5月上旬から走り続けてきた『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』春の旅公演。いよいよ最終週となりました。今回の旅は船に乗る機会がとても多い。週明けはフェリーで九州へ!
7月16日(火)福岡女子商業高等学校(福岡県)同校体育館
7月17日(水)境高等学校(鳥取県)同校体育館
7月18日(木)米子高等学校(鳥取県)米子公会堂
7月19日(金)関西創価高等学校(大阪府)同校講堂
福岡女子商業高等学校
5月上旬から走り続けてきた『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』春の旅公演。いよいよ最終週となりました。今回の旅は船に乗る機会がとても多い。週明けはフェリーで九州へ!
7月16日(火)福岡女子商業高等学校(福岡県)同校体育館
7月17日(水)境高等学校(鳥取県)同校体育館
7月18日(木)米子高等学校(鳥取県)米子公会堂
7月19日(金)関西創価高等学校(大阪府)同校講堂
福岡女子商業高等学校
ジャンヌ・ダルク春のツアーもいよいよ最終週を迎えました。ツアー10週目は、
7月16日 〈宮城県〉仙台白百合学園中学校・高校
17日 〈埼玉県〉大宮武蔵野高校、大宮北特別支援学校埼玉西分校
18日 〈福島県〉四倉高校
での公演を行いました。
仙台白百合学園中学校・高校
仙台白百合学園の公演は学校の中にあるレジナパーチスホールで行われました。
「みなさんの心に感じたものを、素直に表現して」と先生が生徒さんたちに声をかけ、開演。オープニングから凄く元気な反応が飛び交い、驚きや楽しさを声に、表情に出しながら劇を見つめる生徒さんたち。時には客席が一体となり、真剣な眼差しを舞台に注いでくれました。
カーテンコールでは生徒会長さんが「劇って凄いなと感じることができた。それはひとつの演技、演出でも多くの事を考えることができるんだということです。私たちの学校は校章もジャンヌと同じ白百合で、歴史的な人物の中では身近だけれど、今日改めてジャンヌという人や生き方を知ることが出来ました。ジャンヌが信仰を大切にしたように、自分も大切だと思えるものを見つけていきたい」と一言一言しっかりと自分の言葉で感動を伝えてくれました。
公演後には俳優たち全員で退場する生徒さんを見送りました。
大宮武蔵野高校・大宮北特別支援学校埼玉西分校
旅班は宮城県から埼玉県に移動し、翌日は川越市にあるウェスタ川越で大宮武蔵野高校、大宮北特別支援学校埼玉西分校の公演を行いました。
「ジャンヌ・ダルクを知っている人も知らない人もそれでいい、存分に楽しみましょう!」という校長先生のお話から舞台が始まります。一人一人が自分の見方、い方、感じ方で2時間の舞台と向き合っていました。舞台終了後のみなさんの明るい笑顔と拍手が嬉しかったです。
カーテンコールでは素敵なお花と一緒に、埼玉西分校のみなさんがつくった野菜もたくさんいただきました。
公演後は演劇部や有志の生徒さんたちが舞台を見学、その後座談会を行いました。「オープニングでかばんがいろんな物に使われる所から目が釘付けに」「他にどんな公演をしていますか?」「俳優として大切にしている事は?」など公演後のみなさんの声を聞き、お話する事ができて楽しい時間でした。ありがとうございました!
四倉高校
ジャンヌ・ダルク春のツアー最後の公演となったのは、福島県の四倉高校です。公演は学校の体育館で行われました。近隣の富岡支援学校高等部のみなさんも一緒に観劇しました。
本番が始まると、役者たちの登場をびっくりした表情で迎える生徒さんたち。プロローグからすっとジャンヌ・ダルクの世界に吸い込まれていく様子でした。生徒さんから注がれる視線が物語が進むにつれ強くなり、2時間しっかりと舞台を支えてくれました。
公演後の生徒会長さんの言葉には「2時間見るだけと思っていたけれど、演劇というものをしっかり体験させてもらえた。この舞台も人との関わりの中で生まれたと思う。自分もこれからたくさんの人と関わり生きていくと思うけれど、人との出会いを大切にしていきたい」という力強い感想がありました。私たちも、四倉高校のみなさんと舞台を通して出会った時間を大切にします。
公演後は全校生徒さんと舞台上で記念撮影。撤去作業もたくさんの生徒さんが手伝ってくれ、あっという間に元の体育館に。生徒さんたち、先生方に見送られ、旅班は学校を後にしました。
ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎、春のツアー。東日本を巡回した今回の公演でも各地でたくさんの出会いがありました。日々様々なものを吸収しながら、今を精一杯生きているみなさんの心に、ジャンヌ・ダルクの舞台の思い出が刻まれることを願っています。
出会いを与えて頂いた先生方やご担当者のみなさん、そして舞台を支えてくれた生徒さんたち、観客のみなさん、本当にありがとうございました!
