(一体どうしてこうなった・・・??)
目の前の光景に、カガリは金眼を見開き、静止した。
薄暗い室内に燈る赤紫色のダウンライト。そしてそれが照らし出す先の一点には、シルクのような光沢で、そこだけ煌々と別次元のように浮きあがったキングサイズのベッド。
いや、ベッドの大きさは問題ないのだが、その形状がおかしい。
何で「〇(まる)」なんだ??
更にそのベッドの向こうに視線を泳がせれば、壁がある―――いや、分厚いアクリルかガラスなのか、透明な壁の先には、二人はゆうに入れるバスと、シャワーが丸見えだ。
ベッドの足の方の壁には、70インチもあろうかでっかいモニターがかかっている。
リモコンが備えてあるチェストの上には、「ルームサービス」と称したチラシの山と、そこに隠れるようにしつつも存在感を放っている、女性のセクシーショットの掲載された番組案内。
カガリが思考停止している間にも、金糸を伝って落ちていく雨粒が、足元のカーペットに落ちて水跡を広げては薄れていく。
南国のオーブとはいえ、冬は流石に雨に濡れれば冷える。しかしこの目の前の光景を見れば、カガリの身体は冷えるどころか、むしろ変な汗が出てくるばかりだ。
幾らアスハの姫君として育てられてきたとはいえ、『ここ』がどういう場所かくらい、カガリでも知っている。
「カガリ、早く拭かないと、風邪ひくぞ。」
自分でも頭からタオルを被ったアスランが、もう一本厚手のタオルを持ってやってきた。
彼の声に、私は記憶を反芻する。
今日は私が依頼した調査を受け取るため、アスランと会う約束をしていた。
時間通りに指定の喫茶店に現れた彼は、調査内容の入ったUSBを渡してくれた。
ファウンデーション、いや、アコードたちとの戦争後も、世界はまだ混迷の最中である。
特にファウンデーションショックで誕生した小国家と連合との間は、未だ小競り合いが各所に起き、そこにまたもブルーコスモスやファウンデーションの残党が隙に付け入ろうと躍起になって、武器の密売ルートなども構築されている。
時間は午後7時。二人して厳しい表情を突き合わせたが、折角戻ってきてくれたアスランに少しでもリラックスできるよう食事に誘った。私のお勧めの店で、またも眉間に皺を寄せながら食べ物を突くアスランに笑い、緊張がほぐれた食後、「少し歩かないか?」とアスランに誘われ、オロファトの中央広場まで来た時だ。
いきなり激しいスコールが襲いかかり、雨宿りできる場所もないまま、タクシーは拾えず。屋敷から迎えの車を呼ぼうと思ったところ、見事に二人して携帯の充電が切れていた。
「どうしよう・・・」
アスランは直ぐに自分のコートを脱いで、頭からかけてくれたが、それでも今度は彼が風邪をひいてしまう。すると
「カガリ、こっちだ!」
と腕を引かれ、コートを目深に被っていたせいでよく見えないまま、アスランの手に引かれるまま入った場所が、今、目の前にあるこの隠微な風景を醸し出す部屋だ。
タオルを持ってやってきた彼は、この光景を見て、なんとも思わないのだろうか?
「アスラン、お前、ここ『ラブホ』だって知って入ったのか!?」
「『ラブホ』・・・なんだ、それは?」
目の前の男は、緑の瞳を見開いたまま、キョトンとしている。
もしかして、本当に知らないのか?
―――18歳以上で続きが気になる方は、こちらから。
***
お久しぶりでSSなんぞを書いてみました。
ここのところずっとイベント続きで、創作の時間が取れなかったもので、ようやく人心地です。
とはいっても、年齢制限話なので、上記の通り18歳以上の方で、興味のある方だけ覗いてやってくだされればありがたく<(_ _)>
キャプションにも書いたのですが、このブログでも先月イベント観覧のために旅行に行った話を書きましたが、詳しく書かなかったんですけれど、かもしたは「ビジネスホテル」を検索して、内装もよくあるビジネスホテルのものでしたので、そこに予約したんですよ。
で、実際行ってみたら…その、なんといいますか、外装が「破廉恥・・・な、妄想・・・?」を掻き立てられるような絵面でして。
それでも案内された部屋は、本当に普通のビジネスホテルの部屋だったので、安心していたんです。
ところが、2日目も連泊したんですが、その夜シャワー浴びてたら、シャワーヘッドがボッキリと取れちゃいまして💦 ホースのところとの接合部分のゴムが劣化していたらしいんです。それでフロントにお電話しましたところ、<新しいお部屋をご案内しますので>と言われ、荷物持って案内された先が↑これ(笑)
持ってた荷物落としました^^; いえ、最近のラブホって、女子会できたり友達同士や家族でも泊まれるように、かなり改良している話は聞いたことがあったんですが、まさかこんな昭和ドリームのような部屋がまだ残っていたとは思わず(==;)
流石に一人でこの部屋に一泊するのはたいそう勇気がいるので、「シャワーだけ使わせていただいて、後は元の部屋でいいです・・・」と丁重にお断り視させていただきました<(_ _)>
内装は本当に書いた通りだったんですが、書いていない部分もありまして、そのベッドの上の天井が鏡張りだったという(爆!)
アスカガ二人が絡んでいるシーンなら、幾らでも天井裏から生温かく見守っていたいですが、カガリがアスランに絡みつかれている姿を天井で見てしまったら、もうパニックになるだろうな。案外気づかないまま、朝チュンの瞬間に気づいて、恥ずかしさのあまり、隣のアスランをボカスカ殴りまくるやもしれません。
うん、そんな二人も見てみたい(笑)平和でほのぼのできますわ♥( ̄▽ ̄*)
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