鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界5コリアンダー、スターアニス(2回シリーズその1)

2013年05月24日 00時00分01秒 | 緑陰随想

【コリアンダー】タイ語ではパクチー、中国語では香菜(シャンッァイ)で、日本ではカメムシ草等と呼ばれている。セリ科の植物で、一年草である。最近は国内のデパートやハーブ専門店で売られている。生の葉や茎、根や種子も利用される。また、葉を乾燥したものや、種子を粉末にしたものも市販されている。和名が示すとおり、独特の香りがして、料理には合わないとする方も多く、好き、嫌いがはっきりしている。東南アジアや中国へ行かれた方は日常、食事で接する機会が多い。

 ベトナム料理のフォー(太めのビーフンを使ったスープうどん)や春巻きには欠かせない食材である。タイ料理の辛いスープであるトム・ヤム・クンやタイスキにも風味を与えている。インド料理のカレーには、種をすりつぶしたコリアンダーが入っている。
 
 香りの主成分はピネン、リナロールで、バラや柑橘系の香りであるモノテルペン類である。粉末状にしたものは生の葉のような強い香りはない。その理由は、テルペン(テレピン)類の揮発性による。生の葉はビタミンCが豊富に含まれている。
 栽培は簡単で、家庭菜園でも作られている。花は密生して咲くがなかなかかわいらしい。性能としては、食欲増進と鎮静効果がある。

 自分も初めて食した香菜(ベトナム語ではザウムイ)はあまり好きではなかったが、来日したベトナムの友人がいて、蒲田のベトナム家庭料理店へ何回か通うちに、以前ほどいやではなくなり、今では積極的に食するようになった。ベトナム料理の味付けには魚醤(ナンプラー)が使われるが、この味も好き嫌いが多い。どのような料理にも香菜が入っていて、食材の香辛料は目で見て、においを嗅ぎ、舌で味わうが、舌が一番記憶に残りやすいようである。舌が記憶した味覚は目で見た形や、色彩のように説明できないところがある。

 舌にとっては食する回数であり、うまいと感じたら、再度、感じようとするわがままな存在でもある。時間が作り出す味覚経験の長さ、たとえていうなら、家庭の味、お袋の味のような習慣的な味覚、慣れた味覚であるということも分かった。(次回へ続きます)

スパイスの世界4バジル・オレガノ(3回シリーズその3)

2013年05月23日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 油の酸化は油焼けといわれているが、これは空気中の酸素と油の不飽和脂肪酸とが結合して飽和の脂肪酸へ変化するためで、これを遅らせることにより、酸化を防止するためにスパイスの持つ成分が品質を保持するためと考えられている。酸化した油の状態は徐々に粘度が上昇し、始めはべたべた状態、それからゼリー状になり、いずれは固化する。

 スパイスにこの腐敗防止作用と酸化防止作用があることが古くから、薄々、経験的に分かっていたため、食物の保存に利用してきたのではないかと推測される。

 現在では、この問題をさほど深刻視されていないが、それには真空処理、瓶詰め、缶詰、塩蔵、薫製、干物やフリーズドライ製法等による乾物化、醗酵処理、流通機構の改善、冷蔵・冷凍設備や、抗酸化剤(酸素吸着剤や合成抗酸化剤等)のおかげで、食物の賞味期間を長く保つことが出来ているからである。

 冷蔵や冷凍保存は食物にとってどのような機能かといえば、温度は高いと、食物を構成する分子レベルで物質が活性化し、酸素と結合しやすくなる。つまり酸化が進み、温度が低ければ酸化が押さえられるから食物の保存が長くなるためである。

 現在でも米櫃(こめびつ)には唐辛子を入れて防虫作用をさせる、空気と遮断するためにポリエチレンフィルムやパックを使う。等食物の鮮度や使用状況に応じての工夫がされており、人間が地球上で動植物を食して生存している限り続く、永遠とも言える課題で、決して腐敗や酸化防止の問題が解消し、消滅したわけではない。(このシリーズ最終回です)

スパイスの世界4バジル・オレガノ(3回シリーズその2)

2013年05月22日 00時00分01秒 | 緑陰随想

【オレガノ】バジルとよく似ているオレガノは、トマトとの相性も良く、ほろ苦い味がして、樟脳に似た清涼感がある。別名 花薄荷(はなはっか)。バジルと同じで、ピザやスパゲティなどのイタリア料理や卵料理には欠かせない香辛料である。古い時代からソースなどに利用されており、フランス料理でも多用されている。また、メキシコ料理の代表であるタコスにもオレガノが欠かせない。臭み消し用に使われている。

 ヨーロッパの地中海沿岸地方が原産地で、香りの主成分はカルバクロールの化合物を含有した精油で、特色のある香りがあり、消化を促進するといわれている。ピザソースには必ずといって良いほどオレガノが混入されている。

