四十雀がイラガの幼虫(アマノジャク)を捕り食べていました。この幼虫に刺されるとひどい痛みで腫れ上がるほど強烈です。
どのような作業でも見落としがちな、最適環境条件がある。我が国は四季を持ち、天候の変化が激しい。環境条件をコントロール出来る環境では問題とならないが、屋内作業と屋外作業では全くといって条件が異なる。通常、塗装作業では作業環境を管理するのには、温度、湿度、風速、粉塵の有無等を用いる。空気中の炭酸ガス、揮発した溶剤の滞留、日射量等も関係してくる。作業内容によって、環境条件の程度は異なって来るが、最適環境を知っておく必要がある。むしろ、最悪条件を知っていた方がよい。
塗料の塗装条件や乾燥条件は、作業時間に塗装環境にないのであれば、欠陥が起こる可能性が高くなる。塗りや塗料乾燥時の環境に十分配慮しなければならないのは当然のことである。塗料には使用条件が明示されているので、その条件を守るために何をしなければならないのかが仕上がり状態を左右する。
一般的に共通する温度は10℃から30℃(±5℃)、湿度は60%以下で無風状態がよい。温度が高いと塗料の溶剤揮発量が多くなり、塗料の流動化が阻害され、平坦な塗面が得にくくなる。逆に温度は低いと流動化し易くなり、塗料がたれやすくなる。また、湿度が高いと白化現象という空気中の水分が塗料と結合して乳化現象の状態になる。極端に溶剤の蒸発速度が高い場合にも塗面が冷やされて白化現象が起こる。この他にも多くの障害があるが、その対策を熟知して障害を無くすか最小にしなければならない。
漆工では一般の塗料と異なり、湿度を必要とする。温度20~25℃、湿度80~90%を適当としている。また、温度100℃以上に強制的に加熱すると漆は固化する。漆の高温硬化法といわれている。
完全乾燥に至るまでには最適環境の維持が必要で、時間との勝負である。塗った後には指触時間(指で触って指紋が付かない状態)まではゴミや埃がない清浄環境にしなければならず、乾燥室などを設備した方がよい。漆工では漆風呂(回転風呂)という木箱に入れる。参考までに申し上げると、乾燥過程は、指触→粘着→定着→固着→硬化→固化→完全乾燥という過程を経る。
環境条件は重要であるが、悪条件を克服する知恵も必要で、屋外では特に、気象予報を知り、作業上の環境変化についても意識しておく必要がある。