ジャンヌ・ダルク役 白根有子
終盤に差し掛かりました『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』の旅公演も、ついに第9週目になりました。
7月7日(日)群馬県富岡市・かぶら文化ホール自主事業公演
7月9日(火)石川県 金沢高等学校
7月11日(木)群馬県 伊勢崎清明高等学校
7月12日(金)東京都 板橋高等学校
7月13日(土)東京都 田園調布学園中等部
今週の公演は、未就学児からお孫さんのいる方々まで幅広い年齢層の客席との出会いの一週間でした。
群馬県富岡市・かぶら文化ホール自主事業公演
第9週目の一日目は風のもう一つの拠点、月夜野演劇工房のある群馬県から始まりました。
群馬県富岡市 かぶら文化ホールの自主事業公演。巡回公演では高校生・中学生が観客として舞台を共につくり上げますが、今回の公演は幅広い年齢層の方々と共につくり上げる新鮮な感覚がありました。
まだ小学生にも満たない子どもたちから、ご高齢の方々まで、演劇を通じて同じ時間を共有し、ひとり一人にとっての特別な空間をつくり上げていく。日常では接点のない同じ時代を生きる私たちが、劇場を介して出会いの場の喜びを感じられる公演だったと思います。
終演後に、主催のかぶら文化ホールの担当の方より「普段は集客数ばかりに目を向けてしまいますが、舞台裏見学をしている皆さんの生き生きした顔を見て、この事業の本当の意義を再確認しました」と感想をいただきました。
石川県 金沢高校
石川県高等学校文化連盟主催で金沢高校の文化鑑賞教室では、約1300名の生徒の皆さんとの出会いでした。
開演前の副校長先生の挨拶で「今回の文化鑑賞で一人ひとりにとっての感性と、教養を学び取ってほしい」という熱い言葉から始まる舞台でした。
本番中は副校長先生の言葉を受け、集中しながらも楽しむことを忘れない元気な客席が印象的でした。
終演後に全校生徒を見送る中で、担当の先生より「3年に1回の文化鑑賞なので、演劇を見せることにとても勇気がいりました。でも見終わった生徒の顔を見てやっぱり演劇にして良かった」という嬉しい感想を伝えてもらいました。
群馬県 伊勢崎清明高校
演劇部顧問の先生の発案により、午前中の仕込みの作業を演劇部の生徒さんが見学することになりました。
作業を見学するだけでなく、通常は終演後に行う舞台裏見学を公演前に行い、これから観劇する舞台の説明を興味深く聞いている姿が印象的でした。
小道具の細かなディテールについて興味を持って質問していた生徒さんのことを顧問の先生に伝えると、今回のこの時間はスタッフの生徒さんのために企画したと聞きました。
「地方に住んでいると本格的な舞台は見れないと思っていたが、自分が見に行った舞台の照明がとても魅力的で衝撃を受けた」と先生に伝えた生徒さんにプロの現場に出会わせたい、自分の感性を大切にしてほしいと考え、管理職の先生に相談したところ、午前中の授業を公欠する了承が取れたとのことです。
芸術は時に人生を変えるほどの衝撃を与えますが、それを自分以外の人に理解してもらうことはとても大変なことだと思います。先生方の見つめる高校生の可能性と未来は、様々な広がりを持ってひびき合っていくのだと感じます。
本番中は写真にもありますが、生徒さんだけでなく先生方や保護者の方々も含めて、客席全体が舞台を楽しもうとワクワクした空気を感じる公演でした。
東京都 板橋高校
風での公演が3回目になる板橋高校は、以前の『ヘレン・ケラー』の公演で、アニー・サリバン役の渋谷が母校の先生との再会を果たしたエピソードのある学校です。
開演前から有り余る元気が舞台袖にヒシヒシと感じられる客席で、俳優が登場すると一階席から二階席まで爆発的な盛り上がりで幕が開けました。
終演後には担当の先生より「授業を教科書通りにただやるだけではなく、彼らを巻き込み、興味関心を引き出しながら授業を行うことが大切なんですね」と私たちも身が引き締まる言葉をもらいました。
東京都 田園調布学園中等部
この週の最後の学校は、なんと風の公演が5回目になる田園調布学園の公演でした。
