5月1日から始まっていた『肝っ玉おっ母とその子供たち』の東日本巡回ツアーが、5月22日より再開しました。
少し期間を空けての返り初日となりましたが、これから7月19日まで東日本地域をノンストップで駆けめぐります。
太田フレックス高校 (群馬県)
トップ画像は太田フレックス高校の開演前の写真です。
カーテンコールで挨拶をした生徒からは初めて観る演劇の驚きと、学校の体育館が劇場に変わった驚きが混ざり合い、熱のこもった言葉をいただきました。
公演後にバックステージツアー・座談会が行われ、そこに参加していなかった生徒も関心を持って体育館の入り口でその様子を見ていました。劇団員が話しかけると「こんな機会は一生無いかもしれない」と言って体育館の中へ向かっていきました。
我孫子東高校 (千葉県)
今週の二日目は千葉県 我孫子東高校の体育館の公演でした。
元気あふれる活気のある学校で、劇場に変わった体育館に入った瞬間に驚きの声が上がりました。しかし、開演とともに緊張感の張り詰める、集中した眼差しが舞台に向けられ、時に笑い、驚きながらも、矛盾の中でも生きようとする人間のあり様に怒りを覚え、思わず声を出して反応する姿もありました。
写真は公演後に二階の体育館から舞台装置の搬出を手伝ってくれている姿と、演劇部の生徒の座談会の姿です。
大泉高校附属中学校 (東京都)
三日目は東京都の大泉高校附属中学校の公演です。こちらの学校は新しく建設された体育館の“こけら落とし”で芸術鑑賞教室を行いました。
写真は開演前の舞台見学の様子です。
参加した120名の生徒は、これから自分たちの観劇する舞台装置を前に、劇団員の説明を真剣に聞き、質問をしながら舞台への期待を高めていました。
公演後のバックステージツアーには100名を超える生徒の皆さんと保護者の方が参加し、熱の冷めやまない表情で、今、自分たちの出会い、向き合った『肝っ玉』を再確認するように舞台装置や小道具を触っていました。
写真はバックステージツアーの様子です。なぜ皆さんが手を見上げているかは、これから『肝っ玉』に出会う生徒の皆さんのために秘密にしておきます。
真岡北陵高校 (栃木県)
今週、最後の学校は栃木県の真岡北陵高校の第二体育館での公演です。
こちらの学校は昨年、東日本地域を襲った大地震で上演を予定していた真岡市民会館が被災し、一度は中止になった学校でした。しかし、先生方の『肝っ玉おっ母』を生徒に観せたいという強い願いが、唯一、使用可能な第二体育館での公演を実現させたのだと思います。
残念ながら三年生は卒業してしまいましたが、新たに真岡北陵高校に夢を持って入学した一年生と風は出会うことが出来ました。
最後の写真は真岡北陵高校の保護者の方です。
子を持つ親として、肝っ玉おっ母 アンナ・フィアリングと自分を重ね合わせ、公演後に肝っ玉を演じた辻由美子に話したいことがあると、楽屋近くで待っていてくださいました。体育館での演劇の鑑賞に驚きながら、家に帰って自分の子どもと舞台の話をしてみたいと話してくれました。
今週の公演はすべて体育館での公演でした。会館での公演も同じですが、一つひとつの公演には担当をされている先生方の生徒に向けたメッセージや願いがあります。その願いを生徒の皆さんは一人ひとりの感性で『肝っ玉』という舞台を通じて確実に受け取っていたと、終演後の表情が僕たちに教えてくれていました。
体育館という生徒の日常の場を一日、劇場に変えてしまう体育館での芸術鑑賞は先生方の協力無くしては実現されないものと思います。だからこそ、その一日を生徒にとっての特別な空間として創り出したいという担当の先生と風の願いは、観劇だけにとどまらない、経験の場、親子の出会いの場として、各学校の特色を生かしたその学校にしか出来ない特別な鑑賞教室を創り出しているのです。
これから風が出会う生徒の皆さんとどんな舞台が創れるのか、東日本を『肝っ玉』が、西日本を『ヘレン・ケラー』が、期待に心躍らせながら駆けめぐります。