声は独特な鳴き声で、決して美しいわけではありませんが、鳴き声を聞いてカメラに収めました。
現在の工業塗装は木工塗装、金属塗装、建築塗装に大別されているが、基本は漆工作業の方法が貫かれている。家具、ピアノ、自動車、船、橋梁物、飛行機、家屋、その他多くの製品は美観であり、素材の保護であり、使用目的によって、適切な塗料を選択し、施工されている。被塗物が異なっていても、塗料の種類や厚みによって、素材の寿命を延ばし、美観を与え続ける機能を持っている。塗装方法も、刷毛、スプレーガン、エアレススプレーガン、デッピング、フローコート、電着、静電塗装と各種ある。
塗装工程も製品の品質によって多くの工程を必要とする塗装もあるが、漆工の本堅地は30工程もある。工程の2/3は研ぎである。研ぎ、または研磨は乾燥した塗膜を平らにすることと、次の工程で塗られる塗料の密着性を高める目的であるが、一般の人にはなかなか理解できない。つまり、折角、塗った面をまた、何故に研ぐのかということが理解できない。塗り重ねるとは、同じ塗料を使うのではなく、下塗り、中塗り、上塗りと塗料の性質は異なる。これは、素材が熱や外力によって変形するため、これを極力押さえる目的で、下塗りは素材の変形を抑えるために硬い皮膜にする。剛性の高い塗料にしているということが出来る。上塗りは、素材の伸びや縮(ちじみ)があると表面が数倍変動するため、柔軟性の高い塗料を使う。
研ぎについては、通常コランダム(研削材)等を紙面に吹き付けた物で、コランダムの砥粒の大きさによって番手が決まっている。100~300番台以下は砥粒が粗いため、素材の研磨や下地の研磨に使い、400~600番は中塗り研ぎ用、600~1000番以上は上塗り研ぎ用に使用する。研ぎ材料は研磨紙ばかりでなく、砥石、炭、木賊(とくさ)等がある。磨き仕上げに使用する研磨剤(コンパウンド)は、主として砥粒の細かさにより粗目、中目、細目、極細目などがあり、砥の粉と油とを練った物である。漆工には砥石、炭、木賊等が使用されるが、拘ることはなく、研磨紙で十分である。研ぎカスが飛散するため、耐水研磨紙を使い、水を潤滑剤とする水研ぎが行われる。漆工の磨き仕上げには、炭粉とぎ、砥の粉とぎ、角粉研ぎ(つのこ磨き)等がある。
素材の変形は塗り作業を始めると途中で修正が効かないため、出来るだけ塗装に取りかかる前に修正しておかなければならず、よい塗装仕上げとは、素材の変形を見抜き、凹凸を取ってから塗装にはいることが重要である。目で見ると平らに見えても手のひらで触ってみることで、凹凸や歪みを発見出来る。手の平の感覚は目より優れている。