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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

水準と水平

2015年07月23日 00時00分01秒 | 紹介

 水準は多くの言葉や現象に対して使われている。地位、階級、品質、価値などの高さの標準のことである。○○の水準に達するや水準を超える(上回る・下回る)、水準が低い等と使われる。知的水準、文化水準、給与水準、土地の傾斜、高低を測定する水準器等で、元々は水盛り器から派生している。水盛り器は建築の基礎工事等で使われる道具であるが、筒状のバケツの底にホースを繋ぎ、バケツに水を入れてホースを測定位置に置き、バケツの水の高さが、どの場所でも測れるという測定器である。水平を求める場合に使われる。

 

 この原理は、地球の表面において、水平面は、地球の中心に向かう鉛直線と直角になるため、水平を求めることが出来る。水平を求めるには、水準器が用いられ、ガラスのチューブや半球面に液体を閉じこめ、そこに泡を1粒入れてあるもので、泡が静止した位置で水平が分かる。

 

 漆工作業では、箱定盤を使うが、平面を持った作業台で、漆工は座って作業を行うことが多かったため、定盤上で、下地材をへらで練ることや漆ばけの調整、木べらの作製等多くの作業をこなす。乾漆においては蓋物等の合い口を水平にすることや、高さの調整等に水平を求める場合が多い。定盤がない場合には、透明ガラス板で代用出来る。ガラス板は、水屋の引き戸、自家用車の窓ガラス等の廃品利用で入手出来る。精密機械作業でも使われるトースカン、直角定規、ヤンキーバイスがあれば簡単に水平位置を計測出来、是非準備されたい。

 

 乾漆制作の第一歩は、図面に二次元で書かれる物体を三次元にするので、完成品をガラス版上に基台となるアクリル板を置き、アクリル板上に油粘土を使って造形物を作る。このときに油粘土を整形するため、ジグであるアクリル製の定規を作り、ヤンキーバイスで固定して水平を保ったまま、アクリル基台がゲージとなり、余分の油粘土を掻き取って成型する。四方の高さは同一にするためにはトースカンを使う。

 

 水平な面を求める場合にはカラス板上に研磨紙を置き、制作物を前後に動かして合い口や、底の水平を取るが、刃物研ぎに使う砥石も時々水平面にする必要がある。水平なコンクリート面で同様に砥石を動かして水平面を得る。

 

 家庭内でも家電製品等設置には常に水平に置くことで、雑音の防止や製品の変形等を防ぐため、それに自家用車の駐車に置いても同様で、特に地震による家屋の水平が取れない場合は居住する人の健康を害することもあり、水平の必要性は常にある。