落葉松亭日記

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加瀬英明氏「亡父の薫陶」

2019年08月31日 | 政治・外交
加瀬英明氏のメルマガより「亡父の薫陶」。
お父上は第二次大戦前後に活躍された外交官加瀬俊一氏。
TVに出演されていたのを見た記憶がある。
亡父の薫陶
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

 私は幼いころから、父から「女と動物を苛めてはならない」と教えられて、育った。
 もう一つ、小学校に進むようになってから、正座して『論語』の素読をさせられた。父が同じ歳のころに、祖父から強いられたことだった。
 私が漢籍から引用できるようになったのと、女性と動物を大切にするようになったのは、この2つの躾によるもので、感謝している。

 父は私が高校生のころから、馴染みの座敷に連れていってくれて、芸妓の伽羅の香りや、絃歌の世界を知った。私は父の秘密を共有するようになったから、父をいっそう好きになったし、母を大切にするようになった。
 父は人が羨むほど夫婦仲がよかったし、犬と猫を可愛がった。母が逝ってからは、純白の雌のペルシア猫を溺愛した。

 それでも、生物のなかで、ペットが存在するのは人間だけだが、なぜなのだろうか。
 動物はいつも本心だけで、嘘をつかない。そこで私たちの心が和み、癒されるからだろう。
 父がある時、愛犬の頭を撫でながら、「もし、人間に尻尾があったら、この世から騙し合いがなくなることだろう」といった。私は人間は進化が遅れているから、まだ尻尾がはえていないにちがいないと、思った。
 植物も、嘘をつかない。だから森のなかを散歩すると、爽快になる。人は自分を偽って生きなければならないから、疲れる。

 女性に出会うとおだてるのは、父譲りである。女性のほうが男性よりも強いから、諍わないほうがよい。
 科学的にいって、女性と言い争ったら、男に勝ち目はない。女性の声の高さは200から300ヘルツであるのに対して、男性は100から150ヘルツしかない。100ヘルツは声帯が1秒間に、100回震動しているのをいう。

 女性は男性よりエネルギーに溢れているから、際限なく喋ることができるが、男性はすぐに畏縮してしまう。「君子危キニ近カヨラズ」と、中国の聖賢が宣うているではないか。
 男が女性に甘えるのは、弱いからだ。女性は男性より強いから、耐える。男性は合理的だから、女性に負ける。女性はその証拠に占いを信じるが、占いの語源は「うらづけがない」というものだ。

 明治の日本を創った賢人の福沢諭吉先生が、「無力な道理は、有力な無道理に勝てず」と諭しておられる。
■占いの語源は「うらづけがない」という。
 これは知らなかった。
■無理が通れば道理が引っ込む。
 隣国の某大統領は、こう思っているのではないか・・・