2年前にも『ジャンヌ・ダルク』の公演でお世話になりましたが、今回の客席はとても活発でとても強い集中力を感じる本番でした。
終演後に行った舞台裏見学も、舞台撤去の作業もひとり一人が積極的に劇団員と話をし、真剣に取り組んでもらいました。
真剣に物事に取り組む姿勢は集中するだけに留まらず、楽しめる自分をも自らが生み出せるのだということを彼女たちから教えてもらったように感じます。中等部の1年生から2年生のみの観劇で、1年生は数カ月前は小学生だったと考えると、演劇を見る力は年齢ではなく、誰もが持ち得るのだと思います。
『ジャンヌ・ダルク』のツアーも終盤に差し掛かり、残すところ一週間になりました。
各地の学校、劇場で様々な出会いや子ども達を見つめる温かいまなざしを感じ、世代を超えて人と人が繋がっていく瞬間に立ち会った第9週のツアー。私事になりますが、実は板橋高校では私の高校の時の担任の先生との再会がありました。
この担任の先生が私が演劇の道に入る一番最初のきっかけを与えてくれた先生です。
卒業式の日に「君たちのこれからの人生は様々な方向に向かっていきます。しかし、人とのつながりだけは絶対に切るな」という言葉が、今になって自分の根底にある大切な言葉だと客席の皆さんから教えてもらったと感じます。
最後の一週間も新たなつながりを求め、東北へ向けて走り出します。
語り手役/白石圭司
へレン・ケラーの旅9週目。今週も島根→大阪→島根→京都→愛知と風は旅を続けます。初めて演劇を観る人達、初めて風の舞台を観る人達との出会いを求めて。また中には予期せぬ再会も…
7月8日(月) 隠岐高校・隠岐水産高校(島根県) 隠岐島文化会館
7月9日(火) 東大谷高校 (大阪府) 国際障害者センター ビッグアイ
7月10日(水) 出雲高校 (島根県) 出雲市民会館
7月11日(木) 山城高校 (京都府) 長岡京記念文化会館
7月12日(金) 星城高校 (愛知県) 刈谷市総合文化センター アイリスホール
隠岐高校・隠岐水産高校
前日7日の準備では隠岐島文化会館館長さんら会館の方々3人のお手伝いが。(終演後の搬出も手伝っていただきました。)ありがとうございました。
舞台と客席の近さは舞台に立っていても感じていましたが、ポンプ近くの男子生徒の方々には身を持って実感してもらうことに…
カーテンコールでは両校を代表してごあいさつと花束をいただきました。
バックステージツアーに参加した生徒の皆さん。ボンプの水を出し、階段を登り、斜めになっている舞台を歩き、斜めの舞台で椅子に腰掛け、割れた皿に手を伸ばし…先生方も生徒の皆さんも、興味深く体験されました。その後アニー役の渋谷と座談会。なぜ演劇の道に進んだのか、役を演じている時はどんな感情・状態なのかといった質問に、渋谷が応えて、そこからお互いの意見交換の場に発展していったようです。
両校共に2008年肝っ玉おっ母とその子供たち、2016年ジャンヌダルクを観劇。他にも風は文化庁公演星の王子さまで知夫島に行ったり、昨年はヘレン・ケラーの島前高校公演と、島前3島合同公演が海士町島前高校であったりで、隠岐との距離感はぐんぐん近くなっているように感じています。
東大谷高校
風の公演は初めての学校です。開演前休憩中は元気な声が響いていたのですが、上演中は舞台に集中している視線を感じました。
場所は国際障害者交流センター、ビッグアイ。その名の通り1,500席の大きな会場ですが、客席にいる生徒の皆さんを近く感じられる。聞けば同校の文化祭はここで実施されている由。同所で数回公演している風以上に東大谷高校の皆さんには馴染みの会場だったんですね。
終演後はヘレン、アニーを中心に出演者がロビーでお見送り。出口に向かう生徒の皆さんの表情が明るく、柔らかでした。勇気を出して握手を求め手を差し出してくれた人達。声をかけて下さった人達。
この日の公演は、2017年中百舌鳥中学校体育館公演を担当の先生方に下見していただいて決まった公演です。下見をされた先生と共に、中百舌鳥中学校でヘレンを観ました、体育館では一番前で、今日は後ろの席だったと女子生徒が話しかけてくれました。
出雲高校
