うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

アスランお誕生日おめでとう!🎊\(≧▽≦)/♥ 『Have a taste of me?』

2024年10月29日 00時00分06秒 | ノベルズ
無意識にペンを指でクルクルとまわしながら、カガリは考え込んでいた。
勿論、世界情勢や今後のオーブの国政をどうしていくか、山積する課題は地道にクリアしてきている。
しかし現在、個人的に非常な難問に捕らわれていた。
(アスランの誕生日、どうしよう…)
ファウンデーションとの戦いから5か月が過ぎようとしていた。しかし彼は今なおターミナルで、激変していく世界情勢を備に調査し、世界中を飛び回っている。
ただでさえ、人の三倍は結果を出している、とメイリンが驚くほどの報告をされるが、カガリの下に送られてくる的確な情報の量を見れば一目瞭然だ。無論、彼自身にとっては、それは通常運転なのだろう。だが、調査という仕事は結果を出すまでに時間がかかる。場合によってはその地での生活を余儀なくされ、片時も現場から離れることができない状況にだってなりかねない。
そんな彼を、私的に“誕生日だから”、と呼び出すことは気が引ける。第一、あの真面目が服を着て歩いているようなアスランが、そんな呼び出しに応じるなんてしないだろう。
「はぁ~・・・」
ため息ばかりがカガリの口をついて出る。すると書類整理を終えたらしいトーヤが、心配げに顔を覗かせてきた。
「カガリ姉様、お疲れのようですが、大丈夫ですか?」
「え?ああ、大丈夫だ。少し考え事をしていただけだから。」
「そうですか。ならいいのですが……。でもあまり無理をなさらないで下さいね。姉様には休暇も必要だと、僕は思ってます。ここで休むと我儘をおっしゃっても、誰も咎めませんよ。」
確かに国のトップが有休もとらず、それどころか土日祝日も関係なく、ずっと内閣府に籠りきりなのは、ここで働く者たちにとって、いい見本に成れていない気がする。
「ありがとう。トーヤももう下がっていいぞ。」
「はい、では失礼します。」
トーヤが退出すると、カガリはまた大きなため息をついた。
休暇を取ってアスランに会いに行きたい。できれば誕生日を、その顔を間近で見ながら祝ってやりたい―――今一番の我儘を言わせてもらえるのなら、これに尽きる。
だが、幾らこちらがよくても、アスランの決めたスケジュールに穴を空けさせるのは申し訳ない。
(やっぱり無理だよな……)
そう結論を出すと、カガリは再びデスクワークに取り掛かった。


