風のBLOG

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『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡回公演 第12週目~最終週

2016-12-22 15:01:18 | トピックス


『ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎』九州・広島巡廻公演、をこれまでの多くの出会いを、自身が向き合ってきたものを12人の劇団員ひとりひとりが胸に持ちながら迎えた、第12週目から最終週。
トップの写真はこの巡廻公演の千秋楽となった学校、鹿児島工業高校の撤去作業の手伝いをしてくれた、バレー部、バドミントン部、バスケ部、そして有志の生徒さん、スタッフを含めた劇団員全員で撮った写真です。


12月13日 (大分県)明豊中学校・高校
12月14日 (長崎県)諫早商業高校
12月15日 (熊本県)玉名女子高校
12月16日 (鹿児島県)出水工業高校
12月19日 (鹿児島県)鹿児島工業高校




明豊中学校・高校


「このジャンヌ・ダルクの鑑賞を通して、君たちが何かを感じて帰ってもらいたいと思います。」
校長先生の生徒さんたちに向けられたこの言葉から、その言葉を受け取った生徒さんたちの拍手で幕を開けた舞台でした。
「これはなんだ?」と言わんばかりに、何かを問いかけているような目で、時々控えめに声をあげて笑ったり、驚きの声をあげたりしながら舞台に向き合っていたように思います。
公演後の座談会はなんと高校2年生の男子生徒さんとの一対一の座談会となり、担当の先生、その前に担当をしていた先生を含め、時間いっぱいじっくりと話すことのできた座談会でした。
「芝居をしたいとかその経験があったわけではなく、せっかくの機会だし希望したら、自分ひとりだけだったので驚きました。何個か事前に用意した質問があったのですが、夢中になってみていたので何を質問したかったのか忘れてしまった。」と舞台の感触と自分が聞きたかったことをその場でつなげながら言葉を伝えてきてくれました。
「舞台をみてどうだったのかな?」という先生の問いに彼は「失敗したら簡単に崩れてしまいそうな繊細なものに思えた。それが綺麗だと感じたし、力強く感じた。」とひとつひとつの言葉を生み出すように答えていました。



その場にいた2人の先生方も生徒さんと一緒になって質問をしてくれ、その座談会を盛り上げ緊張感を解きほぐしているような先生方の姿から、たったひとりでも参加しようとこの場で発言している彼にとってひとつの思い出になるようなものであってほしいと願うものを受けとり、この公演を舞台に向き合う生徒の目線を通して見ていたことを強く感じました。

公演中の生徒さんたちの姿はもちろん、彼らが何をみていたのか、何にであったのか、そして先生方の目線に改めて出会うことの出来た時間でした。




諫早商業高校


この日は九州に来て初めてといっていい程に、冬の空気が感じられる日でした。
その寒さを吹き飛ばす勢いで、目の前の舞台に声を上げながら入場してくる生徒さんたち。
会場に充満する彼らのエネルギーの中に迎え入れられた舞台でした。
リラックスした様子で舞台に向かう生徒さんたちはおもしろいところは大いに声を上げて笑い、驚きの声を上げ、クライマックスにかけてじっと沈黙して食い入るように目を向け、隣同士が互いに見ているところを感じながら、波紋しているかのように鑑賞していたように思います。

公演後には演劇部の皆さんに加わり、生徒会の皆さん、と30人もの生徒さんたちとの座談会が行われました。
聞きたいことをそのままの言葉で質問し、その受け答えには頷きながら関心を持って聞いていたそのみなさんの様子から、公演中のみなさんが自由に何かを自分の中で感じながら見ていたことを改めて実感しました。



座談会後、私たち役者に時間の許す限りひたすらに自身が見たもの、受け取ったもの、そのときの感情、発見を役者の動きを見よう見まねにやってみせながら伝えてくる生徒さんたちの生き生きとした姿に喜びを感じ、エネルギーをもらいました。
劇団のHPの掲示板には座談会に参加したほとんどの生徒さんがひとりひとりのみたものが頭に浮かぶような書き込みをしてくれました。



玉名女子高校
開場の前、「とても楽しみにしています!」と私たち劇団員に一言声をかけてくださった担当の先生。
その担当の先生の挨拶がつなげた客席の拍手から音楽と共に役者が客席の後ろの方から入ってきたときの元気いっぱいの歓声やはじけるような笑い声がとても印象的でした。



公演中の彼女たちの反応は舞台だけではなく客席の空気も互いに感じ合いながら一体となって見ていることを感じものでした。
公演後直ぐに担当の先生と共に教頭先生が楽屋に来てくださいました。
「とてもよかったです。」「泣いている生徒も何人かいましたよ」
とわずかな時間の中で先生方の中に舞台の余韻を感じると共に、生徒さんたちが感じたものを先生から感じられたことがとても嬉しく思いました。
撤去作業を終え、バスに乗り込もうとしているとき、3人の生徒さんが声をかけてきてくれました。



私たちが出で来るのを待っていたようで、「写真、とってください!」「かっこよかったです」「涙がでそうになりました」
とひとりひとりが言葉を伝えてきてくれました。
最後バスが会館を後にしようと出発すると担当の先生教頭先生が大きく手を振って最後の最後まで見送ってくださいました。




