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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

転校生(2回シリーズその2)

2015年03月12日 00時00分01秒 | 紹介

 放課後であったが、些細なことから相手と対面した。相手の術にはまり、言いがかりを付けてきたため、手を出したことが一度だけあった。相手の顔面へパンチが炸裂した。メガネを掛けていたため、メガネが割れて、相手は顔面血だらけとなった。担任が飛んできて、全面的に暴力を振るった自分が悪いと判断され、しばらくの間、自宅謹慎となった。相手の傷はたいしたことはなかったのであるが、以後、自分にはちょっかいを出すことはなくなった。話によれば、この中学で兄貴が番長であったそうである。これでは根本的な問題は解決しないのである。

 

 幸い、いじめは現在では大きな社会問題となっている。自分が生徒であった当時であってもそのような状態であり、現在ではもっと凶悪な状況が生まれている。教職員・スクールカウンセラー等も、警察とのパイプを強くし、学校だけで解決できるとしないで、犯罪を未然に防止する手だてを行うべきで、英断を持って対処しなければ、逆恨みによるいじめはエスカレートし、いじめの連鎖は続くことになる。

 

 転勤族に申し上げたい。ご子息やご令嬢が、いじめられている徴候が少しでもあれば、見過ごさず、即刻学校や学校を管轄する教育委員会へ相談し、改善しなければ警察に申し出て、いじめの芽を摘む努力を、自らが行う必要がある。泣き寝入りをすれば状況はますます悪くなり、我が子が、不登校、引きこもりや精神障害になることをお伝えしたい。

 

 数十年前のことを申し上げたが、ではその後の悪ガキはどのようになったかといえば、加害者の立場は、被害者になったものもいる。歳を重ねても親分肌を続けている者もいるが、周りで見る目は異なり、反社会的な犯罪に走る者、負債を抱え、倒産した者等末路は淋しい限りであり、掛ける言葉もないが、若くして起こしたことの重大さを反省しているように思える節が無いわけではない。だが、残念ながら、性格は簡単には変えられない。

 

 社会からはもっと厳しい制裁があった者もいる。己の若かりし過ちは若気の至りだけでは済まされない。友達を失い、信頼関係まで失う生き方を余儀なくされているように見える。因果は巡るで、覆水盆に返らずの格言通り、過去に起こしたいじめ等の加害は正当化できるわけもない。

 

 いじめにあった被害者が、生涯忘れることなく、受けたこころの傷の重さは、加害者である本人には気づかなくても、決して消えることはない。その場限りなどでは決して無く、55年過ぎた今でも、心に焼き付いているのであるから、加害者も被害者も心の傷は消すことが不可能で、単純な話ではないことを付け加えておきたい。(このシリーズ最終回です)