ところが、である。
その数日後、その難問は思わぬ形で解決することになった。
それは前日の、夜も23時半を過ぎた頃のこと。カガリはアスランから電話を受けた。
画面に浮かぶその相手の名前を見るや、カガリは直ぐに回線をONにした。
「もしもし、アスラン?」
<カガリか?すまないな、こんな遅くに。>
「いや、大丈夫だ。それよりどうしたんだ?いきなり電話なんて。何か緊急の要件か?」
カガリ私用のスマホは秘匿回線とはいえ、盗聴の危険がある。なので、仕事関係の通信はいくつもの防御を張ったものを、行政府に直通で行うようにしている。なので、よほどの緊急な要件でもない限り、電話が使われることはないだけに、カガリは嬉しさより緊張が勝った。
<いや、そうじゃない。カガリの声が聞きたくなって…>
「え・・・」
あの生真面目な彼が、私用で回線を使うなんて…。
あまりにもアスランの言葉が意外過ぎて、受けたカガリは咄嗟に二の句が継げなかった。
<・・・ダメだったか?>
「あ、いや。そんなことない!私もその、アスランの声が聞きたかったから・・・」
<そうか。>
「うん。」
しばしの沈黙。しかし、それは決して気まずいものではなかった。むしろ心地よささえ感じる時間だった。互いの想いが同じ時、同じ瞬間に繋がり合っている、ということだ。自然とカガリの口角も上がり、頬が緩む。
誰も見ていないのをいいことに、カガリは表情を崩した。
「それで?どうしたんだ?」
<ああ、実は明日なんだが・・・>
「明日?」
<実は明日、休暇が取れたんだ。丁度キャバリア―もオーブでメンテナンスに入ることになったんだ。それで休暇をカガリと過ごしたいと思っていて・・・。だから、もし迷惑じゃなかったら―――>
「本当か!?」
アスランが言い終える前に、カガリは立ち上がり、叫んでいた。
<え、カ、カガリ?>
「あ・・・すまない。」
我に返ったカガリは慌てて席に座り直し、姿勢を正す。
<いや、それはいいんだが・・・もしかして都合が悪かったか?>
「そんなことあるもんか!すごく嬉しいに決まってるだろ!!」
今度は抑え気味ではあったが、それでもカガリは叫ぶように言った。しかし次の瞬間、口をついて出た言葉があまりにも大胆なものであることに気づき、
「あ・・・いや・・・///」
と、顔を赤くした。そんなカガリの様子を想像したのか、アスランの苦笑が聞こえてくる。
<ありがとう、カガリ。>
「うん。」
<じゃあ明日、オロファトで待ち合わせよう。>
「わかった。」
嬉しさのあまり声が上ずるのを必死で抑えながら答える。そしてふと見上げた時計を見て、カガリが気付いた。
<それじゃあ、カガリ。お休み。>
「あ、アスラン!」
<ん?>
「誕生日、おめでとう。」
そう、時計は午前0時を回っていた。気づいたら、誰より一番早くお祝いの言葉を言いたかったんだ。
電話越しにアスランが息を呑む気配が伝わってくる。次の瞬間、
<…ありがとう。>
という穏やかな声が微かに聞こえ、そして通話は切れた。
(・・・夢じゃないよな?)
両手で頬を押さえながら確認する。夢じゃないことは確認できたが、それ以上に嬉しさで胸がいっぱいになるのをカガリは感じた。そして思い至る。
(あ!)
今の電話で、プレゼントを用意していないことを思い出したのだ。
(どうしよう・・・)
もう深夜を回っては、開いている店はコンビニ以外は殆どない。時間を調整しても、ウィンドウショッピングなどしている猶予はない。
(―――こうなったら!)


―――続きはこちらから


***


ということで、毎年恒例のごとく叫ばせていただきます!
「アスラン、誕生日おめでとう!!!♥♥♥」(*´▽`*)
そんなわけで、今年は我が家のアスラン’s(ぬいのみ)全員登場でお祝いさせていただきました。
なんか隅っこにカニがいようが、作りが雑なのは気のせいです。そう…あくまで気のせいです!(断言)

いや、忙しかったんですよ。と言いますか、現在進行形で忙しすぎて、ケーキも買ってません💦
これから日が昇ったら買ってきます(`・ω・´)ゞ。

しかし、いつ見ても壮観ですね。これ「今年一年間だけ」で買ったアスランのぬいですよ。一年の間にこんなに出ているんですよ!凄いわΣ(・ω・ノ)ノ!
加えて、中国のアスカガぬいさんもあったんですが、現在出張中です。更にあのレッドカーペット衣装のアスカガのぬいも買ってますから、さらに増えるんだな、これが(笑)
余談ですが、母がこの「けもポン」アスランをいたく気に入ってしまい、いつもは母のお部屋で鎮座しております(笑)こんなことならキラとシンも買っておけばよかった、と今更ですが、一体が高いからな…アスランだけでいっぱいだよ💦 あ、もしカガリのけもポンが出たら、即落とします!

