風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
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2017秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』 東・西日本巡回ツアー第5週目

2017-10-29 11:46:24 | 全国巡回公演
10月25日(水)岐阜県 聖マリア女学院中学・高校 同校体育館
10月26日(木)新潟県 燕中等教育学校 同校体育館
10月27日(金)福島県 喜多方桐桜高校 喜多方プラザ文化センター


週末の台風が過ぎ去り、再び『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅に出発しました。

聖マリア女学院中学・高校

私たちが学校に到着すると朝早くから先生方が道具の搬入を手伝って下さいました。
開演前、先生の英語での開会のスピーチと劇団紹介がとても素敵でした。(生徒の皆さんはしっかり先生のスピーチを聞き取り、反応していました。すごいなあ)



公演が始まると、前半は興味津々の眼差しが舞台のやりとりに向けられていました。そして休憩を挟んでの後半は、解放されたような元気な笑い声や息遣いが寄せては返す波のように客席と舞台の間を往き来しました。「最後の場面では生徒の皆さんがヘレンと一緒に指文字を打ってくれてるような気がしました。」とアニー・サリバン役の柴崎が話したように本当に楽しい時間でした。
カーテンコールで生徒会長さんからは「周りの人たちに支えられて自分は生きているんだと思いました。」という言葉をいただきました。
そして担当の先生が「今日は私たち全員が命の大切さを感じた公演でした。」という挨拶と供に、亡くなった弟さんのことも言わずにはいられなかったように、熱い心が溢れてくるように話されました。



生徒の皆さんを玄関でお見送りする出演者たち。







指文字で「Teacher」を打つ先生方。







舞台の撤去を先生方とアーチェリー部の生徒さんたちが手伝ってくださり、最後まで一緒に創り出した温かい時間でした。学校を代表して色紙を受け取ってくれた生徒さん2人は、なんとアーチェリーの日本代表、オリンピックの強化選手として活躍しているそうです!凄い‼︎


燕中等教育学校





2年前に『ハムレットーto be or not to be』を上演している学校です。本来は6年間でなるべく違うジャンルの芸術を鑑賞しているそうですが、今回は生徒さんにとって良さそうな内容だったので新潟県に来られるうちにぜひ見せたくて『ヘレン・ケラー』を呼んでくれたとのこと。
開演前に担当の先生が『ハムレット』の公演のことなど劇団紹介をした後、「特に興味があって近くで見たい人は前の方に来てもいいですよ。」と呼びかけると、約500人の生徒さんたちがギュッと前に詰めて舞台の近くに集まりました。その様子を陰から見ていた劇団のメンバーは驚きと喜びを胸に公演に臨みました。舞台の出来事を見逃すまいと隅々まで見ている客席の皆さんの存在をひしひしと感じながら過ごした2時間でした。カーテンコールではとても力強い拍手をいただきました。柴崎が「ハムレットでも来ていますので“帰ってきたなー、ただいま!”という感じでした」と話すと、とても温かい笑い声が返ってきました。





公演後には3年〜6年生の有志の皆さんが片付けを手伝ってくださり助かりました!話がしたいと生徒さん先生方が訪ねて来てくれたのも嬉しかったです。


喜多方桐桜高校





工業科と商業科のある学校で、こちらでは3年前に『ハムレット』を公演しています。
度々風の公演を取り上げて下さり、新しい作品でまた学校の皆さんと出会えることは私たちにとって本当に嬉しくワクワクします!
開会の先生の挨拶の時は元気に盛り上がっていた生徒の皆さん。公演が始まるとスーッと舞台に集中し、一人一人との心の対話が生まれてくるのを感じました。



カーテンコールの時に「生きる力と可能性を感じました。」と生徒会長さんが話してくれました。今日の公演で見て感じ考えたことが、生徒の皆さんの明日に繋がっていきますように。
公演後はホールの玄関で出演者がお見送りをさせていただきました。「ありがとうございます!」と元気な声で挨拶してくれた生徒さんがたくさんいました。
そして学校のホームページに今日の公演の記事を早速載せて下さり、先生のコメントにはこんな言葉がありました。「サリバン先生の奮闘に心打たれるものがありました。教育の原点を見た思いです。」「白熱の演技に感謝です!」

