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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

漆工作業その15

2015年07月15日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 3Dプリンターが内在する製品製作の可能性は計り知れないとまでいうには、既に川崎市民アカデミーに招聘されて講演したベンチャー企業(浜野エンジニアリング)の3Dプリンターで制作し、丸1昼夜で出来た巨大なクワガタムシである。大きさは50cmを超えていて、6本の足も見事に再現されていた。世の中に実在しないクワガタムシである。

 現在のところ、加工機の大きさに制限があるため、これ以上大きい物はできないとのことであったが、加工機が大きくなれば対象となる製品も大型化が可能となるであろう。

 

 人物では、等身大の造形物も可能であれば、年齢に応じた分身作製も出来るであろう。臓器も健康の時と病に冒されたときの双方が有れば、手術も容易となる。人型ロボットも、もっと人間に近くなることは間違いない。現在でもコピー商品が氾濫し、水際での防衛にご苦労されていると聞いたことがあるが、3Dプリンターの登場は、オリジナル製品とコピー商品の見分けが着かなくなるのもそう遠い先ではない様である。

 

 現在、特許が制度として機能しているが、データの操作で、本物とは異なる機能を付与することが可能となれば、特許の意味が薄れることはないのであろうか、デザインに置いても、誰にでも可能となれば、つまり組み合わせ技術(ハイブリッド化)が簡単に製品化出来ることを意味する。最も、塗装ロボットにしてもそうであるが、熟練技能者の吹き付け要領をテーチングによってロボットに教え込む。溶接ロボットもしかりである。人工知能によって、独自に学習機能を組み込めば、最短時間で、最高製品を不良品無しに作ることが出来る。

 

 3Dプリンターの誕生過程は生産ロボットとは異なるにしても、ロボットの導入量によって、雇用すべき人材も不要となるデメリットもある。生産に従事する労働者の形態が変わってきているのも事実である。おそらく、3Dプリンターの導入が盛んになれば、付随した問題発生も避けては通れない。もはや手作り、ものづくりを連呼して、地場産業育成として、伝統産業によりどころを求める意味はますます薄れるであろう。なぜなら、情報の広がりは避けられないし、どこでも、いつでも、誰でもが簡単にコピー製品を作れることになるからである。

 

 漆工作業・乾漆技法の興味が意外な世界へ展開したが、未だ、カンや、コツが技法の奥義として生きてきた。反論はあるにしても敢えていわせて貰えば、もはやそのような拘りは捨てるべきで、いかに3Dプリンター技術を導入すべきかが伝統産業を唯一生き延びさせる要(かなめ)となるであろう。