鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

新制学校体系(イメージ)(7回シリーズその2)

2015年01月24日 00時00分01秒 | 提言

 単純に就職率の向上だけを考えれば、強制的に企業の採用条件を下げさせることや、採用する企業の条件にマッチした教育を行えばよい。そう単純ではないのは、企業の体質が変わり、即戦力になる人材を採用する傾向が一段と強くなっているからである。従来は、無垢の新入社員を採用後、企業独自の教育訓練をOJT,OFF-JTを通じて使える社員に育ててきた。それが採算性や指導者不足等の環境変化で十分に機能しなくなったことによる影響が強くなったといえる。

 グローバル化の影響も無視できない。国内の生産部門は海外への移転によって、空洞化している。現地で活躍する人材の必要性は大企業ばかりではなく中小企業にも及んでいて、販路拡大や、現地の従業員の管理など、海外要員の採用は必然である。異文化の中で実力が試され、世界を相手の業務は単なる事業内訓練だけでは限界がある。前例がないパイオニア的要素が強くなり、指導者がいないという状態が続いていることにも関係している。残念ではあるが、海外勤務指向の若者が減っていることはどのように対処すればよいのか、力及ばず、即効可能なアイディアは持ち合わせていない。

 企業に従業員の育成・指導体制がなければ、採用者の条件は即戦力になる人材ということになり、企業経験のない学卒は就職できないか出来辛いことを意味する。人材登録会社からの派遣労働でその場を凌ぐ現象が起きている。場合によっては派遣労働者の繰り返し延長を行っている。新規採用しても企業は解雇による労働争議のリスクを回避する目的で、非正規とする方法を取るため、正規社員を敬遠する傾向が強くなる。従って、就職時点までに、即戦力に近い人材の育成を行わなければ就職率の低下と正規社員の割合が低下することに歯止めはかからない。

 即戦力といっても、生産工場は徹底した合理化と無人化、情報機器の導入、センサーやロボットによる自動化が進み、人材は一人で何役もこなす高度な熟練者や技術者、企業戦略に必要な情報ハード・ソフトを操作し、総合的な管理業務までもできる万能人材と自動化設備から除外された業務処理をアルバイト的な業務をこなすパート従業員の二極分化が進行していて、学卒にはどちらもふさわしい環境にはなっていない。従来は単純業務を処理から始め、ジョブローテーションによって時間をかけて一人前になっていたが、もはや期待することは出来ず、その余裕は企業にはないといえる。

  果たして、就職に際し、どこまで、必要な上記のような能力を獲得できているのか、採用試験や面接で、様々な対策をいわれているが、現在の大多数の学生等が受ける高校から7年間の教育期間を経て、これらの条件を具備できる人材は数が限られている。(次回へ続きます)


新制学校体系(イメージ)(7回シリーズその1)

2015年01月23日 00時00分01秒 | 提言

 制度のイメージを考えたが、試行の過程で再度検討することを前提としたい。現在の実施体制の問題点を明らかにしてから、改善を含め検討しなければならないが、それを行うには全国レベルの詳細な調査を実施しなければならないのでそれを待っていたのでは時間がかかりすぎる。並行して行うことを要請したい。 現状把握の不十分さは否めないが、先ずは、顕著になってきた現状とその背景を見た後で、全体の概要を考えてみたい。

 学卒の就職状況であるが、年々就職率が下がってきていて、就職しても2割は非正規社員である。学校教育での仕上がり像が就職に役立っていない状況にある。就職率を上げることを最重点とする視点に引き戻すべきである。少子化の現状では何れ、就職率は高まるが、学校間の統合や、対象者の減少により、教育事業が縮小し、撤退があるために、就職率はさほど変化しないと見ることができる。その理由は企業の採用条件にマッチした学卒の排出が現状から大きく変化しないと見込まれるからである。

 そこで新学校制度を早い機会に試行的に導入しては如何であろうか。現在の在籍者が大学を卒業する7年後の時点にターゲットを起きたいところであり、世論の賛同を得て、制度が順調に移行できる環境整備に3年は見ておきたい。

 現状を継続し、維持している間には様々な弊害が表出することが予想され、それなりの対応が成されると考えられるが、100年以上続いた制度を短時間の内に覆すのも無理難題の部類に属する。教育環境は法律(教育基本法・学校教育法)等で規制され、容易には改正できない。改正となっても、通達や要領での小手先の改善指示を出す程度であろう。しかし、手をこまねいていても何も変わらず、就職率はますます低下し、定着率も悪くなる傾向が続く。何らかの手当で済むのであれば汗をかく必要はないが、既に良案は出尽くした感がある。