96年星の王子さま、2001年Touch〜孤独から愛へ、2014年ヘレン・ケラーに続く4度目の公演。
放送部の部員の方々が、開演前の劇団紹介やヘレン・ケラーの人物紹介をはじめ、鑑賞会全体の進行を務めてくれました。
カーテンコールでは生徒会長さんが、初めて観る演劇でした、演劇に興味を持てました、また演劇を観たいとメッセージをくれました。
終演後、担当の先生方、演劇部、放送部新聞部、有志の方々とバックステージツアー。ヘレンの旅公演は1996年にスタートしたと話すと、舞台上の食卓に着いていた若い演劇部副顧問の先生は、旅公演と同い年だとおっしゃいました…
その後客席でヘレン役の稲葉を囲み、演劇部を中心に座談会。演劇部は部員4人ながら、9月15日の地区大会を目指し創作劇を準備中。劇団の上演作品、稽古の進め方、スタッフワークに興味を示して、終盤照明スタッフも座談会に参加。
同時に、楽屋ではアニー役の渋谷が新聞部のおよそ40分!取材を受けました。芝居を続けていく中で大切にしているものはなにか、ヘレン・ケラー公演を通じて高校生に伝えたいものは何かといった質問が出され、渋谷が応えていく中で一。部員の皆さんが、今、実際に感じていることを話されたり。顧問の先生が、社会に出て人と出会っていく中で、湧き起こった感情や経験されたことを話されて。生徒の方々と先生、それぞれの人柄が言葉のなかに見えてきて、とても濃密な時間だったそうです。月に一度四面の新聞を発行している彼ら。次号が待たれます。
山城高校
93年のTouch以来2度目の公演です。
2年生3年生が観劇しました。この学校は聴覚障害支援校になっていて、この日の観劇も客席に字幕画面を流すモニターが用意され、劇団員がその操作を担当しました。
今年2月以降バリアフリー公演でも字幕、手話通訳、音声ガイドと共にヘレン・ケラーを観ていただいていますが、過去には、クラスメイトがみんなで模造紙に台本を書き写したり(もう20年近く前!)ということもありました。
3年生9クラスが演劇発表をするそうで、終演後はそのクラス代表の方々達とバックステージ。各クラスの持ち時間は50分だそう。食卓の席に着いて、テーブルの天板が台形だと気付かれた先生が「うちのクラスは「12人の怒れる男達」をやるんです」なるほど。台形の天板は何かヒントになりましたでしょうか?「夢から醒めた夢」を上演するクラスがあったり、9クラスの大競演ですね!
アニー役の渋谷との座談会は時に音響スタッフも加わり、上演に向け、声の大きさや届け方などの具体的な課題が質問として出されたとのこと。私達も体育館公演では天井の高さ、形、広さから、声の響き、残響など注意したりもしますが、まずは一緒に舞台に立っている仲間と芝居を作ること、客席を感じること、客席に届けたい思いを忘れないようにしています。クラス演劇を作り上げる過程で、クラスメイトの知らなかった一面が発見できるでしょうし、知らない自分に出会えるかもしれない。人といる楽しさと難しさと。全てが皆さんの生きる力、心の栄養になりますように。
星城高校
94年のTouch以来2度目の公演です。 2年生3年生の校外学習として観劇が企画されました。午前公演のため前夜、長岡京市から移動後、舞台準備を済ませました。会場は先週もお世話になった会館で、到着時小道具スタンバイ用のテーブルもすでに用意されていました。ステージネームを持つ担当の先生が進行され、開演前は、ドラマを観る喜びを語られ、大いに盛り上げていただきました。それに応えるべく、出を待ちながら、気合いも入れていました。カーテンコールでは代表の生徒の方から、いろいろ考えながら、感じながら観ました。アニーの行動に惹き付けられたと、メッセージと花束をくださいました。希望者の方々とのバックステージツアーは出演者もスタッフも話をしながら、実際に舞台を歩いて、装置や小道具に触って。
舞台の音響に興味がある人達は音響席の周りに集まって音響スタッフと話が盛り上がっている様子。
また道具を見ながら、舞台科のある学校に進みたいと話してくれた人、夢を語ってくれた人。私自身高校生の頃から「ひとすじの道」という表現に惹かれてきましたが、長い人生には曲がり角も分岐点もあります。若い皆さんの夢と希望が叶うことを願っています。