一年でこれだけアスカガのぬいを買い込んでますから、もうアクスタなんて並べたらとんでもないです((((;゚Д゚))))
部屋一つ占領しますね、確実に(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン

今年は劇場版記念じゃないんですが、記念SSを2本書いてみました。
一つは↑のpixivにUPしましたものですが、もう一つは現在絶賛開催中の「CCS19エアブー」の方に、無料展示しております。
こちらはアスラン誕生日当日のみ展示になっておりますので、ご興味ございましたら、
からお入りください。一番下の『Web限定公開ページ』をクリックしますとお部屋に入れます。
ただ、こちらは『VAMP!再録本』の記念作品としてUPしておりますので、内容は『Vamp!』の世界観になっております。本宅サイトの方に今もUPされておりますので、オフ本がお手元にない方は、サイトのSSの方をご覧くださいませ♪

そのエアブーですが、開始早々に既刊『君に捧ぐは、この愛のカタチ』が2時間しないうちに完売となりました!
ご購入くださいました皆様、本当にありがとうございました<(_ _)>
はっきり言って、表紙のあいれ様の「尊いアスカガ✨のイラスト」のみ価値のあるものですが、あとの本文はティッシュペーパーが無くなった時の代わりにでも使ってやっていただいて大丈夫ですw
そして『VAMP!再録本』の方は、今回やたらと最初から数をぶち込みましたので(スパコミの反省を活かして)、残部はまだまだございます♥ 暫く空にはならないので、ごゆるりとSSをお読みいただき、お気に召しましたらお手元に引き取っていただければ嬉しいです(^人^) ちなみにサイトに掲載していない書き下ろし2本と、今回再録本のみの書き下ろしが入っております。かなり分厚いので、読み応え満天かと(^^ゞ

エアブーをご覧になった方はご存知かと思いますが、アスカガ&カガリサークルさんが4つほどございますが、素敵な作品が沢山あって、昨日は覗きながらワクワクしておりました!
いつも委託書店一か所しか見ていないのですが、今回エアブー参加のサークルさんは、とらあな以外で専売している本もありまして、お陰様でイベントに行けなかった身としては、かなり見はぐっていたサークルさんの御本を手に取ることができて、非常にありがたかったです。

さて、今夜も沢山のスパーク新刊が届きましたので、がっつり拝読させていただきつつ、アスランの誕生日をしみじみとお祝いいたします💐
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『愚者の呪い』第2話更新しました。&お友達ゲット!( ー`дー´)キリッ

2024年10月25日 19時48分23秒 | ノベルズ
「アスランが、重傷を負ったって!?」
オーブ軍医療施設、『ICU』と書かれたライトが煌々と薄暗い廊下にその赤い色を落としている。
そこに駆け込んできた二つの気配に、閉じられた扉の前で祈りを捧げるかのように佇んでいたメイリンが振り向いた。
「シン、お姉ちゃん…」
どうやらコンパスの任務で、二人は偶然オーブ近海に居たらしい。
ルナマリアがメイリンの両肩を掴む。
「あんたは大丈夫だったの?」
「うん、私は全く無傷だから。」
「そう…」
姉らしく妹の心配をしていたルナマリアが、わずか安堵の表情を取り戻す。
一方、シンは信じがたいように、ICUの赤燈を見上げた後、メイリンに詰め寄った。
「一体何があったんだよ? あのアスランが、こんなことになるなんて。」
散々泣きはらしたのだろう。メイリンの目の周りは真っ赤に腫れている。小さい頃から姉妹喧嘩で負ける度、よく見てきた妹の泣き顔だ。
だが、それにしては取り乱してはおらず、随分落ち着いた様に見えるが。
「私はキャバリア―0から、アスランさんの送ってくる映像データからでしか判らなかったんだけど、テロで仕掛けられていた爆発物から、一般人を守ったところで、映像が途切れて‥」
そう言いながらメイリンの目尻に、また光る物が浮かぶ。
ルナマリアがハンカチを取り出し、メイリンの目元を抑えた。
「じゃあ、アスランはその爆発に巻き込まれたってことか。」
口にするシンも辛そうだ。アスランが重傷を負ったのは、シンの知る限りこれで2回目。一つ目はそう、自分が撃墜したのだから。
思わずぎゅっと拳を握りしめるシン。何度も傷を負って出撃して、その度にアスランは命をすり減らしているように見える。
コンパスにとっても、アスランたちターミナルが送ってくる情報は、特に作戦立案の点でも非常に貴重だ。特に現在コンパスの実質的エースであるシンには、それがどれだけの危険を冒して得てきたものか、肌身で感じている。
(もっと俺がキラさんやアスランのような広い視野があれば…しっかり仕事をこなせていれば、こんなことには…)
「くそっ!」
思わず片手で壁を叩く。未だ己が未熟だと思い知らされるようで、悔し気に奥歯をギリと噛み締めるシン。一方でルナマリアが妹を慰めるよう声をかけた。
「それにしても貴方たち、今回の調査先はオーブの近くだったの?そんな状況で、よく一人でアスランをここまで連れ帰ってこられたわね。」
ターミナルの仕事は世界各所に出向き、調査を行ってくる。しかも潜伏調査となると、安易に現場近くの病院に搬送することはできない。
すると、メイリンが答えた。
「全部、カガリさんのおかげなの。」
「「アスハ代表が?」」
シンとルナマリアがユニゾンで問うと、メイリンは頷きつつ、落ち着いて話し出した。
「事件があった時、目の前のモニターは暗転して、アスランさんの付けていたはずのインカムも飛ばされていて、状況が確認できなかったの。でもGPSで場所だけは確認できていたから、ミラージュコロイドのキャバリア―0で近づいて、降りていったら―――」