 スパイスには、食物の腐敗を防止する働きともう一つは酸化防止作用である。腐敗は細菌によって組織が崩壊する場合や、動植物の細胞に血液や養分が送られなくなるため、細胞が死んでいくことによる。腐敗を防止するには、空気中に浮遊する菌類から食物を遮断し、菌が付着しないようにすることで、抗菌作用といっている。抗菌作用は、スパイスが持つ精油といわれる成分が食物の表面を覆うか、発散する芳香性物質によって空気層と食物との間にシールド層を作ることによって、菌類の付着から食物を保護する作用である。

 酸化防止とは、何であるかというと肉や魚に含まれる動物性脂肪や植物性の油で加工したクッキー・ポテトチップやマヨネーズが、時間とともに酸化してうまみが無くなるとともに加工に使った脂肪が徐々に変質することを防止することである。(次回へ続きます)

スパイスの世界4バジル・オレガノ(3回シリーズその1)

2013年05月21日 00時00分01秒 | 緑陰随想
スパイスの世界4バジル・オレガノ(3回シリーズその1)

【バジル、バジリコ】バジルとバジリコは同じスパイスのことをいう。バジルはピザには欠かせない。ちょっと苦めのスパイスである。シソ科の植物で、花が咲く前の葉を乾燥させたもので、甘くて食欲を誘うにおいがする。一年草で、育成も簡単な植物である。イタリア料理はボイルしたトマトや生のトマトが多用されるが、バジルはトマトとの相性がよい。
 最近はホールトマトやカットトマトの缶詰が安く手にはいるようになった。イタリア産のトマトは日本の桃太郎などの甘い品種とは異なり、甘みは少ないが、酸味が強く、シチューやピザソース、スパゲティミートソースに使われている。赤色のトマトと反対色の緑色のバジルとの対比が料理を引き立てるばかりでなく、風味がよいのも特徴である。

 ピザには生の葉をちぎって使うマルガリータが素朴で、イタリア国旗をイメージしており、我が国でも人気の高い食品である。
 バジルはインド原産で、東南アジアでも我が国でも栽培されている。ヒンズー教で神に捧げる植物として利用されている。香りの主成分はリナロールで、鎮静効果がある。主な料理はスパゲティバジルソース和えで、バジルとオリーブオイルとを混ぜ合わせたバジルソースが瓶詰めで市販されている。肉料理や魚料理の各種ソース類、シチュー、スープ、等どのような料理にも使えて重宝する。パセリやオレガノと一緒に利用される。(次回へ続きます)

スパイスの世界3ニンニク(ガーリック)3回シリーズその3

2013年05月20日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 古代エジプト人は農耕民族で、食生活の詳細まではよく分からないが、現在、エジプトの食生活での主食は、エイシという醗酵させない円形のパンである。それと豆類を多く食する。日本の技術援助で、デルタ地帯にあるタンタという場所で米作が行われ、栽培に成功して、今は近隣国へ輸出するまでになっている。しかし、ニンニクによる体力回復効果はさほどなく、科学的に立証されていない。食欲増進が最も影響していると思われる。

 ニンニク臭とは刺激性の強烈なにおいをいうが、生のガーリックは乾燥したものに比べて刺激性の不快臭が強烈である。ガーリックを取りすぎると体臭を発散させる。餃子を食べた翌日は、ニンニク臭が残る。ガーリックはユリ科の多年草で、茎が肥大化した鱗茎を利用する。最近では茎をニンニクの芽と称し、炒め物などに利用している。生のものから粉末にしたもの、スライスして乾燥したもの、塩と混ぜ合わせたものまで各種ある。食欲増進の効果があるといっても、限度があり、多く摂取しすぎると胃もたれや胃炎を起こすので、適量をあらかじめ知って食すべきであろう。

 中華料理や西洋料理に生のニンニクをスライスし、油で炒めると、新芽の部分が先に熱がとおり、果肉部との差があるため早く焦げる。出来るだけ低温で炒め、油に成分が溶け出せば取り出す。スパゲティをゆでるときに少し多めの塩を入れるが、スパゲティをゆでている間にフライパンにオリーブオイルを入れてスライスしたニンニクを炒め、ニンニク片に焦げ色が付く前にゆで汁を入れることによってあっさりしたニンニクソースが出来る。スパゲティがゆであがり、ソースとあえればおいしいニンニクスパゲティが簡単に出来る。
(このシリーズ最終回です)

ササゴイ

2013年05月19日 00時00分05秒 | 画像

ササゴイはサギ科の大型の野鳥です。体長52cmもあります。コウノトリの仲間です夏鳥で、これから見られると思います。写真仲間からは何度か見たことがあると聞きましたが、私が、多摩川で写真に撮れたのは初めてです。しばらくブッシュの中に隠れた後飛び去りました。














スパイスの世界3ニンニク(ガーリック)3回シリーズその2

2013年05月19日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 加齢や過剰な運動によって関節の軟骨部分がすり減り、潤滑油が足りないからと勝手に思い、油ぎれの機械に油を差すように、コラーゲンのような軟骨成分を注射器で注入すれば可能性がないとは言えないが、通常は異質な成分として認知され、拒絶反応を伴い、処置前に比べ、逆に症状を悪化させる場合もある。安易に行うことはまことに無謀であり、大変危険である。効果的といわれる健康食品を服用しても患部へ効果的に成分が移動し、軟骨部分が再生し、潤滑油が元通りの量に戻り、治癒することはない。薬事法に引っかからない宣伝で、効果が立証できないインチキ商品を販売している現状を見逃す訳にはいかない。関係する当局の善処が望まれるところである。
 健康食品と医薬品との明確な区別はどこにあるのか、香辛料を多く摂取することによっては、体調を崩すことはないのであろうか、曖昧な部分があっても、無知の引き起こす、潜んでいる危険性に気がつかない人が多いことに驚く。