出水工業高校
会館での公演が続き、私たちにとっては久しぶりの体育館公演となった出水工業高校での公演。
自分たちが普段、目にしている体育館とは違う空気と、目の前に組まれた舞台装置に声をあげながら入場してくる生徒さんたち。
体育館いっぱいにひびきわたる彼らの声に、私たち自身彼らにとってどんな公演になるのか、本番を楽しみにしていました。
役者が客席から入ってくると、わたちたち役者に声をかけたり、握手をもとめてきたりと、体育館に役者を迎え入れるように盛り上げてくれました。
生徒さんたちはそれぞれが自身の感覚を持ちながら、自分が見たもの、感じたもの、受け取ったものを投げかけるように舞台に向き合っていました。
終演後には部活動の生徒さん、生徒会の生徒さん30人が、撤去作業に手を貸してくれ、それに加えて外でトラックに荷物を積む様子をずっと見ていた生徒さんたちに劇団員が声をかけると「手伝ってもいいですか?」と自ら手を貸してくれる生徒さんたちもいました。





ただ、お手伝いとして居るのではなくそれ以上に劇団員と一緒になって手を貸してくれる彼らの思いが本当に嬉しかったです。
以前から私たちの劇団を知っている校長先生の意向で撤去作業後に限られた時間ではありましたが座談会を行いました。
投げかけられた問い、それをじっと聞く彼らの目線からはひとりひとりが見たものが伝わってくる時間でした。







鹿児島工業高校
9月から始まり、3ヶ月間に及ぶ『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の九州・広島巡回公演の千秋楽。
3階の体育館での公演だったので、前日の舞台装置の体育館への運び入れから始まった公演でした。
担当の先生はずっと風の舞台をみてきた先生で、去年の全く同じ時期に『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を公演した学校の担当もしていた先生であり、私たち自身、先生との再会も楽しみにしていました。
前日、体育館に到着すると野球部の生徒さんたちと先生方が「手伝います!」と迎えてくれました。
野球部の生徒さんに加え、吹奏学部の生徒さん、その他合わせて40人ほどの生徒さんたちが、3階体育館への搬入を自分たちが運んでいる舞台道具に「これは何に使うんですか?」「どうなってるんだろ」と関心を持ちながら一生懸命に手を貸してくれました。



本番は1000人を越える生徒さんたちが体育館いっぱいになった中で開演しました。
1000人が居るとは思えないほどの静けさで、顔をあげてじっとして舞台に目を向ける彼らの集中した様子に、彼らの強い眼差しを役者の全員が感じながら舞台に立っていました。
終演後の撤去作業時にはバレー部、バドミントン部、バスケ部の体育館の部活動の生徒さん、有志の生徒さんが自分の手が空くと「何かできることはありますか?」「これ、自分もやってみたいです!」と私たち劇団員について回るように、関心の目を向け、積極的に手を貸してくれました。








全65ステージ、真夏のような暑さであった9月から始まり、九州とは言えども朝夕は冷たい空気が肌を刺す12月に千秋楽を迎えた『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州・広島秋ツアー。
公演の一日一日、今日出会う客席を劇団員のひとりひとりがひとりの俳優として色濃く感じながら向き合い、一回一回をやりきってきたものであったと思っています。
「心に炎を灯しているすべての人に――」と書き下ろされたマテイ・ヴィスニユックの描く『ジャンヌ・ダルク』、その言葉と共にあり続けた65ステージであったことを語り合っていきたい。そしてまた人に触れ、心に触れ、出会い、繋がっていくことのできる自分自身をしっかり持って来年の一年もまた観客と共にありたいと思います。


ジャンヌ・ダルク役 高階ひかり

『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー最終週

2016-11-19 15:28:44 | トピックス
9/23日からスタートした2016年秋の『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』巡回公演。いよいよ最終週となった今週は、神戸から千葉、新潟を旅しました。

11月14日 兵庫県 神戸国際中学・高校 同校体育館
11月15日 千葉県 千葉英和高校1・3年生 同校講堂
11月16日 新潟県 柏崎高校 柏崎市文化会館アフォーレ



神戸国際中学・高校





風の公演は初めての学校です。
舞台に起こる出来事、登場する人びと、その関係の変化の刻々を、それぞれに受け止めていることが、舞台上からじわじわと感じる公演でした。
客席とともに歩いている、という感覚。
カーテンコールでは生徒会長さんが、「人とつながっていくことの大切さを感じました」また「体育館にこんな大きな舞台ができて、演劇を観るのは初めてだったので、貴重な体験でした」とお礼の言葉をいただきました。
観てくれる生徒たちを思いながら、5時間かけての設営。劇場となった体育館に驚きの声を聞くと、ほんとに嬉しいです。
終演後、準備を進めてくれた鑑賞行事ご担当の先生が「生徒たち一人ひとりがそれぞれに感じ、考えていることが、一緒に観ていて伝わってきた。それが本当に良かった」と言ってくださった感想も大きな喜びでした。

終演後はお昼休みに演劇部の生徒たちとバックステージ。そのまま座談会となりました。

撤去の途中、授業の休み時間に「楽しかった!」と伝えにきてくれたり、トラックを見下ろす教室から「ジミー、がんばって‼︎」「お母さーん!お父さーん!」と、たくさんの生徒が大きな声で一人ひとりを呼びながら手を振ってくれたり、元気な姿に笑顔をいっぱいいただきました。
設営から本番、撤去して帰るまで、様々な交流の可能性が生まれるのが、体育館での公演の楽しさのひとつです。













千葉英和高校1・3年生





千葉英和高校では2011年に『ヘレン・ケラー』を上演しており、5年ぶり、2度目の公演です。
今回は演劇部員の皆さんが、朝の搬入から退出まで丸1日一緒で仕込みと見学をし、座談会も行いました。顧問の先生がせっかくの機会だからと準備してくださり、稽古やのことや、それぞれが演劇をはじめたきっかけなど、たくさんの話もし、特別な時間となりました。