最後に皆さんと舞台上で記念写真を撮りました。でも話し足りない思いもあって、なかなかおしまいにはなりません。続きは是非風の掲示板に書き込んでください。お待ちしています。
連日長い一日を過ごしながらも、あっという間の一週間です。慣れることなく、日々新たな思いで、次の公演に向かっていきます。
文:清水菜穂子(ビニー役)
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』第8週目は
7月2日[火] 福岡県 若松商業高等学校
7月3日[水] 愛知県 光ヶ丘女子高等学校
7月4日[木] 香川県 丸亀城西高等学校
7月5日[金] 愛知県 豊橋西高等学校
での公演です
若松商業高等学校
勝央町の公演を終えて、旅班は北九州市へと向かいました。若松商業高校は昨年度『TOUCH~孤独から愛へ』の上演を行い、これまでも芸術鑑賞行事で風の公演を行っている学校です。
開演前は、生徒さんたちの元気な声が会場中に響いていました。公演が始まっても、客席の色んな所から笑い声が聞こえてきます。ヘレンがいたずらをする瞬間には『あ~!』という声も。舞台上で起こる出来事への反応がとても早く、舞台と客席との掛け合いが心地いいリズムを生み出したように感じました。なによりも生徒さんたちの『その場に共にいる』という感触が舞台上にひしひしと伝わってきました。終演後にはバックステージツアーと座談会を行いました。座談会の様子を見守ってくれていた先生が最後に、『いつか彼らが困難にぶつかったとき、今日の公演のことを思い出して、解決する道を見出だしてくれるんだと思います』と話してくれました。
座談会後に記念撮影。昨年『TOUCH〜孤独から愛へ』を見た2年生、3年生が「覚えてるよ〜!」と嬉しそうに話してくれました。また再会できますように。
光ヶ丘女子高等学校
全校生徒1200名を超える光ヶ丘女子高等学校。各部の活動が盛んに行われている学校で、風の公演は今回が初めてでした。公演には多くの保護者の方も来場し、会場となった刈谷市民総合文化センターはほとんど満席となりました。
芝居が始まり舞台に立つと、客席からの迫力を肌で感じました。真剣な眼差しで舞台を見つめ、集中した空間を作り出してくれる生徒さんたち。弾けるような笑い声でも芝居を盛り上げてくれました。カーテンコールでは、明るい笑顔で大きな大きな拍手を送ってくれて、2階席の後ろの席からも手を振り続けてくれました。終演後にはバックステージツアーと、演劇部のみなさんとヘレン役の稲葉が座談会を行いました。劇団風は、どのように稽古を行っているのか、なぜ演劇の道へ進んだのかという質問が挙がり、稲葉とじっくり話をしていました。
初めて出会ったみなさんとの公演、とても楽しかったです。今夢中になっていること、思いきりやりきってください。
丸亀城西高等学校
昨年度、台風の影響により公演が延期となってしまった丸亀城西高等学校。雨の予報も聞かれるなか、天候にも恵まれて再会の公演となりました。
この日も会場時には、生徒さんたちのエネルギー溢れる姿が見られましたが、ベルがなり会場が暗くなると雰囲気が一変し、ぐっと集中力を高め、最後まで舞台を支え続けてくれました。時おり、クスッと聞こえる笑い声、示してくれる小さな反応を感じ、細かなところまで見逃さずにいてくれていることを実感しました。
終演後は、バックステージツアーと、演劇部のみなさんと座談会を行いました。『ジミー(ヘレンの義理の兄)が自分の存在について苦しみ、アニーが周りの人が無理だと言ってもやり続けようとする姿を見て、自分の過去を思い出し共感しました』『ヘレンが言いたいことを言えない気持ちがよくわかる、自分も昔そうだった。うまく伝えられなくてヘレンのようにワーッとなってしまったこともあったけど、今日公演を見て、ヘレンの家族、お父さんはこんな気持ちだったのかなとわかった気がします』と、自分自身のことを多く語ってくれました。『言葉が魂に響きました。特に人生で幸せを見つけてほしいというアニーのセリフ。前は見つからなかったけど、今、人生を楽しいと思えます』彼らの言葉を聞いて同じ演劇部の仲間も、座談会に参加してくださった先生方も一人ひとりの言葉に驚いたり、優しく見守ってくれていました。私もみなさんの瞳と力強い言葉に心を揺すぶられました。