―――続きはこちらから。


***


不定期更新中のSS第2話を支部にUPしました。よろしければチラリと覗いてみてやってくださるとありがたいです<(_ _)>
今回はシンとホーク姉妹が登場です。
コンパス…一度凍結されましたけど、きっとまた復活しているはず!と思いたい(笑)
もしかしたら「コンパス」という名前ではなくなっているかもしれませんが、カガリの理想とする、いわゆる国際連合みたいな組織が、CE世界でも根付いてくれると嬉しいかな。まぁリアル国際連合があっても、世界から現実に紛争や戦争が無くなっているわけではないのですが、それでも人種を越えた協力体制が取れる世界になった、というだけでも大きな成果だと思うのです。図らずとも議長のDPの提言が、コーディーとナチュラルの対立の溝を少し埋めた、というか方向を変えて、”vsロゴス”に憎しみの転換をさせましたけど、結局はそれじゃ何の解決にもなっていない訳で。リアル世界でも完全平和は無理ですから、CEなんて更に難しいでしょうね。リリーナ様の理想「完全平和主義」なんて更にその先ですが、それでも提言しちゃうくらいリリーナ様は強かった✨ あ、なんかGW見たくなってきた(笑)

そうそう、GWどころじゃなく、今日は何の日かと言いますと、呪術廻戦で「渋谷事変」の起きた日なんですよね!
なので、帳も降りた今から皆突入してますよ。渋谷に。多分これ書いている今頃、悟は封印されているんだろうな( ;∀;)
で、今アベマで呪術廻戦が全話連続放送中!という凄いことになってますw
とりあえず、今から見ますよ♥ ナナミンの最期を見るのは辛いですが、それでも今日は追いかけられるだけ追いかけてみます(`・ω・´)ゞ
できたら東堂&高田ちゃん♥のタッグマッチまで「タンタカタ~ン♪」と見てみたいですw

あと今日は「とうらぶ」の新しい刀剣男子を無事お招きできました。
『雲生』さんです!
意外と早くゲットできましたが、プレイしている方はお分かりかと思いますけど、隠れていたシートを剥がすと稀に出てくる皆さんが全然出てきてくれませんので、雲生さんは自力1万かぼちゃ集めてゲットしました^^;
多分他のレア刀剣は20万集めても、最後まで出てきてくれなさそうな気がする…💧 無課金プレイヤーですから、まぁ降りてきてくれたらありがたいと思うくらいでやっていきます(ー人ー)
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愚者の呪い

