いよいよベニマシコも姿を消しつつあります。今期も最後でしょうか?
野鳥の写真では望遠レンズを使うため、写した画像は画面全体の一部の場合が多く、余分な部分を切り取って、構図を決めなければならない。この操作をトリミングといっている。最近では、ペットの犬など毛を刈り込み、形を整えることにも使われている。
トリミングを行うには、画像をパソコンに取り込んだ後、専用ソフトを使って画像編集する。通常、カメラ本体に内蔵しているメモリーに撮影された画像が、JPEGファイルとして記憶される。プロ撮影者ではRAWファイルとして記憶する場合もあるが、プリントするデータはJPEGなので、印刷する場合にはJPEGにする。
画像編集機能の一部を紹介すると、階調、赤目補正、トリミング、アスペクト比、モノクロ変換、彩度調整、リサイズ等がある。今回はトリミングについて考えてみたい。基本的なことであるので、芸術性を極端に重点に置いた操作ではない一般的なことを述べたい。取り込んだ画像を1:1の大きさ(原画)にするとトリミングの限界が判る。画像を原画データ以上に引き延ばすことはしない。この段階でピントが合っているか合っていないかをチェックし、合っていないものは削除する。
画像に白飛び(ハレーション:フィルムに入射した光が強すぎ、受光素子のデータが消える現象)が起こっているものは編集不可能なので、これも削除する。逆に画面が暗すぎる場合も露光が足りないため、編集が難しい。逆光で撮った画像(コントラストが強くなりすぎる)も難しい。
トリミングするときの注意点は、まず、画像が傾斜していないことである。強調すべき画像を中心に置き過ぎない。日の丸画像といわれている物で、左右、上下の中心から若干位置を変える。窮屈すぎる画像は周りに余裕を持たせる。目線を意識する。目線の方向は広めにする。変化を付ける。黄金分割を意識し、画像の配分を考える。奥行きも大切な要素であるが、望遠レンズを使うと遠近感が無くなる。
使用するレンズによって歪んで見えることもあり、魚眼レンズのような画像は、好みにもよるが多用しない方がよい。広角レンズの画像も歪みやすい。
要は、画像の構図の取り方であるトリミングを行うことによって、目的とする被写体の使用目的、表現をどのようにするかの結果を想定して行う。この操作も回数を重ねることによって、芸術性も増し、自分らしさを表現できるようになる。