 古代エジプトではピラミッド建設のために多くの奴隷が使役され、彼らの疲労回復や食欲増進にガーリックは欠かせなかったようだ。最近の研究では奴隷ではなく公共工事で10万人以上の雇用対策であったとのことであるが、砂塵と気温40度を超える砂漠地帯での労働は過酷であったに違いない。ナイル川に沿っての緑地帯や、下流域にあるデルタ地帯は、ナイル川がもたらす洪水で肥沃な大地が形成されており、多くの野菜が作られている。たぶんガーリックの栽培も行われていたのであろう。
 ガーリックは、辛み付けや肉類特有の臭みを消す効果があり、成分は抗菌作用を持つアリシンである。アリシンはニンニク臭の元である。ビタミンB1の効果を高め、糖質を分解する。タンパク質と合うと分解するため吸収が良くなる。アリナミンという栄養剤があるが成分にアリシンを含むため、摂取すると若干ニンニク臭がする。(次回へ続きます)

スパイスの世界3ニンニク(ガーリック)3回シリーズその1

2013年05月18日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 【ガーリック】健康食品といわれる医薬部外品の宣伝は異常なほど流行っているが、いかにも痛みから解放された、血行が良くなった、気力が戻ってきたなどとはっきりした根拠がないにもかかわらず、信じ込ませるという宣伝の仕方はいかがなものであろうか、○○○省のお墨付きで、服用したことで腰痛や関節の痛みが無くなった、疲労回復に効果があったなどと、女優や男優を使っての宣伝は、どの画面も、小さな字幕で、「個人の感想であり、体質や個人によって差があり、効能を示すものではない」と但し書きがついている。

 中でもニンニクは万能薬として評判が高く、万能薬、万能薬と連呼されれば、聞こえはよいが、いわゆる疲労回復、精力増進、血圧降下にきくとされている。万能薬と呼ばれているものすべてがあらゆる病に効くかというとそうではない。実は小麦粉を練ってセンブリなどの香りを付けて、まことしやかに効能を唱いあげ、宣伝されていた時代があった。

 薬といわれて服用することにより、気分的に良くなったと錯覚する。気分が良くなれば、人体の自然治癒力でも病は治る。病は気からといわれる所以である。風邪などは、抗体を自分の体の中で作るため、しばらく時間がかかるが、安静にし、普通の食事を取っていれば、時間が治癒してくれる。原因がはっきりしないのに、調子が悪いといって、直ぐに市販薬に頼るのはお薦めできない。薬好きの方も多くいることも事実で、薬を多く処方してくれる病院が賑わうのは不思議な話である。どのような薬も医薬用として販売可能になるには、認可がいるし、開発に当たっては多くの知見とデータを重ね合わせ、副作用を克服しなければならない。(次回へ続きます)

スパイスの世界2(カルダモン・ミョウガ)(3回シリーズその3)

2013年05月17日 00時00分01秒 | 緑陰随想

【ミョウガ】文京区区に茗荷谷という場所があるが、古くはミョウガの栽培地であった。
ミョウガについて申し上げることにしたい。ミョウガはどこにでも栽培可能のように思えるが、実は種での実生により育つのではなく、地下茎によって増えるそうだ。出荷量が多い県は高知県、群馬県、秋田県などである。ミョウガはショウガ科の多年草で、丁度ホワイトアスパラガスのように、日に当てないように育てた茎はミョウガタケといって食材になる。通常、花穂という花芽を香辛菜として生のままで使っている。花穂の中には10個ぐらいの花芽が入っている。原産地は東アジアで、我が国では自生種はなく、大陸から持ち込まれたと考えられている。

 歯ごたえのあるシャキシャキとした食感と独特の香りとえぐみがあり、水にさらしてえぐみや泥などを取った後、そばや素麺、冷や奴などの薬味、酢の物や天ぷら、みそ汁の具などに用いられている。福神漬けにも入っている。洒落たところでは、割烹料理店で、刺身飾りにミョウガの花を添えていたところがあった。もちろん食すことが出来る。芳香成分はα-ピネン類である。子供の頃あまりミョウガを食べると物忘れするといわれたが、成分の中に物覚えが悪くなるような物質は入っていない。安心して食されてかまわない。

 お釈迦様の弟子に物覚えが悪い者が居て、自分の名前も直ぐに忘れるため、首から名札(茗荷)をつるしていたことから、物覚えが悪い、茗荷も忘れる、忘れることを茗荷といったとのことである。花は和蘭のようで、透明感があるうす黄色で、写真写りが良いため、花が咲く時期になると写真の素材にしている。(このシリーズ最終回です)