学校のチャペルでの公演。
開演前から生徒たちの元気な声が聞こえてきます。上演中も大きな笑いが起こったり、 集中した沈黙となったり、活気のある応答が、舞台に届きました。
終演後には、楽屋となった家庭科室にいる出演者たちを見つけ、多くの生徒たちが駆け寄ってくれ握手。様々な質問や感想を口にしてくれました。
明るい笑顔とそれぞれの言葉に、2時間を共有したよろこびを感じると共に、若い観客のみんなの弾力ある想像力に、あらためて感心します。

前担当でもある教頭先生は、前回公演とレパートリーシアターKAZE、そして今回と3度の観劇をしてくださいました。「観るたびに新しい発見があって」と帰り際にいただいた言葉は、大切にレパートリー上演をする劇団として嬉しく、誇らしい思いでした。









11月16日 柏崎高校

秋の『ヘレン・ケラー』旅公演、千秋楽の今日は、演劇部の1年生2名と顧問の先生が朝から仕込みの手伝いと見学に来てくれました。
旅公演の舞台は、トラックでの持ち運びと機能的な設営の為の工夫がいっぱい。その仕組みに興味津々な様子で、舞台づくりに参加です。







本番は新しい生徒会メンバーの任命式の後に始まりました。
開演からすっと視線が集まり、無言で多弁なその視線の中に、舞台が刻々と運ばれていきます。536人の生徒たち。劇場に充満していくような、一人ひとりの放つ静かなエネルギーが印象に残ります。
カーテンコールでは花束をいただき、生徒会長さんが「見入ってしまいました」「限界を決めつけないで人と接したい」と話してくれました。

終演後にはバックステージに多くの生徒たちが残りました。
一緒に片付けたい! と申し出てくれた生徒たちは撤去に参加。話したい、という生徒たちとは撤去を見ながら座談会を設けました。
「演劇をはじめたきっかけを教えてください」
今日はいくつかの場面で、この質問を受けました。この人は何を思ってはじめ、いまに至るのだろう、様々な未来を思う彼らにとって興味深い問いなのですね。
座談会終了後も撤去が終わって戻ってきた生徒たちが加わり、退館ぎりぎりまで話が続きました。







『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』2016秋ツアー、2ヶ月の旅が終わりました。
10月中旬にアニー・サリバン役を交代した渋谷愛は、九州で来週から始まる『星の王子さま』ツアーの打ち合わせと生徒たちとのワークショップの為に、一足先に芸術監督と九州入りしています。
千秋楽を終えた『ヘレン・ケラー』のメンバーは、この後それぞれ『ジャンヌ・ダルク』と『星の王子さま』ツアーに合流するなど、年末まで駆け足です。

観客の持つ力ー見、聞き、感じ、記憶を呼び戻し、時を旅し、出会い、考える、その力を信じて、日々の舞台に立ってきました。
若い観客の目は厳しく、優しく舞台に注がれました。
彼らの何を触発し、その目に、耳に、記憶に何を残し得たか、全てを知ることは出来ませんが、観客と舞台の一人が、互いに存在し得た旅であったと実感します。
公演の為に尽力くださった先生方、観てくれた生徒の皆さん、ありがとうございました!

アニー・サリバン役 柴崎美納

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 九州・広島巡回公演 第7週目

2016-11-13 20:32:26 | トピックス
今週は
11月7日(月) 佐賀商業高校
   8日(火) 鞍手竜徳高校
   9日(水) 北九州市教育委員会主催
        市内中学合同鑑賞
   10日(木) 荒尾・岱志高校
   11日(金) 串木野高校
   12日(土) 松陽高校


での公演でした。


佐賀商業高校(同校体育館)

佐賀商業高校での公演は風5回目の公演となりました。
この日の朝、トラックが入る時に、正門の側にいた生徒さんが元気よく挨拶をしてくれました。
体育館にトラックつけるとき、吹奏楽部の生徒さんが練習をしていた姿がとても印象に残っています。
本番中は、700人の生徒さんが静かな眼差しを舞台に向けてくれていました。

公演後のカーテンコールでは、生徒会長さんが「ジャンヌの諦めない心と勇敢な姿から勇気をもらいました」とお礼の言葉と花束をいただきました。
終演後の舞台撤去では、野球部一年生の生徒さんたちがお手伝いしてくれました。
その中になんと去年、星の王子さまを見た生徒さんがいました。
「演劇見るのは初めてでしたけど、映画とは全く違うところが面白かった」と感想を話してくれました。

バスが出るとき、最後まで手を振ってくれてありがとう!










鞍手竜徳高校(ユメニティのおがた)

鞍手竜徳高校は風初めての学校です。担当の先生が、「 三年に一度の芸術鑑賞行事では、ずっと演劇をやりたかったのですが、演劇がやれずにいて、やっと演劇が、風さんの公演が実現できました。」とおっしゃっていました。先生方もこの日の公演に期待をしてくれていました。

この日の公演は近隣の小学生5・6年生が招待されて観劇しました。
宮田北小の小学生が手を振って応援してくれました。
幕間の休憩中、生徒さんたちが舞台の身振りの真似をしていたそうです。

生徒会の生徒さんと、担当の先生が、終演後に楽屋を訪ねてくれました。
「ジャンヌダルク面白かったです」とコメントをいただきました。




北九州市教育委員会主催市内中学校合同公演
(北九州芸術劇場中劇場)

午前の部 5校
富野中 板櫃中 湯川中 篠崎中 八児中


午後の部 4校
志徳中 菅生中 小屋瀬中 石峯中


板櫃中は語り手を演じた柳瀬の母校です。
教育委員会の担当の花田さんは浅川中学校で、以前肝っ玉おっ母をみていて、「風さんの芝居を懐かしく感じました」とおっしゃってました。
開演前には、教育委員会の方が「このジャンヌダルクの公演が、いろんな大切なことをみんなに語りかけてくれるでしょう」とおっしゃってました。
午前・午後とそれぞれに演劇を楽しんでくれていました。




