鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

刈払い機の取り扱い(4回シリーズその4)

2013年06月23日 00時00分01秒 | マニュアル

5.刈払い作業を行う。
 刈刃は左回転をするため、刃先先端左側1/3の部分に対象物を当てて切る。刈刃と接地面との傾斜は5~10度とする。
 灌木を切る場合には刃先先端左側30~45度の位置で切る。右側で切るとキックバック(回転力に対し、切り込むのではなくはじく力を与えることになり機体がとばされる)を起こし危険である。

 刈り幅は右側から切り始め左側へ移動する。これを一サイクルとし、円弧の長さは約1.5mとして、前方へ刈刃幅だけ前進する。この動作(右→左)を繰り返す。決して往復刈り(右→左→右)をしない。また傾斜地では下方に向かって作業をしない。機体の重量でバランスを崩し、滑り落ちることがある。草や灌木が生い茂っていて作業箇所に石や障害物が見えにくい場合は、作業をやめ、鎌やのこぎりで予め障害物を除去する。

 刈払い機で切断可能な灌木は直径8cm以下である。石に刈刃が接触すると刃こぼれを起こし、場合によっては刈刃が割れることがあるので注意が必要である。接触した場合には直ちにエンジンを停止し、刃の回転が止まるのを待って破損箇所を点検する。刃こぼれやひびが入った場合には新しい刈刃と交換する。

 連続作業は30分以内とし、各作業間では5分間の休憩を取る。1日の作業時間は2時間以内とする。1週の作業日数は4日以内、1ヶ月では32時間以内がよい。

6.作業の中断や、終了時には電源スイッチをオフにして、エンジンを止める。刈払い作業が終了すれば後始末をして作業を終える。

 刈払い作業は以上の基本作業をマスターしてから、応用作業にはいる。考慮しなければならない事項は、広範囲に及び、健康管理(レイノー現象)、天候判断、作業環境(アブや蜂刺され)、共同作業、機材の分解修理や定期点検、刈刃の目立て等があり、詳細は割愛するが、常に安全に留意し、事故を起こさない、事故に遭わないことをしっかりと肝に銘じることである。刈払い作業は農業・林業・造園業ばかりでなく、土木作業やグラウンド整備、ボランティア等、個人で行うことも多くなっているため、事前に講習会等に参加し、基礎をしっかり学び、簡単に見えても、安易に操作をしないことが大切である。(このシリーズ最終回です)

刈払い機の取り扱い(4回シリーズその3)

2013年06月22日 00時00分01秒 | マニュアル

【試運転】エンジンの始動
始業点検で機械の点検が終わると次は試運転である。機体を地面に置いて行う場合と腰の高さで行う場合とがある。

1.始動位置を決める。(定置の場合)
 近くに携行燃料があれば3m以上離す。電源スイッチをオンにし、遠心クラッチを装備しているため、スロットルレバーを始動位置にセットする。

2.リコイルスターターでは機体を左手でしっかり押さえ、スターターを右手でロープを引き、スターターの爪がローターに当たれば勢いよく引く。ロープを戻すときはゆっくり戻す。

3.エンジンが掛かればスロットルレバーを最低速の位置に戻し、しばらく暖機運転を行う。

4.全開位置にスロットルレバーをセットし、異常がないか確認し、電源スイッチをオフにして、試運転作業を終える。

【作業方法】
1.保護具(ヘルメット、防護めがね、耳栓、腕カバー、手袋、安全靴等)を装着し、作業服装を整える。

2.エンジンを始動し、機体を緊急離脱ツマミに装着する。

3.作業姿勢は両手でハンドルを握り、バランスを保つ。

4.全開位置にスロットルレバーを動かし、刈刃を回転させる。(次回へ続きます)

刈払い機の取り扱い(4回シリーズその2)