 現時点で、文部行政と厚生労働省の能力開発行政とが一体となる可能性は低いが、両者を解体して、新たに新組織を作ることを究極は考えても良いと思うが現実的には、文部行政が、厚生労働省の能力開発行政の養成訓練部門を吸収する方向に行くのが、実現可能性が高いと考えられる。(次回へ続きます)


お年玉

2015年01月22日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 お正月のお祝いに欠かせないのがお年玉である。両親や祖父・祖母、親戚の叔父や伯母から子供や孫に送るが、少子化の影響や、核家族化によって、事情は変わる。都市部で生活している家族が実家へ帰省することで、一時的な再会は嘗ての大家族化の時代を彷彿させる。

 子供にとっては現金が入る臨時収入で、毎年のこととなると「捕らぬ狸の皮算用」の計算も働く。個人では管理が出来ない金額となれば親の懐も暖まるが、小遣い帳を付けさせる機会でもあり、お金の使い方を学ばせる大切な契機でもある。自分が子供の頃は、親戚周りをしたものである。幸い都内に叔父や伯母が健在であったため、顔を出しに行ったものだが、最近は少子化の影響もあり、兄弟も少なく、親戚の数も少なくなった。

 従兄弟同士の付き合いは、親が死亡すると徐々に行き来が少なくなり、疎遠となる。これも時代の変化であるが、親戚が少なくなり、孫も正月の休みの間行くところもなく、淋しい正月を過ごすことを思うと可哀想になる。ついついお年玉の金額をはずむことになる。

 最近は物いりが多くなった。お年玉、誕生日祝い、七五三、ピアノやバレーの発表会、武道の昇段試験等合格祝い、入学卒業祝い、クリスマスプレゼント等々、数えるといくつもある。子供や孫の成長の証なのだからお目出度いことに使う出費はハレがましい。高齢に伴い、他界する親類も増え、ケの出費は反対に心が重くなる。

 どのようなお年玉の使い方をしたのか思い出せないが、現在のような高額ではなかったことは確かである。社会全体が貧乏であったからかも知れないし、子供の小遣いも少額だったと思う。丁度、孫が何かを頼むとお駄賃をせがむようになってきた。多分、体を動かすことや、お手伝いをすると小遣いがもらえることを知ったようである。

 自らも何か手伝うことはないかといってくる。社会の仕組みが分かるチャンスと思い、片付けや、買い物、犬の散歩等を積極的にお願いすることにしているが、露骨すぎるのもどうかと思うので、暫く様子を見ることにしている。他の人の状況を見て人のために何かを尽くすことは無償の精神の涵養にもなることで、ボランティアの基本である。我が国の欠落した思いやりについて、お年玉を契機に、根付いてくれればと独り言を呟く。


炭素繊維強化プラスチック

2015年01月21日 00時00分01秒 | 紹介

 最近注目を浴びている材料に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)があげられる。既に製品化した商品も多い。その性質は顕著なものがあり、例えば、重量は鉄の4分の1で、鉄の10倍の強度を持つ。カーボンファイバーといえばご存じの方も多いと思う。この性質を活用すれば、金属に変わる素材として期待されるのは至極当然であろう。トヨタ自動車が開発し、市販した燃料電池車にはこの技術が多用されているという。

 炭素繊維を1000度以上に加熱してアクリル樹脂(ポリアクリロニトリル)等で整形した物であるが、釣り竿やゴルフのシャフトに使われて、軽くて丈夫な特性は承知している。構造はダイヤモンドの結晶に近いとされ、引っ張り力が強く、変形しない。難点をあげるとすれば、まだコストが高い、廃品の処理が容易でないことであろう。再利用の方法が見つかっていないため、自然に戻すことが出来ていない。いずれ混入する樹脂を変えることによって改良されることであろう。

 炭素は導電するため、エジソンが発明されたという電球のフィラメントは日本産の竹繊維を用いたことでも知られているが、電極としての利用は乾電池にも使われてきた。カーボン製の釣り竿には電線に触れないことや雷に遭わないことなどの使用上の注意が記載されている。

 ロケットの噴射口の素材にも活用され、ジェット機の機体に使うことも試みられているという。数日前には、船のプロペラにも利用されているとの記事を見た。海水で腐食する従来の銅製プロペラに代わり使用され始めたという。適度な剛性は海水中でプロペラが回転することによって生じるキャビテーションという減速させる現象を低下させる。キャビテーションの発生で独特な音を生じ、潜水艦の発見が容易であった。炭素繊維強化プラスチック製になると殆ど音を発生しないため、潜水艦の発見が難しくなるようだ。また、腐食せず、軽量なため、今後の幅広い分野への活用が期待されている。