荒尾高校・岱志高校(同校体育館)

仕込みの時に、体育館をのぞきにきた生徒さんが「すごい、期待してた以上にすごい!」と舞台セットのスケールの大きさに驚いていました。

カーテンコールでは、「ジャンヌダルクを楽しみにしていました。1番印象に残ったのはジャンヌの戦う姿です」とお礼の言葉をいただきました。

この日のカーテンコールでは、スタッフを含め、役者ひとりひとりに、ひとつづつ花束をいただきました。
舞台撤去のお手伝いは、荒尾高校の生徒さん、バレー部女子、そして有志の子たちがお手伝いにきてくれました。
何人もの生徒さんたちが、ジャンヌに握手を求める姿が印象に残っています。












串木野高校(同校体育館)

この日の公演は保護者の方も観に来てくれました。
担当の先生の今徳先生は、鹿児島東高校でハムレットを見ています。「風のことは信頼しています。今回の公演を楽しみにしていました!」とおっしゃっていました。

とにかく明るく元気な生徒たちで、バラシの時に役者に握手やサインを求める姿がとても力にあふれていました。
終演後の舞台撤去のお手伝いでは、2年1組の皆さんがお手伝いにきてくれました。
なかには2年1組以外の生徒さんも一緒にきていたようです。
「なんで、あんたが来てるのよー2年1組だけだよー」「いいじゃーん、来たかったんだもん、2年1組だけなんてずるい!」という会話が聞こえてきて、とても微笑ましく感じました。和やかな雰囲気で舞台撤去が進み、感激しました。
本当にありがとう。












松陽高校(同校体育館)
松陽高校は3年前に「Touch〜孤独から愛へ」の公演を見てくれています。再会に胸が膨らみました。
この日の公演は開校記念日に行われた公演でした。
終演後のカーテンコールでは、「シャルル王子の戴冠式で、平和の象徴ユニコーンと共に舞台に立つジャンヌの姿が、印象に残った」とお礼の言葉をいただきました。

松陽高校は、音楽科がある学校で、担当の先生は音楽の先生です。そして、吹奏楽部の生徒さんが舞台撤去のお手伝いをしてくれました。体育館で公演するのは初めて、終演後に会った生徒さんが、「すごかった、楽しかった、頑張って下さい!」と声をかけてくれました。










演劇部座談会
この日の座談会では、19人の生徒さんが参加してくれました。
将来、演劇を続けていきたいという三年生が、何人も参加してくれていました。将来の進路のことや、演劇のやりがいについて、質問がありました。不安を抱えながら、質問を重ね、
その質問の中からまた新しい質問が生まれてくるような、座談会になりました。

今週もたくさんの若い観客との出会いを重ねてきました。
彼らの眼差しはときに厳しく、ときに優しく舞台に注いでくれます。
彼らが演劇を通して、何を見、何を感じようとしているのか、一回一回の公演を全身全霊でやりきっていきます。

ベットフォード公爵役/車 宗洸

『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』西日本・東日本地域巡回公演ツアー5週目

2016-10-29 16:47:53 | トピックス

『ヘレンケラー ひびき合うものたち』のツアーは16ステージを終えて、今週から後半になりました。

クラーク記念国際高校柏キャンパスでの公演で、花束を渡してくれた柏キャンパス、東京大志学園柏分室の生徒さんが花束を渡してくれた写真です。

 

10月24日 埼玉県 熊谷高校 同校体育館

10月25日 福島県 いわき光洋高校 同校体育館

10月27日 福島県 松韻学園福島高校 福島文化センター

10月28日 千葉県 クラーク記念国際高校柏キャンパス さわやかちば県民プラザ

 

熊谷高校

熊谷高校は2009年に「Touch~孤独から愛へ」を上演しましたが、今回は初の体育館での公演になりました。

私たちが舞台の設営をしていると体育館をのぞきに来る生徒さんの姿があり「すごい!」と一言。体育館はそれぞれの学校により大きさや人数が違うので、工夫を重ねながら設営を進めていきます。

開演前、1100人の生徒さん、先生方が体育館に入ると館内はすごいエネルギーに満ち、袖にいる私たちも気合いが入ります。少し寒くなってきた館内が一気に暖まっていきます。

本番が始まると、切り替わったように舞台をじっと見つめていました、その集中力のなかには舞台を見逃さないという力強さを感じます。

カーテンコールでは、はにかみながら「吸い込まれそうだった。今までみたことないとてもきれいな舞台でした!」と素敵なメッセージを送ってくれました。

公演後には、1年生の1クラス、有志の生徒さん、部活の生徒さんが舞台の見学、搬出を手伝ってくれました。

みんな荷物を運びながら話をしたり、笑顔が絶えない時間でした。本当にありがとう!

 

いわき光洋高校

いわき光洋高校は風初の上演になります。今日の上演は昨年の文芸委員3年生のみなさんが後輩たちにヘレン・ケラーを見せたいと話し合い決まりました。

朝、トラックとバスで学校に到着すると文芸委員の生徒さん、ボランティアで参加してくれた生徒さん、演劇部のみなさんが体育館で待っていてくれました。今日の一日を楽しみにしてくれてているんだと伝わってきます。

そして一緒に舞台装置を運んでいきます、ばらばらになった道具に生徒さんは「これなんだろうね」と話しながら参加してくれました。

カーテンコールでは、アニー・サリバン役の柴崎から「みんなの視線で体に穴があくかと思いました、今日見て感じた事、ぜひ大事にしていってください」と生徒さんたちへメッセージが送られました。

