落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

中国の混乱

2006年06月25日 | 政治・外交
 一般全国紙では報じないことでもメルマガなどで知ることが出来るようになったのはインターネットの恩恵だ。
 中国通ジャーナリスト宮崎正弘氏のメルマガから。
 2006/06/19
 麻薬ルートの雲南省の奥地にもAIDSが拡がった。少数民族蔑視と地方の幹部の腐敗が麻薬ビジネスを肥らせた。
 河南省のAIDS禍は、貧困農民の売血による。
 しかも売血を社会貢献のキャンペーンのごとくに煽って“われもわれも”と医学知識のない共産党の地区組織が採血センターをつくり、注射針を変えずに採血をしたために起きた。おそらく河南省だけでAIDS患者は60萬人をこえるだろう、と予想されている。

 サハラ以南のアフリカには不潔な性生活によるAIDS感染が、世界全体で4000万人と見積もられるうちの半数以上。
だが「やがて中国のAIDSはもっと膨張する恐れがあり、現在の麻薬患者中心から、いずれ売春婦ルートに感染が拡大する」とWHOが警告している。

 2006/06/20
 賄賂、州愛、不正行為で中共幹部や公務員が海外へ逃亡しその数が4200名という。それと共に蒸発した金が米ドル換算で500億ドル(邦貨6兆円)。
 中国の四大国商業銀行の支店長ら42人が集団で海外に逃亡する前代未聞の大事件が発覚したのは05年10月だった。
 持ち出された被害額は人民元で740億元と米ドルが22億3000萬ドル(邦貨にして合計1兆6000億円強)。

 2006/06/23
 北京オリンピックをめぐる土木建設スキャンダルに連座? デベロッパー大手の幹部数人を拘束の模様。
 オリンピック工事をめぐる黒い噂は絶え間なくあったが、開催を二年後に控えて各スタジアムの建設が遅れに遅れており、おそらく二、三のメイン・スタジアムは開催日までに完成が間に合わない、とまで言われている。
 そういえば北京の銀座=王府井の歩行者天国にでんと構えていたサマランチIOC会長らの銅像が三年ほど前に撤去され、これもまた色々と憶測を呼んだ。

 2006/06/25
 山西省の炭坑地区で地盤沈下、地割れの恐怖とたたかう人々。石炭の掘りすぎは一方で農業を滅ぼし、河川を消滅させてしまった。
 高度成長のひずみは様々なかたちを伴って地域住民に悲劇をもたらす。
 中国最大の炭鉱地帯は山西省(埋蔵は内蒙古省がトップ)、値上げになって石炭景気に湧きあがり、外国製の高級車が目抜き通りを疾駆し、レストランは豪遊する石炭成金で連日盛況。
 ひとたび奥地に踏み込むと炭坑の爆発事故、地盤沈下などの惨劇が繰り返されているが、付近に地割れ、落盤の被害が頻発していることがわかった(6月24日付けNYタイムズ)。
 南北を石炭の山に囲まれたシャンマ・ファントウ村(音訳不明)は十数年前まで河川が澄み切って空気の綺麗な地域、放牧に適し五百の村人が静かに暮らしていた。
 いまや空気は煤煙で汚染され、河川は消滅、ほうぼうに地割れが出来て道路があちこちで陥没し生活に多くの障害がでている。
 石炭企業は地域住民の保証を拒み、移住する当てもない村人らは日夜、落盤の恐怖と闘っている、という。


 人命軽視の国柄、少数民族がAIDSで消滅の危機にあるとは恐ろしい。

 日本でも高度成長期様々な公害が発生し、今でも後遺症に苦しむ人が多い。だが中国のそれはスケールが大きい。

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3 コメント

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Unknown (higejiro2002)
2006-06-26 13:18:56
広大な土地に....多くの人種が生活している中国....統制を取るには大変な事でしょう....国民性にも問題があるように思えますが.......?
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higejiro様  (落葉松亭)
2006-06-26 20:14:47
 本当の意味での共産主義から大きく外れた中共独裁の政府が農民を搾取しなりたっている中国では、国民の側から立ち上がり革命が起きるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 しかし、いつかはソビエト崩壊のようになるときがあるのではないでしょうか。ソビエト連邦は74年間の寿命でしたが、中国の場合は建国から57年ですからまだ先かも知れません。

 インターネットの普及で中共の実態を国民が知れば、民主化が早まるかも知れないと思うのですが・・・
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Unknown (higejiro2002)
2006-06-27 12:27:35
そうですね...私もそのように感じます
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