五か月ぶりの更新である。もはやリオ五輪の本番もじわじわと迫っている。今更、四か月前の代表選考をめぐる話を蒸し返しても、どうかと思うので、一体何の話から始めようかと思ったところに、日本のマラソン界に少し明るいニュースが入ってきた。
7月3日に開催されたゴールドコーストマラソン、男子は川内優輝が2時間9分1秒で2位、女子は堀江美里が2時間26分40秒のコースレコードで優勝した。川内のタイムは彼自身に . . . 本文を読む
福岡国際マラソンは、一般参加のジョセフ・ギタウがそれまでの自己記録を15分近く更新する2時間6分56秒の好タイムで優勝した。広島の駅伝強豪校である世羅高校(ちなみに、県立高校である。)出身で、地元企業JFEスチールに所属する、「広島育ちのケニア人」の予想外の快挙となった。
1988年のソウル五輪銀メダリストのダグラス・ワキウリ以後、多数の外国人(大半がケニア人)が日本の企業や大学、高校の陸上競技 . . . 本文を読む
男女とも入賞者ゼロに終わった北京五輪から4年。さらに過去を振り返ると、日本人がマラソンで入賞出来なかった大会は、第二次世界大戦後では1952年のヘルシンキ、1960年のローマ、1976年のモントリオールの3大会である。女子マラソンが正式競技になったのは1984年のロサンゼルス大会からだが、そのロスの大会と、1988年のソウルでは日本の女子ランナーたちは入賞にも手が届かなかった。
それら五つの大会 . . . 本文を読む
前回の記録ランキングについて、あえてコメントはしなかったが、
「かくも多く、マラソンランナーを生み出しているのか。」
と思った人もいるかもしれないし、
「長い歴史があって、毎年のように大騒ぎして、この程度か。」
と思った人もいるかもしれない。まあ、記録ランキングということでは'80年代以降のランナーが大半になるのは仕方ないと思う。昭和の伝説のマラソンランナーとしては、日本人で初めて五輪で入 . . . 本文を読む
「新・山の神」とも「山の竜神」呼ばれる東洋大の柏原竜二の二年連続5区での逆転で今年の箱根駅伝も大いに盛り上がった。この「正月の風物詩」に対する、僕のスタンスは5年前にこの欄に書いた通り、
“箱根駅伝、礼賛しようと思えば、いくらでもできるし、批判しようと思ってもいくらでもできる。ともあれ、トラック長距離種目とマラソンの日本記録を独占しているランナーも、世界選手権で2回、五輪で1回入賞しているランナ . . . 本文を読む