3校それぞれに学校の印象が鮮やかに残る公演でした。生徒の皆さんの言葉、普段とは違う姿に出会い喜んでくれた先生方。ここに書ききれないくらい劇団員それぞれが深く人の心と遭遇した瞬間がありました。
一つ一つの出会いをまた次の公演への力にして、旅が創られていくことを感じる1週間でした。

文:稲葉礼恵(パーシィ役)

2017秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』 東・西日本巡回ツアー第4週目

2017-10-23 11:49:28 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』第4週目は

10月16日(月) 茨城県 三和高校 同校体育館
10月18日(水) 新潟県 関根学園高校 上越文化会館

での公演でした。

三和高校
三和高校は2014年に『ハムレット』を上演し、3年ぶりの再会となりました。
この日は人権行事の1日で午前中に講演会、午後にヘレンケラー観劇と生徒さんにとって盛りだくさんな1日でした。



三和高校では前日から準備を行いました。
バス、トラックが学校に到着すると体育館の入口で生徒さんが待っていてくれて、たくさんの部活の生徒さんが搬入作業を手伝ってくれました。
みんなで協力し声を掛け合い、雨のなかの搬入作業でしたがあっという間に終わりました。





午前中の講演会の様子

ステージの反対側に舞台装置を組み、午後からはみんな振り返ってヘレン・ケラーの観劇です。



本番中は笑いがあり、時にじっと舞台を見つめる真剣な眼差しが印象的で、舞台で起こることをしっかりと感じてくれているのがよくわかります。
カーテンコールでは俳優1人1人に花束を贈ってくれました、ありがとうございました。
お礼のあいさつでは1人の3年生の女性の生徒さんが、4月からの自分の決めた進路に対して不安と期待があり、正直不安のほうが大きかったけど、今日ヘレン・ケラーを見て勇気をもらいました、全力で頑張っていきますと力強くメッセージをくれました。

終演後の撤去作業では120人の生徒さんが手伝ってくれ、劇団員や友達とと話しながら舞台装置を運んでいきました。
片付けのなかので自分たちが見ていたものが、ばらばらになっていくこと、その工夫に驚き、そこから会話が生まれ盛り上がっていく。そこに人と人との会話が生まれ、協力や掛け合いがあり、熱が起こっていくのが感じられる時間となりました。



終演後の舞台見学から
終演後の先生の呼びかけからたくさんの生徒さんが集まってくれました、ポンプを動かしたり、舞台装置に上り、小道具に触れたりと驚きと笑顔の絶えない時間となりました。



三和高校では3年前のハムレットを覚えている先生方もおり、「また水がでてきましたね!」とそこで改めて思い出すことや、体育館という場所が劇場に変わること、そこで本物に触れることの大切さなど、生徒さん1人1人にたくさんのことを感じてもらいたいと願う先生の想いを改めて感じた時間でもありました。
本当にありがとうございました、また再会できる日を楽しみにしています。



関根学園高校



関根学園高校では2003年『星の王子さま』以来の再会となりました。
開演前、舞台袖に元気な声が聞こえてきます、普段とは少し違う空間とここれからどんなことが起こるのかわくわくしている雰囲気が伝わってきます。
開演前には校長先生の挨拶があり、「本物の芸術を感じて、日々の学校生活や自身の未来に生かしてほしい」と生徒さんたちにメッセージが送られました。
開園すると、前の盛り上がりとは変わりとてもじっくり舞台を見つめていました。静かな中に客席のなかで少しずつ動いているものがわかる、そんな2時間でした。1人1人にとって自身の大事なことに触れる時間であったらうれしいです。