2013年06月21日 00時00分01秒 | マニュアル
【始業点検】
 引火し易いガソリンを燃料にするため、火気の使用は注意する。オイルとの混合作業では、くわえたばこで行うことは厳に慎まなければならない。室内で行う場合には換気を十分に行う。
 どのような作業でも始業点検は欠かせない。刈払い機は回転する刃物であるから、刈刃(ディスク)の割れや刃こぼれ、変形を点検し、取り付け部分の締め付け、回転部分の注油を行う。

1.燃料の混合とタンクへの給油
 無鉛ガソリンとオイルとの混合割合は25:1か50:1が一般的であるので正しく計量して混合燃料を調合する。作業時間との関係で、予備燃料も携帯容器に必要分を調合しておく。オイルには夏季用や冬季用があるので、メーカーの指示に従う。

2.点火ブラグの点検
 プラグに亀裂がある場合には交換し、スパーク部のカーボン付着は除去し、間隙は規定の長さ0.6~0.7mmにシックネスゲージで調整する。

3.クラッチとシューの点検
 クラッチに直結するパイプをはずし、動力伝動部の摩耗やガタを見る。シューは摩耗していれば交換する。防震ゴムの劣化も調べる。元の通りに取り付け、締め付けを行う。

4.リコイルスターターの点検
 リコイルスターターの汚れの除去、ロープの損傷等の有無を点検する。

5.マフラー・フィンの点検
 汚れの除去と損傷の有無を点検する。シリンダー冷却用フィンには汚れが付きやすいため、汚れは念入りに除去する。

6.飛散防護カバーの取り付け
 刈った草や蔓などが絡みやすいため、取り外して使っている場合が多くあり、小石などの飛散は大変危険であるため、必ず防護カバーを取り付ける。

7.緊急離脱ツマミの点検
 作業者が転倒したときに機体を身体から離すツマミであるので、その機能を点検する。(次回へ続きます)

刈払い機の取り扱い(4回シリーズその1)

2013年06月20日 00時00分01秒 | マニュアル

 刈払い機(苅払機)とはガソリンとオイルの混合燃料を使い2ストロークのエンジン動力を用い、草や小径木を刈る動力機械である。草刈り機とも呼んでいるが、エンジンの排気量によって通常25cc~40ccのものを刈払い機、25cc以下を草刈り機と呼び、区別している。

 この時期、雑草が繁茂するため、草刈り作業をこの機械を使って行われているが、取り扱いを誤ると事故を起こし、怪我をすることがあり、注意を怠ることなく、安全な作業を行わなければならない。過疎地域における高齢者や初心者が仕方なく刈払い作業を行うことなどの事故が起こりやすい状況もあるが、事故を未然に防ぐには、以前も述べたように、労働災害の経験則であるハインリッヒの法則があり、1つの重大事故や災害を起こす前には、29の軽微な事故や災害があり、300のヒヤリ、ハットする予兆が必ずある。その割合は1:29:300で、1:29:300の法則ともいう。ヒヤリやハットすることがあれば、その原因を調べ、機械の取り扱いについては自己流を改め、重大事故を引き起こさないように、正しい安全作業を試みる。安全指導を行っている多くの団体があるので、初心者は講習に参加することをお薦めしたい。

 単独で作業する場合には、他者へ被害が及ぶことはないが、だからといって自分が傷つけば痛い思いをするのは自分である。複数で作業を行う場合や、作業者の家族等が作業範囲(約直径15m以内)へは近づかないことが大切である。家族等が作業者に声を掛けても耳栓をしているため、作業者には聞こえない。連絡等の手段を事前に決めておくと良い。現場ではホイッスルを鳴らすこともある。(次回へ続きます)

スパイスの世界14オニオン・エシャロット

2013年06月19日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 【オニオン】説明するまでもないが、オニオンは和名タマネギ。オニオンは有史以前から栽培されており、最も古いスパイスといえる。原産地は中央アジアといわれ、ヨーロッパへ伝えられた。我が国では北海道が産地である。香辛料には乾燥した粉末あるいは顆粒状のものを使う。卵料理、挽肉料理、ドレッシング、各種ソース、サラダ、ピラフ等と利用範囲が広く、刺激性のある甘い香りと催涙性の辛みを持っている。ユリ科の植物で1年草である。