今日の公演が、みなさんの喜び、勇気、発見へと繋がる小さな力となってくれたらと願います。
豊橋西高等学校
香川県から再び愛知県へとバスを走らせた旅班。豊橋西高等学校では、2000年に『TOUCH~孤独から愛へ』を上演して以来、19年振りの公演となります。私たちも楽しみと緊張が高まります!今回の芸術鑑賞行事は生徒会役員のみなさんが中心となって行われた行事です。作品を選ぶところから始まり、当日の受付や司会進行のすべてを任されています。開会の挨拶のあと芝居が始まると、段々と会場の空気が変化していきました。私たちが驚かされるほど、生徒さんは自分たちの体すべての感覚を発揮して舞台に向き合ってくれました。担当の先生も、生徒さんたちの姿を見てとても喜んでいました。公演後に行ったバックステージでは、待ってました!とばかりにポンプから水を出す生徒さんたち。明るく積極的に話しかけてくれて、短い時間でしたが、とても嬉しかったし、みんなのことしっかりと目と心に焼きつけました。そしてヘレン役の稲葉と座談会へ。その間にも舞台は撤去作業が続いていたのですが、じっとその様子を見つめるひとりの生徒さんを照明の坂野が見つけました。稲葉が声を掛けると、演劇部ではないけれど音響を初めてやるため、どうしたらいいかという思いを持っていることがわかりました。そこでさっそく音響の渡辺を紹介し、色々と話をしていました。勇気を出して話してくれてありがとう。何かあればまたいつでも声をかけてください。私たちが力になれることがあれば、と思います。
5月から始まった春のツアーも、残すところあと2周となりました。演劇のことを、人のことを考えるのは、舞台と本気で向き合っている生徒さん、先生方がいるからだと、今、あらためて感じています。一回の公演を、その日の出会いを大切に、私たちは最後まで旅をつくり続けていきます。
アニー・サリバン役 渋谷愛
2019年春『ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち』西日本・九州ツアーも7週目を迎えました。
今週は6公演と、とても濃密な週となりました。
6月24日(月) 田布施農工高等学校 (山口県) 同校体育館
6月25日(火) 宿毛工業高等学校 (高知県) 同校体育館
今週の「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」は
7月1日(月) 岐阜県 岐阜大学教育学部附属中学校
2日(火) 東京都 筑波大学附属高校
3日(水) 群馬県 中央中等教育学校
4日(木) 福島県 郡山女子大学附属高校
5日(金) 宮城県 仙台三桜高校
での公演でした。
岐阜大学教育学部附属高校
岐阜大学教育学部付属中学校では、去年の「Touch~孤独から愛へ」に続いて6度目の公演です。
この学校は、毎年全クラスが演劇発表を行います。今年も生徒たちの作ったポスターは面白そうなものばかりです。
今年は午前の公演にもかかわらず、元気に入場してくる生徒たち。
本番が始まると、さっきまでの元気が集中力に変わり、ここから何か盗んでやるという意気込みを感じる緊張感でした。
カーテンコールでは、代表の生徒さんから「多くの人たちが支え合ってできていることを感じました。みんなと支え合うということを生かして、自分たちも最高の劇を作りたいと思います。」と演劇発表に向けて大きな意気込みを語ってくれました。
終演後、残念ながら4時限目の授業があるとのことで、バックステージツアーはできませんでしたが、昼休みに、100人くらいの希望者の生徒とジャンヌ役の白根とで座談会が行われました。
座談会では、多くの質問がかわされていました。
出発前には、副校長先生も教頭先生も見送りに来ていただきました。来年もお会いしましょう!
