おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第2章 漢方はどう診断するか
体の中の熱と冷えで処方は異なる
p92漢方薬は総合的に考えて配剤しなければならない!
漢方薬として使われる薬は、二千年前から薬味、薬性が決められています。
薬味は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん)」 の五つに分類されていることはたびたび述べました。
その中で「苦」という薬は心臓の薬です。
心臓がオーバーヒートしたときに飲む心臓薬は、みな苦い薬です。
その苦みで心臓を冷やすのです。
心臓は昔から「苦い」という性質で冷やし、緩和できることがわかっているのです。
心臓薬は紫胡(さいこ)、黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、黄柏(おうばく)など、いずれも苦みの強い薬です。
天然の苦いものは心臓の薬になる――といわれるくらいです。
新薬にしろ洋薬にしろ、心臓の薬は、みんな苦いもののなかから発見されています。
心臓は自動車でいえばエンジン、工場ではボイラーのような熱源です。
いわば人間の体のなかの火力です。
この火がいちばん弱いのが水です。
心臓の悪い人がむくんでいるということは、その分だけ水が体内にたまっているからです。
せっかくボイラーが一生懸命に温めてみても、水滞で冷やしているようなものです。
心臓の薬にはみな、利尿作用があります。
まず、腎臓から水を出してやれば、心臓に水がかけられなくてすむのですから、楽になるはずです。
心臓病の薬には、心臓に直接、ストレートに作用するものがありますが、この薬は心臓にとっては毒になるのです。
――こういう薬は、実は西洋薬です。
漢方薬の心臓薬は、毒性のない緩和剤で、心臓だけの直接の薬はあまりありません。
苦みの利用作用で、マイルドに冷やして、オーバーヒートを止めているのです。
もう一つの鹹の例を上げましょう。
これは北に当たります。北は寒いのですから温めなければいけません。
下痢とかリューマチは冷えて痛む病気です。
冷えているのですから、こんどは温める薬=熱剤を加えなければなりません。
が、熱があるのに、温める薬を与えたら熱しすぎます。
間違えると、心悸亢進(しんきこうしん)や心臓麻痺(まひ)を起こすこともあります。
だから、ここが非常に重要なポイントなのですが、漢方薬は「冷え」と「熱」には、温めたり冷やしたりの反対薬を投与して「中和」するわけです。一筋縄(ひとすじなわ)にはいかないのです。
世界じゅうの薬で、この草根木皮を飲んで、冷やすとか、温めるとか――分類できるのは漢方薬だけです。
話は少し変わりますが、東洋哲学では陰陽とか、五行(ごぎょう)説で天然現象をとらえています。
冬は寒く、夏は暑いに決まっているし、北は寒く、南は暖かいことも決まっています。
それを薬に応用しているのが漢方薬の薬性「寒・熱・温・涼・平」という分類です。
体の熱と冷えを、冷たいのと熱いのと、暖かいのと涼しいのと正常、この五つに細分化しています。これを漢方では薬性といっています。
漢方薬は、まず病気の部位、つまり心臓とか腎臓とかによって、その該当薬を五つの「酸・苦・甘・辛・鹹」に分類しますが、さらにその各病気の薬剤が、「寒・熱・温・涼・平」――寒くなる薬か、温かくなる薬か、によって五つに分類されているのです。
この点が、漢方医学が西洋医学とはっきり違う点です。
漢方は、人間の体の偏向を中和する薬物から出発した医学であった――ということです。
もう少し、具体的に説明しましょう。「酸・苦・甘・辛・鹹」の薬味による分類は、この五つの位置づけを五角形で表わし、その序列、相関を前ページの(右)↓図のようにまとめることができます。
その「五味」ですが、「酸」は肝臓をすっぱい薬で、「苦」は心臓と小腸と循環器をにがい薬で、「甘」は胃と脾臓と口唇を甘い薬で、「辛」は肺や鼻や大腸や皮膚をからい薬で、「鹹」は腎臓や膀胱や骨髄を塩っ辛い薬で、それぞれ守っているのです。
この序列を漢方では「散々(さんざん)、艱難(かんなん)(酸-肝臓)苦心(苦-心臓・小腸)して、甘い(甘-胃・脾臓)こともなく、心配(辛-肺)ばかり、ああ勧進(かんじん)(鹹-腎臓)と覚え歌にしています。
ところで、「鹹」というむずかしい字ですが、これは塩っ辛い薬のことで、水気を出し、腎臓を動かします。
皮膚から汗も出すので、心臓に負担がかかります。
ですから「鹹」はたんに腎臓だけの薬でもないのです。
同時に、心臓のほうの働きも考えなくてはなりません。
このように、漢方薬はあれこれ総合的に考えて配剤しなくてはならないのです。
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