 玉ねぎの辛味と刺激臭を味わいたいときは、すりおろしやみじん切りにすればよく、匂いを消したいときは、充分に加熱して、酵素の働きを止めればよい。主成分である硫化アリル(アリルプロピオン)は加熱により、甘みの強いプロピルメルカプタンに変わり、油で茶色になるまでいためると、甘みだけで辛みは全く感じられなくなる。生のタマネギは収穫後、そのまま軒先につるし、乾燥させると表面の鱗茎が保護膜となり、内部まで乾燥が進まずに長期間、鮮度を保つために利用できる。包丁で刻むと空気に触れてタマネギに含まれる催涙性で揮発性物質(硫化アリル)が発散する。

微塵に切るためには冷蔵庫等で冷やし、出来るだけ手早く処理するようにする。水に長時間さらすとビタミン類やうまみの成分が水に溶けでる(硫化アリルは不水溶性のため溶けでない)ため、短時間でよい。
 犬や猫が食するとタマネギ中毒を起こす。これは硫化アリルが血液中の赤血球を壊すからである。特にハンバーグなどタマネギのみじん切りの入った食材は与えないようにしたい。

 【エシャロット】中東原産で、フランス料理に使われるユリ科の多年草植物である(ネギ科に分類されることもある)。英語ではシャロット。ガーリックやオニオンと同じような刺激臭(硫化アリル)がある。生のまま利用されることが多い。西洋らっきょうという名前や、らっきょうをエシャレット(まだエシャロットのなじみがないときに、らっきょうをフランス風に洒落て、エシャレットと名付けたようである)、と呼んだりする混同が見られる。らっきょうといえば、酢漬けの小振りなものがカレーライスの付け出しに出されることがあり、福神漬けとともに定番となっている。シャキシャキ感と酸っぱさ、らっきょうのにおいはカレーの複雑な香りを相殺する効果がある。

 強い香辛料には異なる香辛料との相殺効果で、まろやかさに変わり、更に香辛料の再刺激を再現できるのであろう。丁度、寿司の品替えのときに酢漬けのショウガを口にするが、これと同じ効果があると思われる。

3G散歩(2)日光、黒羽、那須 その5

2013年06月18日 00時00分01秒 | 旅行

(4)殺生石
 まだ時間があるので、予定外の那須湯本まで足を延ばすことにする。雲巌寺から約1時間で那須湯本に着く。東北道を境に東は田園地帯、西は山地の感じがする。車窓から見える那須岳も良く晴れている。山に近づくにつれ雑木林の新緑が美しい。我々はカーナビに方向を教えてもらいながらの旅であるが、芭蕉たちはこの広い山地を彷徨するように歩いたことだろう。時間的にも、体力的にも精神的にも大変だったろうと思うことしきりである。
芭蕉は道中、館代から馬に乗せてもらった馬子の求めに答えて

   野を横に馬引き向けよほととぎす

と詠んでいる。

 那須湯本温泉神社の奥にある殺生石は玉藻の前、実は金毛九尾の狐のなれの果てとして知られている。謡曲「殺生石」は、昔、鳥羽院に仕えた玉藻の前が天子を病気にしたが、化生のものであると見破られ、那須まで逃げてきてここで殺されその執心が石になり多年人を殺めてきたが、旅の僧の供養により悪事をしないと約束して消える、という話である。硫黄の臭いがたちこめる石のごろごろした河原の奥に大きな岩があるのが殺生石である。「おくのほそ道」には所収されていないが、そこに芭蕉の次の句碑があった。

  石の香や夏草赤く露あつし

 良い天気で帰るのが勿体ないようだったが、車の混まないうちにと一路、帰宅。登戸駅に16時半に着いた。M君運転ありがとう。楽しい旅行だった。(このシリーズ最終回です)