終演後にはヘレン役とアニー役の2人が生徒さんたちをお見送り



2時間自分たちが見ていた俳優に驚きの声が起こります、たくさんの生徒さんが声をかけてくれました。同時に舞台では舞台見学が行われました。はじめ客席で見ていた生徒さんも参加し、1人1人自分の興味があるところをのぞいてみたり、俳優と話すなどとてもリラックスし、良い時間となりました。自分たちが感じた事を率直に話してくれたり、自分の進路や夢のことなど普段なかなか話せないことも話せる時間でした。また再会できる日を楽しみにしています。





ヘレン・ケラーの公演は今週から後半となりました、来週は岐阜県からのスタートになります。
1校1校どんなことが起こるのか楽しみに、観客1人1人の大切な時間、きっかけとなるよう頑張っていきたいと思います。



ジェイムス・ケラー役 中村滋

2017秋『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』 東・西日本巡回ツアー第3週目

2017-10-23 11:15:34 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー ひびき合うものたち』巡回ツアーも3週目を迎えました。

今週は旅も中日を迎える週となります。
10月12日 東陽中学校(岡山県)
10月13日 春野高校(高知県)
10月14日 巽中学校(大阪府)



東陽中学校











いったん東京に戻って、帰り初日は岡山です。
15年ぶりの上演となる倉敷市の東陽中学校は演劇部員が30名以上いる学校で県下でもっとも大所帯らしいです。入場した時から設営された舞台への期待感が感じられ、終始それぞれの視線・姿勢が感じられる公演でした。終演後はたくさんの生徒さんがバックステージの見学に残って、美術・音響・照明に触れながら公演のよい思い出としていきました。

春野高校













倉敷から今回二度目の高知県へ。
私たちにとって初めての上演となる春野高校は創立記念行事での公演です。
高知県はまだ少し暑さも感じましたが、この演劇を大変楽しみに待っていてくれた生徒さんたちでした。過去高知県内で上演した私たちの評判も耳に入っていたようで、先生方もとても喜んでくれた様子が感じられる一日でした。元気な生徒さんたちにお手伝いいただき、後片付けもあっという間に終えることが出来ました。ありがとうございました。
カーテンコールでお礼にいただいたジュースは、学校の実習で生産しているとてもおいしいものでした。
こちらも本当にありがとうございます。

巽中学校







翌日が午前開演のため大阪まで移動後、巽中学校での準備。
去年の春に上演させてもらった市岡東中学校でお世話になった先生が、今年の四月から巽中学校に移動されていました。なつかしく嬉しい再会です。
カーテンコールで挨拶を述べた生徒さんの言葉が印象的でした。「困ったこと、困難な状態にいる友達を感じた時、その人を支えられる存在になりたいと思いました」
今日体験した時間からたくさんのことを感じ考えている姿を、私たちも再発見しました。
男子・女子バスケ部のお手伝いがとてもさわやかで素敵でした。ありがとうございます。

来週はいよいよ東日本への旅公演が始まります。

文:緒方一則(アナグノス校長役)


2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』 九州巡回公演 第4週目

2017-10-22 15:13:30 | 全国巡回公演

九州も暑い時期は去り、秋のひんやりとした心地のいい金木犀の香しい空気が漂うと共に台風が接近する時期となりましたがその台風も公演がある日には九州に接近させない勢いで始まった「ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎」秋・九州ツアー第4週目の公演は、

10月16日(月) 鹿児島県 川辺高校
   17日(火) 大分県  情報科学高校
   18日(水) 熊本県  鹿本高校
   19日(木) 長崎県  島原翔南高校
   20日(金) 福岡県  大宰府高校


この5校、鹿児島県から福岡県までの5県での公演でした。

この写真は公演後すぐに体育館に会いに来てくれた鹿本高校の3先生の男子生徒さん達です。


川辺高校

川辺町の文化会館での公演。
生徒、先生方の他に同窓会の皆さん、保護者の皆さんにも呼びかけられ、放送部の生徒さんたちの進行で、
幕を開けた舞台でした。


カーテンコール時にあいさつをする生徒さんたち、放送部の生徒さんたちとの打ち合わせの様子


真剣な表情を舞台に向け、時には役者の面白い動きにはクスクスと控えめに笑い声をあげたりしながらジャンヌ・ダルクの世界に引き込まれるようにして見てくれていたように思います。