2024年10月21日 14時34分58秒 | ノベルズ
ファウンデーションとの攻防から、早数年が経とうとしていた。

アスランは久しぶりに帰還したオーブで、休暇を兼ねてアスハ家に出向き、同じく休暇を取っていたカガリと、ようやく二人きりの時間を過ごしていた。
日の光を受けた明るく広いダイニング、レースのクロスのかかったテーブルで向かい合い、ゆっくりと二人でコーヒーを味わいながら談笑し、近況を報告し合う。
何気ない会話ができる時間は貴重だ。戦時中、会話どころか顔を合わせる機会も殆どなかったのだ。それを考えると、こうして穏やかなひと時を過ごせるのは、世情が落ち着いていることに他ならない。ありがたく享受していると、ふいにカガリから「少し外に出ないか?」と誘われ、頷く。
広い中庭を並んで歩いていると、カガリが顔を上げた。
「見ろよ、アスラン。」
その視線の先を追えば、中庭でも飛び切りの大樹に、少し膨らみかけた幾つもの淡いピンクの蕾が、節くれだった枝を飾り立てていた。
「もう直ぐ咲きそうだ。」
「桜か。オーブにもあると知ったときは驚いたよ。」
キラと通った幼年学校のあったコペルニクスや、プラントにも桜はあったが、こんな温暖なオーブにもあるとは思わなかったのだ。
「プラントにある本物の桜とは違うがな。『ジャカランダ』っていうんだ。」
カガリがそう教えてくれた。南国の桜といえばこの木のことを指すらしい。
「ソメイヨシノとかと違って、花はピンクでも少し青味がかった色をしているんだ。それに木の成長とともにつく花の数が凄く増えるんだ。」
「へぇ…」
一緒に見上げるそれは、オーブの青い空に溶けるような色合いで、どこか懐かしく、愛おしい。しばし二人でそのまだ小さな蕾を見守っていると、
「木も成長すれば、こんなに沢山の花をつけてくれるけど、私たちは…」
カガリが空より更に遠くを見つめるようにして、ポツリとつぶやいた。
「私たちは、どれだけ多くの花を咲かすことができたんだろうか。」
ファウンデーション、いやアコードとの戦いの後、アスランは直ぐにターミナルの仕事に戻った。
戦時中より、むしろ戦後の方が大事だ。やることが嫌というほど湧いて出る。
未だダメージを負ったままのユーラシア、そしてわずか生き残ったファウンデーションの人々の救済も続いている。ファウンデーションショックから、いくつもの小国家が独立を謳ったものの、ファウンデーションの終末を見て以降、呼応したように内戦やクーデターが後を絶たない状態だった。
何とか息をつないだコンパスは、キラとラクスを除いた残存戦力でもって、各地の武装を解いている。
オーブは各国への経済支援など含め、カガリが地道な努力を重ねてきた結果、ほんの僅かながらも、経済基盤が軌道に乗り、各所で国家の立て直しが始まっている。
アスランは各地をつぶさに見て回り、それを正確にカガリに伝え続けてきた。先程、まだ声色に不安を込めたカガリに、努めて明るくアスランは答える。
「今はまだ僅かだが、それでも君の助力が花開き始めているよ。」
そう、このジャカランタのように。
「それに、後身も随分と成長したじゃないか。各所で「オーブのトーヤ・マシマ」の名前を見かけるようになったよ。君の教育の賜物だな。」
するとカガリは少し照れたように「そうか?」と言って微笑む。
「お前もメイリンも、もうじき出向期限だったな。」
「あぁ。お陰様でオーブ軍情報機関から、引継ぎできるほどの人材が紹介されてきたよ。ミリアリアとサイからも、キャバリア―操縦も含めてお墨付きだそうだ。」
「会ったのか?後輩と。」
「このオーブ帰還は、その引継ぎを兼ねてのものだから、メイリンと二人でしっかりやってきた。キサカ海将が直々に育て上げたこともあって、文句なしだ。」
「ならよかった。…じゃあ、今度の任務がターミナルでは最後の任務になるんだな。」
「そうだ。かなり治安も悪く危険な任務になるが、それが終わればようやく腰を据えてオーブにいられるよ。」
サァ…と二人の間を柔らかな風が吹く。
煽られた金糸を抑えるようにしていたカガリが、ふと視線を感じてそちらを見れば、アスランが真っ直ぐな視線をカガリに向けていた。
その翡翠が熱を帯びていることにカガリは気づく。彼が何か決意したときにする眼差しだ。