3G散歩(2)日光、黒羽、那須 その4

2013年06月17日 00時00分01秒 | 旅行

 芭蕉たちはこの黒羽で14日間の長逗留をしている。黒羽藩城代家老、浄坊(法)寺桃雪とその弟桃翠が温かくもてなしてくれたことと、雨が多かったことによると考えられる。その浄法寺桃雪宅跡はすぐ近くにあり、「おくのほそ道」には入っていないがこの地で芭蕉が詠んだ句の句碑がある。

   田や麦や中にも夏のほととぎす
   山も庭に動きいるゝや夏座敷


黒羽にはこの他、多くの句碑があるらしい。修験光明寺跡には、役行者の高足駄に旅の無事を願って詠んだ次の句碑があるという。

  夏山に足駄を拝む首途(かどで)哉

今日の旅は、芭蕉たちが歩いた時期とほぼ同じで、今朝もホトトギスが鳴いていたし、麦も熟れていた。「夏座敷」の句は桃雪宅に来た挨拶句である。宅の跡は植木が植えられ、紫色の石楠花が咲いていた。

 雲巌寺(大田原市雲岩寺27、0287-57-0105)はさらに丘陵地帯を東にしばらく進んだ山中にある。バス便もあるようだが車なしではとても不便な所だ。芭蕉は「雲巌寺に杖を曳けば、人々友にいざなひ、若き人おほく道のほど打ちさはぎて、おぼえず彼の梺に到る」と書いているが、とてもそんな簡単な距離とは思えない。昔の人の健脚ぶりがよくわかる。我々は11時にここに着いた。ここは芭蕉の禅の師、仏頂和尚が庵を結んだ所である。山門の下には赤い橋がかかった川があり、一見して幽玄な風情を醸している。山の斜面に建てられた臨済宗の古刹は観光の寺ではないと書かれており、清潔、静寂に包まれ好ましい。芭蕉はここで

   木啄も庵はやぶらず夏木立

と詠んでおり、句碑がある。仏頂和尚への敬意が感じられる。(次回へ続きます)







3G散歩(2)日光、黒羽、那須 その3

2013年06月16日 00時00分01秒 | 旅行
3G散歩(2)日光、黒羽、那須 その3

(3)黒羽
 5月31日。金曜日。今日は雲一つない快晴である。4時半、土手に棲むキジの「ケーン、ケーン」と鳴く鋭い声で目が覚める。サッと朝風呂を浴びて、朝食の後、8時過ぎにホテルを出る。
那須神社(金丸八幡宮、大田原市南金丸1628、0287-22-3281)はそこから車で15分ばかりの所だ。ここは4世紀の仁徳天皇時代の創建とされ、延暦年間(782-806)に坂上田村麻呂が東征に来た折、宇佐八幡宮の分霊を勧請し、金丸八幡宮としたという。おくのほそ道に「与一扇の的を射し時、「別しては我国氏神正八まん」とちかひしも此神社にて侍と聞けば、感應しきりに覚えられる」とある。長い参道を持つ神社は成程、立派である。少し剥落しているが美しい色彩で飾られた門構えも堂々としていて、片田舎の神社とは思えない。。参道の石橋には濡れた苔ですべらないよう筵が敷きつめられていた。人気のない静かな神社は雰囲気があった。

 そこから車で20分ほどのところにある「黒羽芭蕉の舘」と浄法寺桃雪邸跡に行く。ここはかつての黒羽城の敷地で、那須神社から東に向かって行き、那珂川を越えた高台になっている所で、現在は城址公園に隣接する。芭蕉の舘(大田原市前田980-1、0287-54-4151)の前庭には馬に乗る芭蕉と歩く曽良の像、および曽良が詠んだ

   かさねとは八重撫子の名成るべし

という句を含む「おくのほそ道」の文学碑がある。芭蕉たちが那須野に入って農夫から馬を借りたときに、馬の後を追って走ってきた子供が二人いて、ひとりは「かさね」というやさしい名の少女だったため、曽良が一句詠んだのである。館内にはとりたててこれというものは無いが、芭蕉たちの足跡がパネル展示されている。また、部屋続きで黒羽藩主大関家伝来の甲冑、刀剣などの資料展示もある。(次回へ続きます)