公演後の座談会には、開演前の希望者は1人だったのですが、客席には50人くらいもの1年生、2年生、3年生、それぞれ15人ずつくらいの生徒さんたちが集まりました。
公演の前から希望していた将来、舞台の道に進むことを決めている3年生の生徒さんを中心に、時間いっぱい感想や質問を投げかけてくれました。


公演後の座談会に参加してくれた生徒さんたち


役者に声をかける生徒さんたち

最後には握手をする中で座談会に参加した一人一人の生徒さんが一言ずつ、自分自身がこの公演を通して感じたことを伝えにきてくれ、放送部で司会をして、座談会にも参加していた生徒さんが言い足りなかった思いを劇団のHPにある掲示板に「どうしてもこの興奮が冷めないうちに…」と、メッセージを残してくれました。



情報科学高校





創立30周年記念として行った芸術鑑賞行事でした。
朝、学校に到着すると、野球部の生徒さんたちが舞台道具を体育館に運ぶ作業に力を貸してくれました。トラックの中から次々に出てくる舞台道具に驚きや関心を持ちながら手伝ってくれました。




舞台道具の運び入れのお手伝いの様子


舞台を見る生徒さんたちは自分たちが面白いところは大いに笑って、みたいところは沈黙し、言葉を聞いているようでした。
とても、周りで一緒にみている、友達やクラスの仲間も感じながら舞台と向き合っていました。
カーテンコール後、すぐに担当の先生の呼び込みで役者が舞台に呼ばれ、公開質問コーナーが行われました。
そこに舞台俳優を目指している、2年生の男子生徒さんが勢いよく前に出て来て、質問ではなく、ジャンヌ・ダルクの舞台で自分自身が目の当たりにしたもの、感じたことを私たち役者、そして一緒に舞台をみた客席の仲間たちに声を大にしてその興奮を話してくれました。

公演後の座談会はPTA会長さん含めた保護者の方々含め、その公開質問コーナーでの2年生の男子生徒さんを中心に行われました。
彼は今の自身のこと、そしてこの日の公演のことをたくさん話してくれました。
その彼の勢いある姿に保護者の方々も彼と一緒になって、感想を言ったり、質問をしていました。



また、舞台道具の片付けにはバレー部、バスケ部、フェンシング部、バドミントン部、生徒会、そして有志の生徒さんたちが舞台道具の仕組みや、劇団員の動きをしっかり見ながら手伝ってくれました。












鹿本高校



カーテンコールであいさつをしてくれた図書委員長の生徒さん


鹿本高校での風の舞台は今回で5回目となる公演でした。

舞台仕込みの作業中には何人かの生徒さんたちが休み時間の度に体育館をのぞきにきて、体育館がジャンヌ・ダルクの劇場になっていく様子を見ていました。
開場時、体育館に入ってくる生徒さんたちは「なんだこれ!」「体育館じゃないみたい!」と目に飛び込んでくるいつもと違う体育館の様子に声をあげながらやって来ました。
公演中の彼らはとても集中した様子で舞台に向かい、その眼差しから彼らが見ているものが伝わってくるようでした。
公演後すぐに、女子生徒さんたちが体育館に来てくれ、言葉を交わす中で彼女たちはジャンヌ・ダルクの生きた時間に触れたのだと思いました。



その後もぞくぞくと舞台の片付けには参加できなかったサッカー部、野球部の生徒さんたちがたくさん会いに来てくれました。
改めて出会うことのできた時間でした。



そして、舞台道具の片付けには図書委員会の生徒さんを中心に部活動の生徒さん、そして有志の生徒さんが集まってくれ役者たちと今日の舞台のことを話しながら、一生懸命に手を貸してくれました。



「図書委員会がこんなに力を使う委員会だったとは思ってもなかったです」と笑いながらいっていた彼が人一倍生き生きと劇団員や図書委員会の仲間たちに手を貸してくれていました。








