再掲載のサギソウです。
高気圧が張り出し、夏の安定した高気圧配置になってきた。日中は日差しが厳しく、風がないと温度が上がり、涼しい居場所を探すのに苦労するが、熱中症予防で、気象情報では、水分の補給とエアコンの利用を推奨している。今や、「心頭滅却すれば火もまた涼し」の格言は死語になって、片隅に追いやられている様だ。
夕方は陰影がはっきりし、サンセット後は、神秘的な雰囲気に包まれる。数紛単位で、風景が変わり、闇になるまでには十分楽しめる。町中では明かりが点灯し始め、黄昏(たそがれ)が楽しめる。夕暮れは、一の暮れに始まり、やがて、目を凝らさないとよく見えなくなる二の暮れが訪れるのである。日中の厳しい日差しはなくなり、夜風が涼しく感じられる。コンクリートやアスファルトに受けて熱は容易には下がらないが、これも町中だからで、郊外ではひんやりしてくる。
サンセット時は、写真撮影でも一つのモチーフになり得る。夕焼けばかりではなく、太陽のまぶしさは消え、赤味が強くなって、雲間に太陽を捉えると、放射状に発散する光の広がりを捉えることが出来る。ダイヤモンド富士は有名であるが、これと同じ現象が見える場合もある。周りの雲との関係であるので、日によって異なるが、うまく捉えると絵になる。
海岸線では、サンセット時に水平線を境とする様々な形の夕日を見ることが出来、海水面に拡がるさざ波に反射した光の帯も美しい。佐渡で見た夕日を思い出す。ハワイや太平洋の小島で撮影されたサンセットは、何故か雄大で、南洋の雲が赤く染まり、木々のシルエットも美しい。自然が奏でる光と時間経過とのコラボ風景である。
昨日は、駅前の店の窓際の席で会食を午後5時半から始めた。通勤客の帰宅時間にあたり、人の波は途切れることはなかったが、若い人のグループは三々五々集まり、何処かへ消えていく。夜のとばりが下りるまでの1時間足らずであったが、夕暮れ時の神秘性を実感し、アルコールの助けもあり、時間経過を忘れさせる一時であった。自宅にいて、テレビを見ながらの夕食とはまるで異なる光景に、心躍るものがあった。せっかくのサンセットである、読者も是非楽しんでみては如何であろうか。