そして先生からは、「この作品が卒業した3年生の文芸委員のみんなも一緒につくった作品だよ」とみんなへ、大きな拍手が起こりました。

終演後もみんなで、舞台を見学しました。それぞれの生徒さんが自分が見たいものを見て、触ってみる、その姿を見ている先生方。2時間のなかでなにかが動いているのがわかります。興味を持ち、触れ、驚きを感じる。とても良い時間が出来ました。

 

松韻学園福島高校

福島高校は風初の上演でした。開演前に担当の先生から「ちゃんとした演劇をみんなで見るのはうちの高校では久しぶりなんです。」と少しの不安とこれから観る生徒さんたちへの期待を込めて話してくれました。

公演中はくすっとなる瞬間もあれば、じーっと行われていることを静かに観る、一瞬で雰囲気が変わる時もあり、舞台で行われていることに反応しているのがよくわかる公演でした。よい緊張感で一緒に作ることができたと思います。

公演後、ヘレン役の稲葉とアニー役柴崎がみんなの見送りをしていると積極的に話しかけに来てくれたり、握手をしたりと、とても元気な姿がありました。1人の先生が「私たちの仕事と一緒ですね。2歩進んで1歩下がる、少しづつですね」と話してくれました。日々、生徒さんと過ごすなかで、自らの仕事、想いを感じます。みなさん1人1人にとって素敵な時間となってくれたらうれしいです。

 

クラーク記念国際高校柏キャンパス

クラーク記念国際高校柏キャンパスは風初の上演、ここは劇団員の西垣耕造が演劇ゼミの講師をしている学校です。

この日は柏キャンパスと東京大志学園柏分室のみんなも一緒に観劇しました。

担当の先生から、「みなさんの周りをよく見てください、いつもとは違うのがわかりますか?劇場は壁に囲まれています。日常から遮断されているんです。この時間を集中して過ごしほしいです。この舞台はそこできっと発見があると思います。」と熱いメッセージが贈られました。すると客席の雰囲気が変わったのがわかりました。先生の生徒に対する想いが、良い開演へと導いてくれました。

終演後には演劇ゼミ、幼児教育ゼミ、有志の生徒さんが残り、舞台見学、アニー役柴崎と座談会を行いました。たくさんの生徒さんが残り、思い思いの場所に。会話は公演のことからいろいろな方向へと進んでいきます。舞台に対する興味や、目指していること、自分の環境のこと、自らの悩みなど、きっと普段ではなかなか話しずらいこともこの空間が背中を押してくれる、そんなような時間を過ごすことができました。

パーシー役倉八に舞台のメイクの相談をしているところです。

多くの人たちの想いが1つ1つの公演をつくっていっているを、改めて感じる1週間でした。この出会いを大切にまだまだ頑張っていきたいと思います。

ジェイムス・ケラー役 中村滋

 


東日本巡回公演「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」第9週目

2016-07-26 13:55:00 | トピックス

7月13日  東京都 鷗友学園女子中学校

 
 
舞台を目の前に声を上げながら会場に入ってくる約800人の生徒さんたち。
 
 
 
開演前には校長先生がヘレン・ケラーが描いた詩を見せて下さいました。
 
生徒さんの進行から開演した舞台に、客席にいる生徒さんたちはリラックスした様子で舞台に体を向けていました。
 
 
終演後の座談会には10人程の演劇部の生徒さん、陸上部の生徒さん、そして、高等部の生徒さん2人が集まり、最初は緊張を感じましたが、座談会を終えると、一人一人声をかけにきてくれ、問いや自分が感じたこと、見たものを伝えてくれました。
 
客席で座談会を行ったのですが、彼女たちの目の前で徐々に撤去されていく舞台装置や照明、音響にも関心を持ち、「どうやって運んでき
たのか」「どうやって11tのトラックに全ての舞台装置を詰めたのか」「照明や音響の道具も自分たちで持ってきているのか」とたくさんの質問がどんどん出てきました。
 
トラックの中が見えるところまで生徒さんと一緒にいくと、さっきまで舞台に立っていた役者がトラックに荷物を運んだり詰めたりする作業を見て、「あ!あの人!!」「みなさんで全部やってるんですね」と驚いたり、自分で発見したことを声に出しながらトラックの扉が閉まるまで見ていました。
 
舞台で生徒さんたちが見て、聞いて、受け取ったもの感じられた、彼女たちの声に、表情に出会うことのできた時間でした。
 
 
 
 
 
7月14日 栃木県 佐野日本大学高校
 
 
 
 
高等部1800人、中等部600が学科、コースで分かれた2ステージの公演でした。
 
客席は2ステージとも満席。
生徒さんの進行から生徒代表挨拶、校長先生の言葉、そして、約1200人の盛大な拍手に迎えられ、舞台は幕を開けました。
 
散漫とした客席から徐々に舞台に集中していき、じっとして舞台に目を向け、一人一人が自身の感覚を持ちながら、発見したことを控えめに隣同士顔を合わせて話たりしながら舞台に起こる出来事、人物の行動としっかり向き合い、劇場空間を1200人が一体となって作り上げていっているように思いました。
 
退場時、見送りのためロビーに向かうと、退場してくる生徒さん、また先生方の何人かが駆け寄り、改めて「すばらしかった!」と拍手を贈って下さったり、「楽しんで見ました」「生徒が何かを感じながら集中して舞台に身を乗り出していたことに驚きました」と言葉を伝えてくれました。
 
その一瞬間がとても濃密に感じられた時間でした。
 
皆さんが感じたものが何かまた自分にとって大切なものとの出会いをつなぎとめるものであったら、と思います。
 
 
 
 
 