私たちが学校を去る時も見送りに外まででてきてくれました。








島原翔南高校


舞台道具の片付けが終わったあとの様子



島原翔南高校は今回で6回目となる風の舞台で、近隣の西有家中学校の生徒さんも迎え入れての公演でした。

朝、学校に到着すると担当の先生をはじめ、生徒さん、先生方が運動着に着替えて次々と集まってくれ、舞台道具の運び入れに力を貸してくれました。






トラックから体育館まで少し距離があったのですが生徒さんと先生方が私たちと一緒になって声をかけながら、しかも「これ、いつも自分たちだけでやってるんですか?!」と舞台道具の規模を目の当たりにし、当初の時間よりも長く、盛り上げながら手を貸してくれました。そのおかげで、劇団員だけでやるよりもずっと早くに道具の運び入れを終えることができました。

ジャンヌ・ダルクの舞台に向かう生徒さんたちの姿にそれぞれのジャンヌ・ダルクの存在があるようで舞台に立つ役者たちの中にも何か込み上げてくるものがありました。

公演後の舞台道具の片付けには道具の運び入れにも手を貸してくれた先生方、有志の生徒さんに加え、体育館の部活の生徒さん、希望者の生徒さんが40人程がお手伝いに来てくれました。







合間をみては駆け寄って来て、役者に声をかけてる生徒さんや、「文化祭でぜひ、やりたいんです!」と舞台で見た役者の動きのやり方をその役者に声をかけ、教えてもらう先生の姿もありました。








太宰府高校





最初にお手伝いに来てくれた生徒会のみなさん



太宰府高校の公演は校長先生が、学校の周年行事に生徒に人の生きる姿を見せたいという生徒さんたちに対する熱い思いが立ち上げた公演でした。
朝の早い時間から先生方に迎えられ、2階の体育館への道具の運び入れだったのですが、休み時間の度に通りかかる生徒さんたちの「すごく、楽しみにしてます!」「これ、全部舞台の道具ですか!」という喜びや楽しみを持った声に、底力も湧いて頑張ることができました。
舞台の仕込み中には多くの生徒が覗きに来ては「体育館がすごいことになってる!!」と驚いている姿もみられました。
公演中の彼らは後ろの方までしっかりと最後まで舞台なや目を向けていました。とても自由に、自分が今、目の当たりにしているもの、その感覚を大事に持ちながら見ているようでした。
カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では「自分は”ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎”の”炎”の本当の意味はわからないけれど、僕は僕自身の”炎”ではないかと思いました。」とその場にある言葉や受け取ったものを噛み締めながら時間をかけて、私たち役者に自分の言葉を贈ってくれました。
公演後の舞台道具の片付けにはお手伝いや座談会は予定されていなかったのですが、公演後に体育館を覗きにきた生徒さんや体育館の部活動の生徒さん、顧問の先生方、生徒会の生徒さん、そしてこの公演を繋いで下さった先生自らの意思で道具の片付けに手を貸して下さいました。








生徒さんたちは声をかけあいながら一生懸命に手を貸してくれ、声をかけて下さる先生方の一人一人が「舞台を見る生徒の姿に驚きました」「生徒のあんな表情を始めてみました」と生徒さんたちを眼差しを通してこの公演を見ていたのだと強く感じました。






全ての舞台道具の片付けのお手伝いを終えた生徒さんたちの様子




「ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎」秋・九州ツアー4周目、ひとつひとつの公演での出会いに喜びを感じるのと同時に自分自身の始まりに立ち返り、「やっててよかった」と噛み締めて思う日々です。
その日の若い観客たちの中にジャンヌ・ダルクが生きていることを感じます。
これまで目の当たりにしてきた出会った彼らのひとりひとりの中に灯る炎をまだまだ続く旅の糧に、その勢いを持って私たちは新たな出会いに向かっていきます。




