光が黄金色に輝き、水の色とマッチし絵になります。鯉はこの後少しづつ魚体を動かし無事脱出しました。
あまりなじみがないのはゴッコであろう。バスケットボールを一回り小さくしたぐらいの大きさで、丸くてぶよぶよしている。トロ箱に入っている形は魚とは想えず、遠目で見るとカボチャのようである。腹に吸盤を持っており、身体からして岩に吸い付いているのだろう、決して精悍さはない。正式名称は布袋魚(ホテイ魚)である。ゴッコは北海道弁で魚卵のことをいうのだそうで、この魚の大部分は卵が入っている。普通はぶつ切りにして鍋の材料として用いる。みそ仕立てや醤油仕立てである。皮はゼラチン質なので、コラーゲンを含んでいると思われる。さほど特徴がある味ではなく淡泊である。北海道へ行かれる方は是非とも食されることをお薦めする。 ゴッコ汁で判るはずだ。
ゴッコ汁と並んで、有名なのが、カジカ鍋であろう。カジカは頭ばかりのコチのような魚で、一見すると、グロテスクであるが、身が締まっており、白身である。大きさからして鍋壊しともいわれている。低気圧が通過したときに函館湾内で釣りをしていたところ、カジカが10匹以上釣れて処分に困ったことがあった。
ついでに、居酒屋で本日のお薦め品として「カスッペ」と黒板にチョークで書かれてあり、どんなものであるか判らなかった。女将に聞いたところ、「カスッペはカスッペだぁ」という返事が返ってきた。これでは返事になっていない。注文してだされたものは、エイの煮付けであった。これもゼラチン質が多く、コラーゲンたっぷりである。客に聞くと「カスベともいう」といっていた。
エイのひれのことである。甘辛く煮付けてあり、そこそこおいしかったと記憶している。(このシリーズ最終回です)