―――続きはこちらから。


***


久しぶりに支部のSSを更新しました。お暇な方はチョロっと覗いていただけると嬉しいです♥
劇場版本編後の世界のアスカガです。
多分アスランはずっとターミナルに出向したままではなく、オーブ本軍に戻ってくると仮定してのお話です。でも多分、アスランの能力を一番フルに活用できるのってターミナルなんじゃないか、と思いますv
大きな組織に所属するより、それこそフリーダムに自己判断で活躍できる方が、彼にとってストレスなさそうですし。…唯一のストレスは、カガリと頻繁に会えない(モニターで会話はできるでしょうが、スキンシップが取れない:苦笑)ことでしょうが。
でも軍も組織ですから、階級が上がっていくに従って、統括本部に必要になってくると思うのです。それこそ経験から得た政治経済をはじめとする全体を見渡す視野と、組織の維持育成も含めて、アスランだったら速攻少将とか中将レベルで軍組織が欲しがるでしょうね。多分そのことを見越しての、ターミナルへの出向だったんじゃないかと思ってます。
「カガリは引退した後、アスランの元に行く」という監督のお言葉ですと、一緒にターミナルでの仕事をしても面白そう♪と思ったのですが、トーヤ君の後見人として、やはりまだオーブにいる必要はありそうなので。
だったらアスランが軍本部に戻る方が、ナチュラルな流れかな?

とりあえず書き始めたのですが、プロットはめっちゃ短かったはずなのに、なんだか止まらなくなってしまったので、また続き物です^^;
定期ではなく、不定期にUPになりそうなので、更新しましたら、またここでも掲載していきますd(^^ゞ
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オペレーション『CAGALLI』 & 種運命20周年記念!

2024年10月09日 20時23分49秒 | ノベルズ
ファウンデーションへの核攻撃があって以降、世界情勢は一気にそれまでの様相を覆してきた。
ユーラシアへのレクイエムによる攻撃、それと同時に勃発したプラントの軍事クーデター…
各国も緊張が高まり、首脳陣は文字通り休む間もなく、刻一刻と変わる状況に、戦々恐々としながら緊張をもってその動きを俯瞰している。
その最も中心と目されるオーブ首長連合。
その内閣府は深夜にもかかわらず、何処の部屋からも煌々とした明かりの中、常にせわしなく動く人影が映し出されている。
その内閣府の地下数十m―――代表首長と数人の関係者しか知りえないこの広い空間は、内閣府とはまるで正反対のように、ざわめきも人気もない。代わりに地下とは思えないほど広い空間にはいくつものケーブルが張り巡らされ、そこに一体、左肩にはカサブランカを咥えた白獅子のエンブレムを持つ、特徴のある紅色のMSが何時でも主の出撃を迎えられるよう、静かに佇んでいる。
その胸元からほんのりと小さな明かりが洩れ、そして何やら囁くような一対の男女の声…
といっても秘め事ではない。そのMS「ストライクルージュ」のコクピットシートに座るのは、このオーブ首長国代表である、カガリ・ユラ・アスハ。
国主である一方、女だてらに凛々しく紅のMSを駆るこの代表の真剣な眼差しは今、モニターに集中している。
そしてその隣に寄り添うように立ち、機体操作の指示を行っているのは、今やオーブ軍きってのエースパイロットであるアスラン・ザラ。
「いいか、カガリ。ズゴックはああ見えて、かなりの高速機だ。ペダリングには気を付けろ。そしてこのスイッチを入れると…」
「そうか、フォランティスのバーニアにつながる訳か。」
「あぁ、それからこっちを切り替えると、キャバリア―の操縦権をこちらに移行できる。そしてこのスイッチはキャバリア―のミサイルに連動できるから、アルテミス要塞でまず出口を塞いでくれ。」
「なるほど、これでいいのか?」
「そうだ。ルージュは今、ズゴックの操縦系統と連動できるようプログラミングされているから、幾つか計器が増えてはいるが、それさえ覚えてくれれば基本操作はルージュと同じと考えてくれていい。」
「わかった。」
「アルテミス要塞は無重力だが、それでもズゴックの外装分、操縦桿は重くなる。感覚はシミュレーションで身体に叩き込んで覚えろ。」
「了解した。」
モニターから目を離すことなく、真剣そのものの彼女の横顔を時折盗み見ながら、説明を加えるアスラン。
指示を出しながらも、感心する。
代表としての地位を固めて以来、彼女がMSに搭乗することは滅多に無くなった。
それでも、こうして緊急時にMSを駆り、自ら出撃することを厭わない。

