うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

生まれ出た君へ

2022年05月28日 21時22分37秒 | ノベルズ
壁に取り付けたスクリーンには、青い星が映っていた。
海の濃い藍と白い雲が織りなす自然美。おもむろに見つめていた時ふと、広い藍の中の一点で視線が止まった。
自然と口から零れる言葉―――

「…君だったら、なんて言ってくれるかな…」

飾り気のない無機質な室内は、スクリーンとローテーブルとソファーのみ。
戦争を知らなかった子供のころはもっと明るい部屋で、お気に入りのおもちゃを出しっぱなしにしては母――カリダに怒られてばかりだった。
何処にでもいる、普通の男の子がそうであるように。
しかし、最初の大戦で、あの事実を知ってしまってから、何処か空虚な自分になってしまった。

―――『最高のコーディネーター』―――

無機質な冷たい人工子宮の中で、数多の同胞…いや、兄弟と言っていい…彼らを犠牲にし、得たこの命。
(―――「力だけが、僕の全てじゃない!」)
そう言って自分のアイデンティティーを保持したはずだった。
「だけど…」
ソファーに身を沈めたまま、ポツリと呟きが漏れる。
おもむろに自分の両手を掲げ、照明の光源に逆光を受けるその手は、黒々としていた。
黒…いや、寧ろ血で赤く染まっている。どす黒い血の色だ。
自分の、そして守りたいと思った仲間たちの命の為、結局はその「力」で敵の血を流し、その命を奪ったことに変わりはない。

その黒い手で顔を覆う。
知りたくなかった。あのまま無邪気な子供のまま、生きていきたかった。
そうすれば、自分の出生の呪いも知らずに、戦いも知らずに、平穏なまま生きて行けたかもしれないのに。

あの時―――そう、ヘリオポリスの地下施設で、Gシリーズを見つけなかったら…
マリューさんを助けなかったら…
そうしたら、ストライクに乗ることも、アスランと戦うこともなく、さらには自分の出生の現実をクルーゼから突き付けられることもなかったのに。

「違う…そうじゃない…」
首を振って否定する。
なんでこんな他人のせいにする考えが浮かんでしまったんだろう。
マリューさんを助けに行ったのは僕の意志だ。
アスランと戦うことを選んででも、友達の命を守るために連合軍に入ったのも僕の意志だ。
でも、クルーゼから突き付けられた現実だけは、見たくなかった!聞きたくもなかった!
なのに―――


―――続きはこちらから。


***


改めまして、めさんこ遅れまくりましたが、「双子、誕生日おめでとう!!♥\(≧▽≦)/」(りたーんず)
見事に10日遅刻です<(_ _)>💦
いつもだったら毎年きっちり日付変わったと同時に、新規SSでお祝いするんですが、何故か今年は本当に間に合わなかったです💧orz
一応プロットは切っていて、書き始めていたんですよ。で、アスカガの方はもうサクッとかけちゃって(笑)推敲し直しながら、当日にはUPできる状態になっていたんです。
いたんです…が!

そうです。問題は「キララク」の方(ーー;)
これがなんとなく筋道は出来ているんですが↑を一読してくださった方ならわかると思いますが、物凄く「どんより💧」した内容になってしまって。
というのも、目指していたのは「ラブラブなキララク♥」だったんです。
アスカガが一歩間違えればRに行きそう(ギリセーフ!( ̄▽ ̄)☆)なのに、双子の相方だって、もっと幸せにイチャイチャしていいと思って、何度もさせようと努力したんですよ、これでも。
でもね…
どうしても「浮かんでこないんですよ!」これが(゚Д゚;)
というのも、無印も運命も通してみて、あの二人がラブラブになっていく過程が殆ど描かれていないんですよ。ラクス→キラはあるんですが、キラからラクスに発するものが、あまり見えてこない。無論無印でも肩に腕を回したり、運命では何度も互いに抱き合ったりしているシーンはありました。だけど、何というか、アスカガみたいに「命狙って(これはこれで問題が:苦笑)、弱い部分を吐き出し合って、喧嘩して、それでも優しさに触れて…」っていう、恋から愛への育て方みたいな過程があまり描かれていないんですよね。もちろんラクス的にはキラに惹かれるシーンはありました。AAで人質状態になったラクスをアスランの元に返してあげたことをきっかけに、ラクスはキラが苦しんでいるときに寄り添い、言葉で慰め癒し、スキンシップをとって…って。キラもある意味ラクスには色々して貰いました。「優しいのはコーディネーターだからじゃない」とキラという人間性を最初に認めてくれた人ですし。ラクスはアスランにはしていないであろう(苦笑)優しさを持って接してくれ、心悩むときに導いてくれた。…でもそれが「恋人」への感情に発展しているか、というと、それがよく分からない。もう恋愛とか人間の感情飛び越えて、別次元の結びつきになっているというか。両澤さんのインタビューの「キララクは老齢のような達観した愛情関係」の通り、なんか一足飛びになってしまった感があるんです。
でも幸せシーンは入れたい。
なので、昔出た「キラ・ヤマト写真集」の裏表紙にある「キララク、キスまで1秒♥」の、あのイラストをPCの横に置いて、2週間くらいずっと見ていたんですよ(笑←滅茶苦茶あやしいw)

本当に見ていたんですよ。テンション上げようと思って、ひたすらずっと―――……

「う、浮かばん💧orz」

どうしたら甘い雰囲気になれるのか、さっぱり分からず、結局↑のような形にするのが精一杯でした。ごめん…だからその…ごめん(本当に)
ちなみにアスカガはもう、それこそ「アスラン・ザラ写真集」の裏表紙の「姫の尻まで10㎝」(笑)

等飛び越えて、もうやった後(笑)ですよ。
先に姫の方上げちゃっておいてもよかったんですが、やっぱり双子一緒に同じ時間に幸せにしてあげたいという母心で、こうなりました。
苦心した割にはこんな出来で申し訳ない上に、遅刻までしましたが、ともかく今年も「双子、おめでとう。来年の劇場版では、二人とも幸せになってくれい✨」

コメント
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