 
7月21日 青森県 NPO法人 藤崎町文化協会主催公演
 
 
藤崎中学校、明徳中学校の2校合同、藤崎町文化協会の主催で行われた公演でした。
 
2校合同とは思えないほどの一体感で、沈黙しながらも、時々舞台に自身の中の反発や、驚きをひそひそと役者が聞き取れるくらいの声で反応しながら、”見せられてる”のではなく、リラックスした様子で、不自由なく自分の受けとったものを大切にして見ていたように感じた公演でした。
 
 
 
終演後の送り出しで退場してくる生徒さんたちは、役者に驚きながらも控えめに会釈したり、ニコニコしながらチラっとこっちをみたりしていて、公演中の彼らとはまた違った印象で、生徒さんたちがものすごいエネルギーをもって舞台に一生懸命向き合っていたことを改めて実感しました。
 
 
 
その向き合おうとした自分、何かを発見し、感じようとした自分、自身の感覚の中で受け取ったものをいつまでも大切に持ち続けてほしいと願います。
 
 
 
2016年春「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」東日本、京都プレミアムツアーを終え、その中で若い目にさらされ、自分たちが出会ったもの、そして、客席にとって、彼らにとってこの舞台が何であったのかを問い、考え続けたい。また、秋の東日本、西日本ツアー「ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち」、たった一人でもこの舞台に向き合おうとするものがいるのなら、しっかり立って、真剣に向き合いたい、そう強く思います。
 
 
 
 
アニー・サリバン役
高階ひかり

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』西日本ツアー第8週目

2016-07-11 22:56:15 | トピックス
トップ写真は、フェリーから撮った隠岐の島です。

今週は

7月4日 大阪府 住吉中学校 同校講堂

7月6日 島根県 隠岐高校・隠岐水産高校 隠岐島文化会館

7月8日 大阪府 金剛高校 河内長野市立文化会館ラブリーホール

での公演でした。


住吉中学校

公演前日、道幅の関係で11トントラックが学校に近づけないということで、大阪南港フェリーターミナルでのトラック積み替え作業をしました!
炎天下の中、11トントラックから講堂の舞台設営に必要な道具を、3トントラック2台に積み替え、
住吉中学校に向かい、講堂(三階)に搬入!
汗だくになりながら、明日の公演への期待が燃え上がります!





公演当日、学校に到着すると、生徒さんたちが全体朝礼をしていました。その朝礼で、担当の先生が劇団風の紹介をしてくれていました。
仕込の時は、学校の廊下で偶然出会った生徒さんが『楽しみにしてます!本当に楽しみです。頑張って下さい。』と明るい笑顔で声をかけてくれました。

この日の公演は350人の生徒さんが見てくれました。
終演後のカーテンコールで、担当の先生が『ジャンヌが生きた時間、時代も違う、言葉も違う、汚い言葉も使うけど、本当に伝えたいことはなんだったのか考えて下さい。ひとりひとり答えは違うだろう、違くてもいいので探してみて下さい。』と生徒さんにおっしゃっていました。担当の先生の想いが伝わってきました。本当にありがとうございます。

終演後の座談会では、演劇部の生徒さんと有志で集まってくれた生徒さんが参加してくれました。住吉中学校の演劇部は大会でも勝ち進む強豪校だそうです。『自分たちも、風さんみたいにできたらなーと思うんだけど、どーしたらできますか』などなど熱心な質問をしてくれていました。『始まった時から、情景が浮かんでくるような劇でした!』と感想をいただきました。素敵な感性が輝く座談会でした。







座談会後には舞台撤去も演劇部の生徒さんたちが手伝ってくれました!


隠岐高校・隠岐水産高校

境港からフェリーに乗り、隠岐島に向かいました!風の旅公演では、11トントラックとマイクロバスで移動するので、島に行くときは必ずフェリーに乗ります。
天候にも恵まれ、次の日の公演に期待がふくらみます。

ジャンヌダルクのオープニングでは、生徒さんたちが、温かく迎え入れてくれたことが印象的でした。

この日の公演は終演後にバックステージツアーが行われました。いたるところで役者をつかまえて記念撮影が行われていました。元気な様子で、気さくに話しかけてくれて、『島に住んでいると、演劇を見る機会がないので、大変貴重な体験をさせてもらえて、嬉しい!興奮しています。』と感想を話してくれました。







終演後の舞台撤去の時から、トラックに積み込みが終わるまで座談会がありました。トラックに積み込みが終わると、トラックの周りで、サイン会と記念撮影が行われました。僕たちも楽しい時間を過ごせました。ありがとう!






金剛高校

800人近くの生徒さんたちが、ジャンヌダルクの舞台に対して、静かに視線を注ぐ姿が印象的でした。終演後のカーテンコールでは、舞台上に生徒さんが上がって、花束とお礼の言葉をいただきました。和やかな雰囲気が会場全体に広がりました!

終演後には座談会が行われ、そのなかで『他の役者さんにも会いたい!』ということで、舞台撤去後に短い時間ではありましたが、ツアーメンバー全員が生徒さんと交流し、記念撮影をしました。
『役作りについて、質問してもいいですか?』『あの登場人物の場面で、ジャンヌの世界観に引き込まれました。』『とても哀しい気持ちになりました。あの登場人物が大好きです。』などなど具体的な気持ちを伝えてくれました!
このような時間を作れたことは僕たちにとっても貴重な時間になりました。名残惜しそうに帰る生徒さんの姿が心に残りました。