(―――「ラクスを救出に行くんだな。わかった。私にできることがあるなら言ってくれ。」)

最初は「私もアルテミスに乗り込むぞ!」と言われるかと、そっちに冷や冷やしていたが、もうかつての鉄砲玉のようだった彼女は卒業したようだ。
だが、どうしてもアルテミス要塞に乗り込むには、カガリの力が必要だ。


―――続きはこちらから。


***


ここのところ、夏アニメの最終回と秋の新番組チェックばかりやっている気がしてましたかもしたです。
なので、久しぶりにSSを書いてみたりしました。
種自由でのアスカガの接触したシーンは本編では全くなく、会話もなし。あったのは入場者特典の『二人の逃避行』と、最終週のSS付カードだけで、その他はもう妄想で補完するしかない(泣笑)
―――となると、多分一番この「ズゴック操縦シミュレーション」のシチュエーションが、ありがちで、妄想しやすいと思うんですよ。
カガリ様は確かにルージュからいきなりアカツキ(オオワシ)に乗ってもマニュアルなしに戦えていた超人✨(いや、本当に読んでる暇とかなく、ぶっつけ本番だったと思います)なので、アスランも「カガリならズゴックも扱えるはず」と太鼓判推したんじゃないでしょうかね。そこらへんがコーディーじゃなくてもできるのは、やっぱりヒビキ家のDNAかと。尊い…(*´Д`)ハァハァ♥
アスランも教えがいがあったでしょうね。
二人とも、基本真面目なので、しっかり教え、教わりしていたと思います。でもあれだけ離れていた彼女と、同じ空気を吸って、しかも誰にも邪魔されない空間だったら、密着くらいしたはず。でなきゃ、あんな妄想をいきなり全開でシュラに見せつけられないですよ! さもなきゃ普段から訓練(という名の叡智な妄想)をしていなきゃ、あんな危機的状況で想像できませんって!
ずっと隣でスンスン♥していたんだろうな~。カガリ様のさわやかな柑橘系の香り…♥←この前出たフレグランスの香りv

そして、そうそう!
先日誤って、10月5日に『運命20周年記念』ってUPしちゃいましたが、今日が放送開始日だったんですよね。
5日は無印の時だ。
すっかり間違えちゃったので、改めて

20周年、おめでとうございます!!\(^o^)/🎊
皆が生まれてきてくれたおかげで、CEの未来がまた続いたんだよ♥
そしてシンルナ、劇場版でも大活躍だったし、いいCPですよ♥
12月25日には、久しぶりにレイの声も聴けるよ♥
これからも「フリーダム強奪事件」も映像化するみたいですし、まだまだ運命も続くぞ!!
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「未来(あした)の物語(はなし)を聞かせて」第4話をUPしました!

2024年09月21日 21時08分37秒 | ノベルズ

「ふーーっ…」

久しぶりにゆっくりと食事を摂り、入浴できた。

「美味しかったな~今日の夕食。」

思えばファウンデーションの件があって以来、ゆっくりと食事を味わうどころか、簡易食をとりあえず胃に収めるだけだった。

それが市井を担う者として、当然の務めだと思っていた。父も殆ど屋敷に戻らず、国政に身を置いていたその背を何度も見てきたのだから。

久しぶりにガウンを纏ったまま、部屋の大窓を開けてテラスに出てみる。

夜空には月が浮かび、煌々と夜の海を照らしている。

柔らかな潮風に、まだ生乾きの金糸を靡かせていると、夜空からも金色の筋がいくつも降り注いでいた。

そう、つい数時間前まで、ファウンデーション、いや、アコードとの激闘が行われていたのだ。この流れ星は宙の戦場で散った、数多の兵器の残骸が、重力に引かれて落ちて燃え尽きた証。それだけの命もあそこで散ったのだ。