筑波大学附属高校
筑波大学附属高校は風初めての公演です。
今回は校内にある立派な桐蔭会館に舞台を作りました。3年生のみの公演でしたが、客席は生徒達でいっぱい。先生方は上のギャラリーから観劇していました。
本番、自分たちの感覚を研ぎ澄まして、客席から舞台を支えてくれる生徒たちに、負けじと役者も張り切ります。
終演後、役者全員で送り出しと、お手伝いを希望してくれた生徒達とのバックステージツアーを行いました。お手伝いをと希望してくれた生徒達とはせっかくなのでジャンヌ役の白根を囲んでの座談会も行いました。「演劇に触れたのは小学校でオタマジャクシの役をやって以来です。」など思い出を語ってくれた生徒さんもいたみたいで、すごく盛り上がっていました。
その後、下校時刻ぎりぎりまで残ってくれた皆さん。ありがとうございました!
学年主任の先生も「あの子が残るとは思わなかった。卒業を前にして新しい一面が見れてよかったです。」とおっしゃってくれていました。
この公演が、生徒達の何か勇気につながるものであってくれたらと願います。
お手伝いの生徒たちのおかげで、予想していたよりも早い時間で片付けを終えて、群馬県に移動できました。
中央中等教育学校
中央中等教育学校では2013年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来、6年ぶりの公演です。
この学校は中高一貫で、1年生から6年生と珍しいシステムの学校です。
前のほうが1年生、後のほうが6年生と雰囲気も少しずつ違って面白い客席です。
開演前、副校長先生手作りの紙芝居を使ったお話で場を作っていただきました。副校長先生のおっしゃっていた「生徒たちにとってのヒーロー」は見つかったのでしょうか?
本番、が始まると盛大な拍手と共に私たち役者を迎えてくれました。1年生から6年生までいろいろなことをとらえ、返してくれる温かい客席には公演を楽しむことに全力な姿がありました。
カーテンコールでの、代表の生徒さんのあいさつでは、「生ならではの、見ること、聞くこと、感じることの大切さを感じました。」と演劇をその場のものとして捉え感じることの大切さを改めて劇団員一同感じるあいさつをいただきました。代表の生徒さんの言うとおり、何でも簡単に調べ、見ることのできる今だからこそ、客席と向き合って行う演劇の意味を探し続けていきたいと願います。
終演後、送り出しを行いました。そこでは役者に今日の感想を話している生徒さんもいました。
郡山女子大学附属高校
郡山女子大学附属高校では「ハムレット」以来、風3度目の公演です。
この学校では、毎年4回芸術鑑賞の機会を設けています。風の公演では珍しく同じ学園の大学生、短大生を交えての鑑賞会です。
高校、大学、短大とそれぞれ違った元気の良さを見せてくれていた客席も、本番が始まると、違った世代の感性がお互いを刺激し合い、一つの空間を一緒に作ってくれている印象でした。
終演後、役者全員で行った送り出しでは思わぬ再開が!去年、公演した長沼高校で、カーテンコールにあいさつをしてくれた生徒さんがなんと、この学校の大学に来ていました。「実は私、ジャンヌ・ダルク2回目なんです。」と、話しかけてくれてありがとう!
楽屋には担当の先生も顔を出してくださり、白根から色紙を渡しながら今日のことを話していました。
思わぬ再開でまた一つ元気をもらい、次の公演の準備のため宮城県へと向かいます。
仙台三桜高校
仙台三桜高校は2013年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」以来、3度目の公演です。
この学校は毎年、合唱コンクールの中で芸術鑑賞会を行っています。
午前中は合唱コンクールです。みんなそれぞれのクラスが、自由曲に合わせて衣装を考えたりとすごく力の入った合唱の数々でした。
結果を待ちながらの「ジャンヌ・ダルク」の公演です。さっきまでの高揚と共に、真剣なまなざしを舞台にそそいでくれていました。
カーテンコールのあいさつでは、図書委員長さんから「素敵な思い出をありがとうございました!」と言葉をいただきました。午前中から午後まで芸術に触れるこの一日が生徒たちにとって、学校生活の一つの思い出になってくれたこと、とてもうれしく思います。
演劇部の生徒達も合唱コンクールの雛壇を組んだり、仕込替え撤収作業を見学したりと、とても熱心生徒達でした。短い時間でしたが、バックステージツアーやジャンヌ役の白根と話したりと、彼女たちの刺激のなってくれていたらうれしいです。これからも演劇がんばって!
2か月ちょっとのツアーも後2週間をむかえました。新しい出会いそして再会を胸に、私たちは最後まで走り抜けます。
文:シャルル7世役石岡和総