そして、今週は公演とは別に
7月9日 立命館高校ワークショップ
がありました。

立命館高校は先月、6月6日に公演をした学校です。
今回のワークショップは、公演の担当の先生が、秋にある文化祭でクラス劇を行う生徒のみなさんに向けて企画されたものです。
生徒さんたちは3年生全クラス、2年生2クラスの各クラスからの代表3~4人、計30人ほど集まってくれました。
各クラスでオリジナルの台本をつくり、かなり熱心に取り組んでいる様子で、はじめは座談会形式で『ジャンヌ・ダルク』の公演の感想や
演劇をつくる上で大切にしていることなど、多くの質問が飛び交い盛り上がりました。
それだけでは面白くないと、座長の栗山と劇団員、そして生徒のみなさんと一緒に劇団で行っている体操をして体を動かしながら演劇に向かう
きっかけを体験し、はじめは恥ずかしがってはいたものの最後にはそれぞれに楽しんでくれていました。
この日話したこと、経験したことが各クラスでの演劇にさらにはみんなでつくる文化祭に活かされてくれたらと思います。



ワークショップのあとには、ダンス部のみなさんが演舞を披露してくれました。
というのも、彼女たちはダンスの大会で、風も上演している「ヘレン・ケラー」をテーマにしたダンスを発表したということで、
先生方がぜひ風のみなさんに見てほしい。と、わざわざ計画してくれたのです。
加えて、彼女たちは先日京都で行われた風のプレミアム公演の『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』を見に来てくれました。
ダンスは、躍動感と彼女たちひとりひとりの中にあるヘレンへの想いに溢れた素晴らしいものでした。
劇団員皆、驚きと喜びで胸がいっぱいになりました。
とても素敵なプレゼントをありがとう!


ジャンヌダルクの旅もいよいよ最終週を迎えます。
旅で燃え上がった炎を来週の子どもたちにつなげていきます!

ベッドフォード・死体泥棒役/車 宗洸

『ジャンヌ・ダルク〜ジャンヌと炎』 西日本ツアー 第7週目

2016-07-04 22:40:50 | トピックス
今週は上演する学校全てが再会となる公演となりました。

6月27日(月) 福島県 浪江高校津島校/安達文化ホール

  28日(火) 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校高校/同校体育館

  29日(水) 静岡県 組合立御前崎中学校/同校体育館




浪江高校津島校

浪江高校津島校は東日本大震災で被災し、今も仮設校舎で学校生活を送っています。その支援の一つとして、この公演は日本赤十字社福島県支部主催で行われました。

津島校は2014年に『ヘレン・ケラー』、2015年に『ハムレット』、に続く3年連続しての上演です。今年度での休校が決定し、最後の学年となる12人の生徒の皆さんと先生方に贈る公演となりました。









3年間日本赤十字社福島県支部の支援を受け、芸術鑑賞の時間を通じて交流を重ねてきた津島校とも最後の公演となります。担当の先生の話からは「3年間続けて良かった。芝居を観て思考を感化させられる。生徒に貴重な体験をさせられた。」としみじみと語られていました。生徒の皆さんからは、「迫力が凄くて面白かった、観入っていました」といった感想を耳にしました。その時の笑顔がとても印象にのこりました。

まだ復興は続いています。演劇を通じて我々のすべきことをこれからも届けたいとあらためて感じる時間でした。



岐阜大学教育学部附属中学校

附属中では、2014年文化庁の公演で『肝っ玉おっ母とその子供たち』、2015年『ハムレット』に続いて今回で3年連続の上演となりました。そして、演劇の発表会を毎年取り組まれている生徒の皆さんの演劇への興味、関心は驚く程の熱がありました。





開演前の体育館では養護のクラスの生徒の皆さんにバックステージツアーを行い、小道具や衣装に触れてさらに公演への期待が膨らんでいました。

終演後の副校長先生からのご挨拶では、「今、声が出ません。胸がつまって声になりません。俳優の表情、1人1人の語る言葉、照明や、音響、衣装に至るまで観入ってしまった。引き込まれました。」という言葉を頂きました。



座談会にはこの日来ていた演出の浅野とジャンヌ役の白根が参加しました。文化祭の発表に向けて積極的に質問が出ていました。演出の浅野からは、「教わるよりも、自分たちがやろうとすることを大事にしてください」といった言葉がかけられました。



引き込まれたという感覚を舞台上の私たちも受け取りながら共につくることができた公演でした。人間を観て感じていた公演の様に思います。



組合立御前崎中学校

御前崎中学校は2年前の2014年に文化庁の公演で『肝っ玉おっ母とその子供たち』で訪れています。

静かに観入る生徒の皆さんが印象的でしたが、終演後の5時間目に行われた、俳優、スタッフ1人ずつ11クラスに伺う交流の時間では、“とても元気”な印象に変わりました。舞台の仕事や夢についての質問や、ジャンヌ・ダルクの中で好きな台詞は何か、他にもユニークな質問を用意するクラスがありました。その後はほぼ全クラスが体育館に集まり、バックステージツアーが行われました。









かなり盛り上がる生徒の皆さんの姿を見た担当の先生からは喜びの声と、こういう体験をさせたかったと伺いました。また、14年に上演した肝っ玉おっ母を振り返った先生からは、「あまり人と話ができなかった子が、芝居を観てからは日常で人と話ができるようになったんです。演劇の力は想像以上に子どもたちが感じることがある」と力強い言葉を頂きました。


去年、一昨年に上演した3校ともに引き込まれたという言葉が聞かれました。その場で感じることや、また生徒の皆さんと先生方との間に生まれる時間が私たちの喜びでもあります。千秋楽まで2週間となります。ひとつひとつの出会いを大切に、新たな出会いに向かいます。

シャルル7世役 田中悟

向瀬杜子春インド写真展 シャンティニケタン~平和郷の子どもたち

2016-02-28 16:46:47 | トピックス

風の文芸部員であり、アトリエの会の会員、そして芸術監督 浅野佳成の大学時代の同級生の向瀬杜子春氏。

彼がインドのシャンティニケタンで少数民族(サンタル)の子どもたちと出会い、2004年から撮影し続けた記録として、一昨年、レパートリーシアターKAZEで写真展を開催しました。

そのインパクトと、暖かみあふれ優しさを漂わせる写真は好評を博し、各地で写真展が開催され、なんと「2015年 日仏現代国際美術選抜展(主催:サロン・ブラン美術協会)」佳作も受賞されました。

ひき続きインドに赴き、子どもたちの姿を撮り貯めた写真展が、故郷の福井で開催されます。

彼をインドに導いた日本大学芸術学部の同級生・インド音楽家の中村仁氏も馳せ参じて、インド古典音楽の演奏で、子どもたちの表情に彩りを添えます。

お近くの方はぜひ、いえ、各地にお住まいの方々も、福井へお出かけください!

