:Grade Point Average)を残せるかどうかの鍵はWritingスキル次第だと言えると思います。
さて、Writingの学習のTipsは?
いささか、竜頭蛇尾ですが、Writingの力は英文法の力と単語力に規定されます。英文法と単語力さえあれば誰もが論理的な英文を書けるとはいいませんが、英文法と単語力がなければ誰も何も書けません。
簡単に言えば、(プロの翻訳者が異口同音に仰るように、「英→日」翻訳の能力の60%が日本語力、30%がそのテクストの専門の力、そして、残りの10%が英語力であるのと同様)アメリカの大学に留学した平均的な日本人の大学の2年生くらいまでの英語力の方の場合(TOEICで730点前後くらいの英語力の方の場合)、
Writingの力=
「英文法の知識」+「英単語力」+「日本語の読解力」+
「英語のパラグラフ作成能力(英文独特の論旨展開の流れの体得)」
の総合力です!
「英文法の知識」と「英単語力」はまあ良いとして、ではどうやって、「日本語の読解力」と「英語のパラグラフ作成能力」を向上させるか?
わかりますか? 実は、上の段落のアドバイスで「よしWritingの学習方法がつかめた」という方はほとんどいないと思います。じゃ、質問してください!
わからないことは「わからない」と言い、ちゃんと質問しましょう。特に、アメリカ留学希望の高校生や大学生の皆さんにとってはこれは重要な資質ですよ。
はい。一番いいのは、毎日1センテンスの英文(20語から30語くらいの少し長めのセンテンス)を暗唱することです。その際、単語や文法の疑問点はすべて調べて解決した上で暗唱してください。そして、毎週1パラグラフ、できれば、2~3日に1パラグラフの英文(今度は逆に、50語から60語くらいの短めのパラグラフ)を<写経>しましょう。
もちろん、ワープロソフトで入力するのも可(笑)。
ポイントは、同じパラグラフを2~3回は書き/入力すること。
復習に勝る天才なし、です。
そして、暗唱したり写経したりする英文は自分の関心のある英文、また、折角ですから自分が覚えたい単語やイディオムが含まれている英文を選びましょう。
いずれにせよ、この作業を3ヵ月も継続すればWritingのための「英文独特の論旨展開の流れ」が体の中に入って来るはずです。
ということで最後に、「日本語の読解力」。この説明は難しいので有名な英作文の例で具体的にコメントしてみましょう。次の日本語を英訳するとき、このブログの読者の皆さんはどういうふうにアプローチしますか?
1)象は鼻が長い。
2)僕はテンプラ定食だ。
1)の主語は「象」かしら、それとも「鼻」?
2)は「I am a tempura set meal.」?
そんなわけないですよね?
ここではWriting学習法の考え方を説明しているので、模範解答(あくまでも、模範解答の一つを)先に書いておきます。
1)An elephant has a long nose.
2)I’m going to order/ I would like to order a tempura set meal
(a tempura table d’hote.).
つまり、日本語を訳するのではなく、「その日本語の論理的な意味」まで遡って、その「論理的な意味」を英語で表現することがポイントです。そして、 これは我田引水(Turning everything to one’s own advantage.)では なく現代国語の読解力の開発にも通じると思います。頑張ってください。
ヽ(^o^)丿
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