12月9日 (月) 吹上高校 同校体育館
12月10日(火) 久留米附設中学校・高校 石橋文化センター
12月11日(水) 島原商業高校 島原文化会館
12月13日(金) 別府溝部学園高校 ビーコンプラザ
9月から始まった『Touch~孤独から愛へ』九州ツアーは師走に入り、第12週目を終えました。
滴る汗を拭っていた長い夏も終わり、秋は一瞬に過ぎて、吐く息は白くなり南国九州にもいよいよ冬の匂いを感じます。
吹上高校
九州ツアー最後の一週間を残しての第12週目の始まりは、3年に一回の芸術鑑賞行事が3年前の「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演から風が続いていて、過去にも風の公演を行っており、今回の『Touch~孤独から愛へ』は吹上高校7回目となるの風の公演でした。
入場時間の前にもう何人かの生徒さんたちは体育館にやってきて、今か今かと言わんばかりに体育館に組まれた舞台に驚きの声と期待の目を向けてくれていました。
280人ほどの全校生徒は舞台上で起こる出来事に反応しながら、自分が向き合いたいものに向かってる様子でした。
公演後は舞台撤去作業のお手伝いに来てくれた生徒会、視聴覚委員、体育館の部活動の生徒さんたちから「舞台に上がって見たい」という声もあり、作業の前に舞台見学を行いました。
そして体育館を覗きにきた生徒さんたちも徐々に増えていき作業を始める頃には全校生徒の3分の1くらいの生徒さんが集まってくれていました。
たくさんの生徒さんたちが劇団員に声をかけてくれ、舞台がバラバラになっていく様や構造にものすごい関心を持ち本当に一緒になって作業をしてくれました。
久留米大学附設中学校・高校
久留米附設中学校・高校は今回の『Touch~孤独から愛へ』が風の公演初でした。
人権学習の一環として行った公演は、中学校1年生から高校2年生までの900人の観劇となりました。
会場は学校近くの会館で客席は生徒さんたちでいっぱいになりました。
公演中の彼らは一つ一つの登場人物の言葉に、思い思いの言葉や態度で返事をしているかのように舞台に向かっていました。
舞台の最後には集中が増していき、客席に熱を感じました。
終演後には担当の先生の呼びかけで何人かの生徒が集まり、舞台見学が行われました。
生徒さんたちは舞台の場面を真似てやって見せたり、「心に突き刺さるものがありました。」と自分自身が感じていることを、舞台に対する答えという形ではなく、今ある自身の中にあるものを大事にしながら伝えてくれているようでした。
その生徒さんたちの和らいだ姿を見ていた、その場にいた先生方はとっても暖かい表情をしていました。
島原商業高校
この学校も2016年の「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」の公演に引き続き、今回の『Touch~孤独から愛へ』の公演で風は7回目となる公演でした。
過去に一度学校の体育館でも公演を行ったことがあるのですが、学校からも徒歩圏内にある島原城の目の前の島原文化会館での観劇会となりました。
「ジャンヌ・ダルク」の公演の時は時間が足りないほど盛り上がった座談会後に、島原城をバックに生徒さんたちと記念写真を撮ったことを昨日のことのように思い出しました。
入場時の生徒さんたちは「楽しみ!」と興奮を声にしながら席に付いていました。
先生方も「楽しみにしてます!」と声をかけてくれ、公演前の客席が盛り上がっているのを感じました。
舞台に向かう生徒さんたちは、笑いたいところは盛大に笑い、最後のシーンでは「どうして?」と問いを投げかけながら泣いている子もいました。
生徒さんが舞台に向かっている姿は、一人一人自分が感じていることが溢れていっているように見えました。
カーテンコール時、生徒会長さんが「最後にお兄ちゃんが自分の感情を爆発させるシーンでは、自分と重なるところもあってとても感動しました。」と目に涙を浮かべながら挨拶をしてくれました。
今回は時間の関係で座談会を行うことはできなかったそうなのですが、公演後の楽屋に生徒会長さんと担当の先生、教頭先生が来てくださり、役者と互いに公演の感想や舞台に向かう生徒さんたちの話をしていました。
別府溝部学園高校
この学校は風初となる公演であり、芸術鑑賞行事自体も創立以来初めてとなる公演でした。
「生徒に見せたい」という熱い思いを持ち続けていた担当の先生の声がやっと繋がった公演でもあり、生徒入場時にはその声が届いたかのように、
期待感に溢れた生徒さんたちは「すごーい!」「本格的だ!」とそれぞれ目に写る組み上がった舞台に反応しながら会場に入って来ました。
本番中の生徒さんたちは最初は少し緊張した様子でじっと舞台に向かっていましたが、徐々にほぐれていき、クスクスと控えめに声をあげていたり、前のめりになって見ている生徒さんたちがほとんどでした。
公演後の舞台見学には30人ほどの生徒さんたちが集まり、登場人物の衣装を身につけたり、小道具を使って役者の身振りを真似て見たり、時間いっぱい自分たちが触れたいものに自由に触れていて、客席の一人一人が何に向かっていたのかがとてもよく伝わってくる時間でした。
舞台見学にはたくさんの先生方も参加していて、生徒さんたちと一緒になって舞台見学をしていました。
最後には、「時間が足りないくらい楽しかったです!」と伝えてきてくださる先生もいました。
初めて出会う人たちがほとんどですが、同じだけの再会も多いのが九州ツアーだと改めて思う、濃い時を巡回してきています。
今の若い人たちが、一生懸命に向かっているものや、これからやりたいことに向かおうとしているのを目の当たりにした時、吐けない言葉や覆い隠したい自分の姿を彼ら自身が打ち明けた時、それは彼らが誰かに聞いて欲しかった声や叫び、希望や願いだったのではないかと思う瞬間が何度も何度もありました。
自分を決めつけられたり、決めつけてしまったりすることと戦いながら、今に耀くこれまで出会って来た人たちの姿を持って、これから出会う人たちを”元気づけて”行きたい、とそう思います。
来週はいよいよ九州ツアーの最終週です。
その後、ちょうどクリスマスに当たりますが、凱旋公演も待っています。
年末年始までノンストップ、気張っていきましょう。
スタッフ/高階ひかり