12月17日(火)【宮崎県】宮崎農業高校 同校体育館
12月18日(水)【鹿児島県】鹿児島城西高校 同校体育館
12月19日(木)【鹿児島県】野田女子高校 同校体育館
あけましておめでとうございます。新年まで持ち越してしまったブログの更新、どうかお許しください。
昨年の日々を忘れさせまいと、出会ってきた生徒たちや先生方、起こった出来事や伝えられた思いや願いの一つ一つの公演が色濃く蘇ります。
さて、時は戻りまして2024年12月中旬、10月15日からスタートした『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演もいよいよ最終週です。
12月17日(火)【宮崎県】宮崎農業高校 同校体育館
農業高校の名門、宮崎農業高校での公演です。さすが農業高校と言わんばかりに校内の敷地が広大で、校門から体育館まで道のりがありました。
これまでにも3回訪れている学校で、今回の『ジャンヌ・ダルク』で4回目となります。12月ですが、宮崎はまだまだ他に比べて暖かく、「宮崎県民にとっては今日は寒い方です。」という担当の先生や校長先生の計らいもあって、生徒たちの寒さ対策は万全。
生徒たちは吸い込まれそうな程の集中力で、舞台の一つ一つの場面に真剣に向かっていました。
カーテンコールでは贈り物として、生徒が手がけた自家製のいちごジャムをたくさんいただきました。
いちごがごろごろ入った贅沢ないちごジャム、甘酸っぱくていちごの風味がしっかりしていてとっても美味しかったです。
撤去作業のお手伝いではみなさん丁寧に道具を運んでくれ、また、たくさん思いやりを持って声をかけてくれました。
演劇部の生徒さんたちの数人が撤去作業後にいくつかの質問を投げかけてくれ、感想も伝えてくれました。
「台詞かないときに舞台上に立っていられるためにはどうしたらいいですか?」「舞台女優になったきっかけは何でしたか?」「親から周りからの反対や、心配はありましたか?」「クセを治すにはどうしたらいいですか?」「自分も舞台に興味があります。今日また諦めないで、頑張ってみようと思いました」と自身の夢も伝えてきてくれ、とても嬉しい交流の時間でした。
宮崎農業高校で育まれたた生徒さんたちのあたたかい心に触れた時間であったように思います。
生徒たちのために公演を繋いで下さった先生方、本当にありがとうございました。
12月18日(水)【鹿児島県】鹿児島城西高校 同校体育館
私事ではございますが、鹿児島城西高校は私、髙階ひかりと、風の新人俳優、亀澤美未の母校です。
そして亀澤にとっては初の凱旋公演となる公演であり、恩師の先生はじめ、先生方が期待していた公演でした。
2階の体育館で、1300人を超える生徒数のため2ステージ。前日の舞台準備がありました。
宮崎での公演を終え、移動して城西高校へ。私も亀澤も風に入団するのに背中を押してくださった先生、そして担当の先生方たちと部活を終えたばかりの空手部とバレー部の生徒や、学校を出る間際の生徒、寮生の子たち、ありとあらゆる生徒たちを先生たちが引き留め、最終的に集まったのは総勢60名。彼らは文句の一つも言うことなく、道具を大切に扱いながら、ヘロヘロであろう体で一生懸命に手を貸してくれました。
舞台道具の運び入れが終わり、生徒たちは解散。舞台の仕込みは危険な作業もあるで基本的には劇団員のみで行うのですが、一番体力を使う、2階への道具の搬入に先生方のご協力のもと、生徒たちも一生懸命に手伝ってくれたおかげで、スムーズに終えることができました。
生徒たちはもちろん寒い中、あったかい飲み物を差し入れながら、舞台仕込みを終え、劇団のバスが学校を出るまでお付き合い頂いた先生方にも感謝です。
当日は朝の放送で校長先生が、卒業生である私と、亀澤の紹介をしてくださいました。元気いっぱいの会場に包まれました。午前の公演も午後の公演も体育館内が生徒でいっぱいとなり、寒さも吹き飛ぶくらいの熱を彼らは放ち、それぞれに疑問や感想、さまざまな感情をぶつけながら舞台に向かっていました。
公演後には「先生、ジャンヌ・ダルクは死んでしまったんですか?」と先生に問いを投げた生徒もいたようで、先生は「歴史上は火刑にあって死んでいるけれど、どうかな?人々の心の中に生き続けてるんじゃないかな?伝説、だからね」と答えたそうです。
舞台撤去作業には300人〜500人の生徒が手伝ってくれ、それはもう今までにないほど圧倒的でした。
校長先生の朝の紹介のおかげさまでどことなく親しみを持って声をかけてくれる生徒たち。
数年ぶりに再開した先生方も生徒たちの様子に喜びを伝えてくださり、私たち劇団員に激励を送ってくださいました。
3年後また、この学舎でお会いできる日が来ますように、心から願っております。
12月19日(木)【鹿児島県】野田女子高校 同校体育館
いよいよ千秋楽。野田女子高校は何度も訪れたことがありますが、いつも決まって千秋楽日になります。
鹿児島でも寒い地域である出水市にある学校。私たち劇団員が客席の寒さを心配していたのですが、担当の先生が「大丈夫ですよ。彼女たちはこの寒さに慣れてますから」と。なるほどと納得するほど、しっかり対策して元気いっぱいに体育館に入ってくる生徒たちは、客席である体育館のフロア面に座るなり、ぎゅうぎゅうになって数人ずつで同じブラケットに足元を包みながら、舞台に向かってくれました。
となりで体を寄せ合いながら友達同士で手を叩いて笑ったり、疑問や驚きを共有しながら舞台で起こる一つ一つの出来事に反応し、舞台を支えてくれました。最後、『ジャンヌ・ダルク裁判』の場面からずっと泣いている生徒、その生徒に寄り添う周りの仲間たちの様子に役者たちも感動させられました。
数年前に「ジャンヌ・ダルク」を野田女子高校で上演した際にも観て覚えていてくださった先生が、何人もいてくださり「よく覚えてます!この舞台、鞄、人形!声!!」と舞台見学者第一号となって、率先して生徒たちも先生たちも巻き込みながら、記念写真を撮ったり、作業の手伝いをしてくださいました。
撤去作業のお手伝いには、一人また一人と増えていき、放課後に他の用事があった生徒も急遽お手伝いの方に参加してくれていたようです。
撤去作業後に声をかけてくれた生徒さんと握手をすると、涙をこぼしながら「ありがとうございました。とても感動しました」と伝えてくれました。
最初から最後までみなさんの生み出す、優しい優しい心や言葉に包まれた時間でした。
また元気な姿で再会できますように、心から祈っています。
まだまだ暑かった10月にスタートした旅は一日一日、一校一校、一人一人と色濃い時間を過ごしている間に、あっという間に千秋楽を迎えてしまったように思います。別れ難い出会いの数々にさみしい気持ちもありますが、また彼らの姿を思い浮かべながら、2025年、今年一年もよりいっそう日々を大切に過ごしたいと思います。
2024年は大変大変お世話になりました。本年もみなさんにとって素敵な一年となりますように。
ジャンヌ・ダルク役/髙階ひかり