次はエンジンの始動です。2サイクルエンジンの殆どはコイルスターターによって始動します。チェーンブレーキがかかっていることを確認し、電源をオンにします。このタイプにはエアパージといって、シリンダーに燃料を送る手動のポンプがついているので、このポンプを数回押し燃料をくみ上げます。次にチョークを引きシリンダー内の排気口を閉めます。左手でフロントハンドルを握り、右足で本体のリアハンドルを踏み、チェーンソウをしっかり押さえます。
右手でスターターハンドルを持ち、スターターの爪がかみ合うまでロープをゆっくり引いて、抵抗を感じたら一気に強く引きます。数回この動作を繰り返すと、プウーと吹き出るような音とともにエンジンが点火します。直ぐに、チョークを1/2位置に戻し、再度エンジンが始動するまでロープを強く引き続けます。エンジンが始動すると高速回転するので、アイドリング回転にするため、チョーク(チョークを全開にする)を戻します。チェーンブレーキを解除すればチェーンソウは始動準備完了です。
機種によってはチョークの取り扱いが異なる場合もありますが、2サイクルエンジンではチョークを始動時に一杯に引いて、始動音が聞こえたらチョークを戻して、コイルスターターを何度か引くことによって始動します。この操作が分かればどの機種でもエンジンが掛かります。高速回転している場合にアイドリング状態にするにはアクセルレバーをちょっと引くことによってアイドリング回転にすることが出来ます。
作業中止や作業終了時には電源をオフにします。再度エンジンを掛ける場合は、電源をオンにし、チョークを一杯に引いたら直ぐに戻し、コイルスターターを数回引けばエンジンが再始動します。
チェーンソウの操作は、作業対象によって、操作の仕方が違います。詳しいことは経験者に聞くか、講習を受けることをお薦めします。刃が回転することによって樹木を切るため、安全に十分注意し、操作になれないとチェーンソウの機能を発揮することが出来ません。キックバックといって刃先を無意識に切断面に当てると跳ね返されて事故を起こすことがあるため、駆動原理をよく知ることが大切です。また、騒音や振動対策、作業終了後のメンテナンスや、チェーンの刃を研ぐこと、燃料の管理など日常の手入れも必要ですので、初めての方は安易に取り扱うことをしない方がよいと思います。