白梅は満開、餌のない時期なので、ヒヨドリも蜜をなめに来ているのでしょう。
だいぶ春らしくなってきた昨今である。桜開花のニュースが伝わってくる。女房の帰省で、羽田空港へ車で送っていった。年度末の平日であったが、渋滞もなく、時間通りに着いた。小中学校が春休みに入ったせいか、子供を連れた家族の帰省客を多く見かけた。短い休みであるが、故郷で有効に過ごすことは良いことである。
産業道路と同様に多摩沿線道路は、物流の道路でもあるので、大型貨物車やダンプが多い。貨物車が多いと景気がよいとの話はその通りのように思える。一種の景気判断バロメータである。目を引いたのは新築住宅が多くなっていることである。多摩沿線は、古くから果樹栽培が行われていて、梨や、モモ畑が多かった。多摩川の洪水で、地盤が砂地であることで、水はけが良いため、果樹栽培に適していたのであろう。しかし、後継者問題や、駐車場・住宅地の転用で、中流域の稲城地区ぐらいしか残っていない。
住宅地の分譲を宣伝している広告はJAの文字が見える。住宅の分譲事業までもJAが手がけていることを知った。おそらく兼業農家が大部分で、採算の面からも土地を手放す会員が多いのであろう。JA改革は緒についたばかりで、農業に携わる人口は急激に減っている。JAのガソリンスタンドは殆ど目にすることはなくなった。近郊農産物の生産が望めない以上、都会のJAの在り方は暫く模索が続くことであろう。
以前タケダ製薬が発売していた「プラッシー」という名称であったが、オレンジジュースの飲料を主に扱っていた物流拠点が、中原街道と交差する辺りにあった。広大な面積があり、そこを更地にする工事が進んでいた。おそらく、高層住宅が建つのであろう。高層住宅は、武蔵小杉近辺や、川崎駅周辺に拡がっている。これも多摩川の治水が安定していることも原因で、臨海部や羽田空港周辺部の精油基地、製鉄関連企業、精密製品製作企業等を除き、住宅地化が進んでいる。空港が持つ物流拠点は変わらないにしても、川崎は、人口の増加傾向にあり、過疎化で学校の統合が進んでいるところに比べ、喜んで良いのかどうか考えさせられる。
羽田空港へ行った道すがら、目に付いた風景であったが、東京オリンピックが近づくに連れ、地域の状況が刻々と変化していることが判る。訪れた外国の方に誇れる街作りに邁進して欲しいと思った次第である。