かご抜け鳥であるワカケホンセイインコを神代植物園で撮影しました。大きなインコです。特徴のある嘴をご覧ください。
なじみのない名前であるが、人為的に海外から我が国へ移入された鳥で、元来我が国には生息していなかったが、何らかの理由で野生化し、国内で見られる鳥のことである。海外と我が国を往復する渡り鳥は約400種類いるといわれているが、かご抜け鳥は生態が留鳥であり、渡りをしない鳥である。しかし、日本列島は弓状に長いため、徐々に生息域を広げてきたことも考えられるため、人為的では説明が付かない場合もあるようである。
つまり渡り鳥が何らかの理由で、渡りを止め、我が国の留鳥となった場合などが考えられる。しかしながら、外来生物は、ウイルス等を運ぶため、鳥も同様で、鳥インフルエンザ等による家畜への被害の発生や、我が国固有の生物を絶滅させること、純粋種を駆逐し、雑種が勢力を増すことなどの問題もある。
多摩川や近隣の山野にはガビチョウがいる。大きな声で、様々な鳴き声を聞かせてくれるが、警戒心が強く姿を表すことは稀である。元々その鳴き声がよいといわれて、中国から買ってきた人が、声の大きさで近所迷惑となるため、放した結果、野生化し、その生活域を広げていて、今や生息域は全国に拡がっている。
今日、神代植物園に梅花の撮影を目的で行ったが、ワカケホンセイインコを見かけた。輪掛けとは首の回りに輪を掛けたような筋があるためで、雄ははっきりしているが、雌ははっきりとしていないため、この輪の濃さで、雄、雌を見分けられる。これもかご抜け鳥である。体長は40cmと大きめのインコで、色は緑色をしており、嘴は赤色である。1970年頃から世田谷区近郊で見られるようになり、神代植物園は隣の調布市にあるため、繁殖しているのであろう。本来はアフリカ中部からインド・パキスタンに生息している。
このインコは鳴き声も大きく、人なつっこい性格で、物まねもするようである。ペットとして飼われていた鳥が野生化したと思われる。月の輪インコとも呼ばれ、だるまインコと同じホンセイインコ属である。この他にも日本の野鳥図鑑には載っていないが、ベニスズメ、ソウシチョウ、シマキンバラ、コシジロキンバラ、カナダガン、コジュケイ、ドバトなどもかご抜け鳥として取り扱われている。国は特定外来生物による生態等に係わる被害の防止に関する法律(外来生物法)を定めていて、我が国に深刻な打撃を与える生物種を侵略的外来種として防除対策を取っている。