 

 

 


夏の新作『コーカサスの白墨の輪』上演を終えて。

2015-09-22 16:56:01 | トピックス

8月22日~30日、9日間の公演を行った2015年夏の新作『コーカサスの白墨の輪』(ベルトルト・ブレヒト作/江原早哉香 演出)は、連日たくさんのお客様にご来場いただき、盛況のなか千秋楽を迎えることができました。ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

『コーカサスの白墨の輪』は今後も風のレパートリーとして、上演を続けていきたいと考えています。ぜひ次回公演にもご期待ください。

 

そして『コーカサスの白墨の輪』千秋楽の3日後には、同じブレヒトの作品であり、風の代表作である『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに』(ベルトルト・ブレヒト作/浅野佳成 演出)が文化庁“文化芸術による子供の育成事業”による四国地方の巡回公演へと旅立ちました。

四国4県(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)で10公演が行われました。

文化庁“文化芸術による子供の育成事業”による『肝っ玉おっ母とその子供たち―あとから生まれてくる人たちに』。

物語のクライマックス。3人の子供たちを失い、雪のなか一人で幌馬車を引いていく肝っ玉おっ母(辻由美子)。全校児童・生徒が肝っ玉とかけあいでソング「平和の地に」(ブレヒト詩「子供たちの十字軍」)を歌い、舞台に参加します。

体育館に設置された『肝っ玉おっ母とその子供たち』の舞台で、先生方とリハーサルが行われました。

本番当日の午前中。思い思いに舞台の道具や舞台裏を体験する児童さんたち。

全校児童・生徒の参加場面を引き継ぎ、校長先生や先生たちが出演者と一緒に「あとから生まれてくる人たちに」の詩を朗読します。

カーテンコールで。共演した先生たち、子どもたちと。

ブレヒトの新作上演を終えて間もなく、再びブレヒトの作品で各地の子どもたち、想いを持った先生たちと出会う機会は、私たちにとっても貴重な時間となりました。見る、聞く、感じる力を使って共に舞台をつくってくれた児童・生徒のみなさん、すてきな共演をありがとうございました!

みなさんの真剣な眼差しや、人を支えようとする一人一人の勇気を私たちも忘れません。

公演の様子は、各地の新聞やケーブルTVでもたくさん紹介されました。

(「愛媛新聞」に掲載された公演の記事より)。

『コーカサスの白墨の輪』の上演、そして『肝っ玉おっ母とその子供たち』の2週間の巡回公演を終えて、東京演劇集団風は2015年秋の巡回公演へと旅立ちます。旅の様子は随時このBLOGでお伝えしていきます。

今年もたくさんの出会いと発見が生まれることを願って―。いよいよ秋のツアーがスタートします!

2015年秋九州地方を巡演する、『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』

作:松兼功 演出:浅野佳成

出演 ヘレン・ケラー:倉八ほなみ/アニー・サリバン:高階ひかり ほか 2015年9月24日~12月18日

☆12月25日[金]~27日[日]には、レパートリーシアターKAZEで凱旋公演を行います。

 

2015年秋西日本、東日本地域を巡演する、『ハムレット-to be or not to be』

作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:浅野佳成

出演 ハムレット:佐野準/クローディアス:柳瀬太一/ガートルード:柴崎美納 ほか

2015年9月25日~11月6日

 


東京演劇集団風第86回公演 『コーカサスの白墨の輪』

2015-07-31 18:41:52 | トピックス

第86回公演[新作]

コーカサスの白墨の輪 Der kaukasische Kreidekreis


作:ベルトルト・ブレヒト Bertolt Brecht  翻訳:岩淵達治
演出:江原早哉香

作曲:パウル・デッサウ Paul Dessau ©SUHRKAMPVERLAG
音楽制作:八幡茂
舞台美術:高田一郎 
衣裳:ズザンナ・ピョントコフスカ Zuzanna Piątkowska
照明:フランソワ・シャファン François Chaffin〈Théâtre du Menteur〉 
人形美術:エリック・ドゥニオー Eric Deniaud〈Le Collectif Kahraba〉
演出助手:オーレリアン・ズキ Aurélien Zouki〈Le Collectif Kahraba〉
音響:渡辺雄亮
照明オペレーター:坂野貢也
舞台監督:佐田剛久
歌唱指導:八幡光子
舞台監督助手:辻幸男
企画制作:佐藤春江

芸術監督:浅野佳成

【出演】
白根有子/柳瀬太一/栗山友彦
佐野準/柴崎美納/工藤順子/田中悟
田中賢一/白石圭司/佐藤勇太/車宗洸
稲葉礼恵/清水菜穂子/酒井宗親

 

会場:レパートリーシアターKAZE
2015年8月22日[土]~30日[日]
開演:平日 7時/土日 2時[全席自由]
入場料:当日 4000円/前売 3800円/学生 3300円


助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
後援:ドイツ連邦共和国大使館/中野区