 世界的な需要も伸びていて、年間5万トンであり、2020年には14万トンになると予測されている。既に米国からシェールガスの圧力容器の生産に引き合いが出ており、また、市場全体が成長してきており、台湾や、韓国との競合も生まれている。力を伝達し、速度を変えるギアなどに需要が拡がると多くの装置への利用が進み、しばらくは目が離せない素材である。


就職率低迷

2015年01月20日 00時00分01秒 | 提言

 日経新聞朝刊の13版、エコノフォーカスに載った記事である。以下前文の引用である。「大学での勉強が若者の役に立っていない。そんな問題意識が世の中にじわりと拡がっている。大学進学率は5割を超す一方、就職率は低迷している。大卒者が就いた仕事を雇用形態で見ると非正規の割合が2割に達する。政府内では実践的な職業教育をする新しい学校制度を創る動きが出てきた。就職後に職場で役立つ技能や知識を学校でどこまで教えられるのか。課題も多い。(松尾洋平)」

 学校教育と職業能力開発との関係は、既に何度か述べてきたところであるが、両者の接近と離散を繰り返してきた歴史がある。新たな学部の創設や統合等で紆余曲折してきたが、もはや根幹に係わる変革を行われなければならない時期に来たと言えよう。今の学制が時代に合っているとは言えない状況なのである。

 そのことは、情報社会が成熟期に入り、人に代わり、情報機器で高度化した複雑化したシステムが構築され、進化していることである。従来からの学校教育では、情報機器を駆使できる能力付与の限界が見えてきたからで、産業革命以後新たに登場したコンピュータシステムが、雇用を奪い、学校教育から排出された者の受け入れ先とはなっていないからである。コンピュータシステムで、熟練という言葉すら死語に近くなってきている。

 熟練技能は、ティーチングによってロボットに引き継がれ、大量の熟練技能者の代替として見事に高度技能の生産現場で利用されていて、工場ではメンテナンス要員が数名いればよいという状況が普通となっている。よく言われる話として、寝ずに働き、文句も言わない優良社員なのである。農業においての変化も温度管理や液肥管理で近郊農業はハウス栽培が中心となってきた。これも市況の状況に応じた生産調整も可能であり、人手を殆ど必要しなくなった。漁業においても養殖が山中で行われるとなると、今までの漁師は減って行くであろう。

 産業革命で必要であった人材が、情報革命によって駆逐され、人手を必要としなくなった産業界では雇用すべき人材の質が大幅に変わり、既にこの兆候が現れてきている。就職できない人材育成はもはや機能が低下し、陳腐化していると言わざるを得ない。学校教育は、大学を卒業するまでに16年間を要する。ここでの変革は常に後追いで、教員の質まで変えるとなるとその倍の年数が必要となり、この改革を喫緊に行わなければ我が国はもはや先進国の地位を失うことは明白である。


バランス感覚

2015年01月19日 00時00分01秒 | 提言

 阪神大震災から20年を経て、震災の記憶を後世に伝える様々の試みがなされている。震災の教訓はその後の災害に役に立っているのであろうか。震災を契機としたボランティア活動は近隣住民だけでなく、広く全国的な規模で拡大し、NPOを始めとする組織的な活動が現在も続けられてきているという。ボランティア元年とも言われている。多くの死者とけが人を出した惨事に遭遇された方には心から哀悼の誠を伝えたいが、20年を経ると、記憶から薄らいでくるのも事実で、日頃から減災への準備は怠ることなく続けていかなければならない。

 ことさらに被害のマイナス面だけを強調して、不安を引き起こすと思われる体験談は、自然災害がもたらす総てのことを伝えるのでは無しに、一部の強調と捉えてしまうのは、軽率なのであろうか。地震を引き起こすとされる活断層は、最近新たに発見されている。活断層の上にある、既に市街化した地域を他の場所へ移転することは物理的に難しい。多くの研究者を投入しても、観測機器を多数は位置したとしても、突然襲う地震や豪雨災害等は後を絶たない。

 人災の要素は自然災害に遭遇しても簡単に変化するわけではなく、100年に一度、1000年に一度の巨大災害が、想定外として片付けられてしまうのは、携わってきた関係者の逃げ口上と捉えられないこともない。被災地を住宅地としてきた事案は、復興として被災地域を元に戻すことに始終していて、根本対策となってない状況を見ると考えさせられる。

 人知が及ばない自然災害をどのように予知していくかの努力も大切なことで、災害を経験しなかった者が、何度と無く同様な災害が起こる確率が高い地域に、生活の便利さを優先し、定住する傾向にあり、被災地で生活する例が多く見られる。先祖から引き継いだ土地であり、家屋であり、育った環境であれば、口で言う程簡単なことではないであろう。まして薄らいだ記憶は、平穏さが日常となれば、突然の災害を予想する考えが及ばなくなるのも事実である。