視線を下げれば眼下には、こうして凪いでいるオーブの海。

つい先ほどまで第一次防空圏を敷いていたとは思えないほどの静けさ。遠目に街明かりがポツポツと点いている。街に人が戻ったのだ。そう思うとようやくカガリも人心地着く。

「よかった…」

3度目の戦争で、今度こそオーブは焼かれなかった。これもキラ、フラガ大佐とシンと、あと―――

「…アスランのおかげ、だな…」

彼を思っただけで、自然と口角が緩む。

オーブが今回悉くアコードたちの先手を打てたのは、まさにアスランのおかげだ。

彼の冷静な判断力と、見識がなければ、自分一人だけで判断できたとは思えない。

アスランにもきちんと礼を言わなければ…

…うん?

そういえば、お礼の前に、何かアスランに聞かなきゃいけなかったことが…

 

「―――あ!」

カガリはハッと顔を上げる。

(―――「神聖な戦いの場で、なんという破廉恥な妄想をっ!」)

そうだ!すっかり彼のペースに乗せられて、今の今まですっかり忘れてた!

「アァースゥーラァーンーーっ!」

 

―――続きはこちらから。

 

***

 

本日支部の連載の第4話をUPしました。ギリギリ今日まで大人向けではないので、大丈夫かと(笑)
来週は多分最終回で、こっちにはUPできないので、上げたら報告のみさせていただきます。

さて、昨日はSEEDFREEDOM特別編第1弾の上映を見てきましたが、修正された部分を色々思い返したりしていると、更に深堀できて面白いですね♪
特にキララクの部分の修正見たら、二人がどれだけ傷ついていたかがしみじみ伝わってきまして。

キラの闇落ちの深層心理映像も、クルーゼばっかりだったのが、議長とラクスが加わったことで、キラがクル―ゼももちろんのこと、議長の言葉に囚われていたり、ラクスとのすれ違いが、あれだけの闇を生みだしてしまって、どんだけ一人で抱え込んでいたんだろうか、と思うと不憫でなりません(ノД`)・゜・。

闇と言えば、昨日の舞台挨拶で、珍しく桑島さんが登場され、今まで演じられた4役全ての声で同じ登壇者の方々に話をされていたニュースを見て、めっちゃ現場で見たかった!!💦
キラ(保志さん)←フレイで説教(相変わらず泣いてばっかりね!でもあの赤毛(アグネス)に迫られても靡かなかったことは褒めてあげるわ♪)
マリュー(三石さん)←ナタルで感謝(自分の名のついた作戦を使ってくださって感謝してます!( ー`дー´)キリッ✨)
ステラ(シン、どこ~~??)
そしてアグネス「あたしが出番なんだから、皆黙ってて!」
―――みたいだったらしい。桑島さんの声と演技力の幅の広さには脱帽しておりますが、生で聞きたかったですね~♥

保志さんから「まだSEEDの世界は続いている」みたいな発言もあったらしく、これはいよいよ続編カウントダウンでしょうか??

あ、でもその前に「フリーダム強奪事件」の映像化ですね。
これが当たれば、多分続編のオファーがきそうな気がします。
ただ、唯一の懸念が「両澤さんなしに、一から作り上げる形になる」ということでしょうか。やっぱり両澤さんの生み出すキャラとセリフの活かし方って普通の人にはできないですね。あれだけ劇場版の前半と後半で色が違ってましたから。勿論、後半は後半でお祭り騒ぎで凄く盛り上がって、観覧者の喜ぶエピソードを「これでもか!」と詰め込んでくれて、凄く嬉しかったです。
一体どんな形でSEEDの世界は続くのでしょうね…
その前に特別編第2弾も見に行かねば!アフターショートストーリー、楽しみです(*´▽`*)

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