 ある程度の覚悟を持って、平素からの避難訓練や、災害対応を準備する心構えが必要であろう。的中率を云々するのではなく、行政任せでは尊い人命を失うことになる。あくまでも情報が機能する環境作りも必要である。バランス感覚が適した表現ではないにしても、人災も最小限にしなければならない。そこには、柵(しがらみ)を解き放す勇気と決断が必要であることは間違いないであろう。


宿河原不動駅

2015年01月18日 00時00分01秒 | 紹介

 聞き慣れない駅名であるが、既に駅はなくなっている。南武線の宿河原駅と久地駅の中間にあった駅である。元々南武線は個人が出資して運営した私鉄であったが、国鉄が誕生したときに国有化された。宿河原は多摩川の採石を京浜工業地帯へ送る路線駅で、同様に、青梅より先の日原あたりで産出する石灰石を製鉄の原料として使っていたので、製鉄所があった川崎臨港部へ輸送するのに使っていた路線あった。最近までは原油やジェット燃料も数十両の貨物車で運んでいたが、最近は殆ど見なくなった。南武線は産業の分野においても重要な路線であったことが分かる。

 標題にした宿河原不動駅は、不動尊を信仰する多くの人々のためにあった駅と聞くが、確かに久地駅に近いところに不動町という一角があり、そこの住民の殆どは不動明王を家屋に安置し、十数軒の宗教集団であった。どの家も同じ作りで、参拝客のための宿泊設備をも備えていたようである。現在では新明国上協協会に集約され、当地に立派な協会が建立されていて、当時の名残が残っていて、現在も活動中である。

 不動尊は、都内でも目白、目黒の駅名や地域が残っており、それぞれには不動明王が祀られていて、不動尊の目の色で目白、目黒と呼んでいた。この他にも、目赤、目黄、目緑等の不動尊があったようである。不動尊・不動明王は、仏の化身といわれ、五大明王の一つで、怒った顔つきで、右手に剣を持ち、左手には縄状の仏具であるケン索を持ち、火炎を背にしている。災害を除き、財産が増える功徳があるとされているため、信仰する人が多い。当時の話では、大阪や三河の商人が訪れていたと聞いていた。

 同級生の中にこの不動町出身者が数名いて、何度か遊び仲間の自宅へ行ったが、母親は巫女をしているようで、子供ながら始めて知る室内の雰囲気に畏敬の念ではないが、畏れ多きところであったと記憶している。現在では不動町という名前も宿河原○丁目となっていて、最近の住居表示に改名されている。久地梅林が近くにあり、久地駅も以前は久地梅林駅と言っていたそうで、宿河原不動駅には梅林に来る見物客や、不動信仰の信者達の宿があったのであろうか。多摩川に沿っているため、鉄道のない時分には、鮎や鰻を遊船で楽しむ河原遊びを行う酔客用の宿があったようであるが、現在ではそれらしき宿は見あたらない。

 下流の高津や二子新地は大山街道の通り道で、大山詣でをする客を相手に遊郭があったようである。その場所には岡本太郎の母親が居たといわれる神社付近にオブジェが飾られている。自宅付近の歴史は時代と共に変わり、忘れ去られる運命に有るが、何かの参考になったであろうか。


成人の日続編その4(4回シリーズ)

2015年01月17日 00時00分01秒 | 提言

4.期待される大人像

 年齢は何もしなくても毎年1歳が加算される。その連続性の中で、20歳に至るまでに大人と子供の明確な区分をすることは所詮無理なことであると思う。なぜならば、子供の時期に社会人として具備しなければならない事柄は余りにも多いからである。先天的に具備している子供はいないわけではなく、潜在的に持っている子供も多い。また、人物側面である勤勉性、意欲、体力、人柄、生活態度、センス、柔軟性などは生まれてからの先天的な要素と家庭環境が関係している。社会人・企業人としての能力的側面は後天的な経験や教育によって培うことが可能である。ロバート・カッツの分析による能力の区分があり、既に何度もこのブログでも取り上げたテクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルである。

 

 テクニカルスキルは、業種によって異なるが、それぞれの分野(業界)における知識、技術、技能のことである。ヒューマンスキルは、業務に関する理解(モチベーション)、職務遂行能力、対人関係、コミュニケーション等で、コンセプチュアルスキルは、一口で言えば、問題解決能力のことである。その具体的アプローチとしては、問題の特定化、原因の究明、クレーム処理、創造力、調整力、折衝能力、長期的見地に立った計画力、洞察力等である。これら三つのスキル(能力)は、経験年数、役職等の地位、年齢、業種によってその割合は異なるが、社会人として、大人として具備していなければならない代表的な事柄であるといえる。(このシリーズ最終回です)