ジャンヌ・ダルク役
高階ひかり

2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第3週目

2017-10-14 12:07:59 | 全国巡回公演
ジャンヌ・ダルク―ジャンヌと炎、秋のツアー第3週目の公演は

10月12日(木) 鹿児島県 伊佐農林高校
   13日(金) 宮崎県 宮崎西高校・付属中学校


の公演でした。

伊佐農林高校
伊佐農林高校は前回のヘレン・ケラー~ひびき合うものたちから2年ぶりの公演です。
朝、元気な生徒さんの姿が見えて、2年前のヘレン・ケラーのときもこんな雰囲気だったなと思いながら準備をしていました。



体育館の入り口には手作りの看板が取り付けられていていました!

本番では、生徒数150人というそれほど多くはない人数でしたが、体育館いっぱいに自由に生徒さんが座っていました。本番中は横の人と少し話しながら自分たちの思い思いの見方をしてくれていました。自由な劇場空間を一緒に作れたのではないかと、カーテンコールで「ジャンヌが立ち上がるところが印象的でした。」と笑顔であいさつをしてくれた生徒会長さんの言葉を聞いていて感じました。

終演後すぐ多くの生徒さんが「あれ触ってみたい」と舞台に近づいてきてくれました。その中には2年前にヘレン・ケラーを見た3年生もいて、その時アニー・サリバン役だった高階との再会を喜んでいる様子がすごく印象的でした。
撤去作業にも40人ほどの生徒さんが集まってくれて、役者やスタッフと話しながらでも率先的に手伝ってくれていました。そのおかげでこのツアーの中で一番早いんじゃないかと思うくらいあっという間に撤去が終了しました。










最後には記念にジャンヌ役の高階と写真を撮ったりと、この公演が学校生活の一つの思い出として残ってくれそうだなと感じました。

宮崎西高校・付属中学校
宮崎西高校・付属中学校は3年前のヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」以来3回目の公演です。
開演前はこれから起こることにワクワクしているという雰囲気に沸いていた客席も、芝居が進むにつれぎゅっと濃縮した集中した空間に変わっていきました。一人一人が何かを発見しようと真剣に観ている姿を、演じている私たちも感じていました。カーテンコールであいさつしてくれた生徒さんの「この2時間の中で、喜怒哀楽が変わって飽きずにに面白かったです」と言葉からにじみ出る高揚を感じました。

終演後には、ジャンヌ役の高階と中学校合唱部の座談会も行われました。生徒からはジャンヌのことや照明のことなど舞台の内容だけに留まらずいろいろな質問が出てきたそうです。芸術鑑賞という時間、場に興味をそそられたのではないでしょうか。








来週は鹿児島県の学校からスタートします。
まだまだ日中は暑い日が続きますが、暑さに負けず新しい出会いを求めて次の公演地へと進んでいきます。

文:石岡和総(シャルル7世)

2017年『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』秋 東・西日本巡回ツアー第2周目

2017-10-12 08:15:01 | 全国巡回公演
『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』、秋のツアー第2週目は、
10月2日[月] 高知県 中村中学校・高校
  4日[水] 鳥取県 倉吉東高校定時制
  5日[木] 鳥取県 鳥取湖陵高校
  6日[金] 岐阜県 恵那農業高校
  7日[土] 島根県 矢上高校

での、公演を行いました。


中村中学校・高校

公演前日の日曜日、先生方にもご協力いただき、旅メンバーは中村中学校・高校の2階体育館に舞台装置を運び込みました。
そして迎えた公演当日。体育館は、中村中学校・高校の生徒さん、中村高校西土佐分校の生徒さん、先生方、保護者の方でいっぱいになりました。



開演前の元気な様子から一転、芝居が始まると、900人を越えるみなさんの視線が、一気に舞台に注がれました。そして集中した2時間を共に過ごしました。




公演後はたくさんの部活の生徒さんが、笑顔で積極的に、片付けを手伝ってくれました。友だちと声を掛け合い、助け合いながら荷物を運んだり、役者に芝居の感想を伝えてくれたり、楽しみながら、驚きの早さで、すべての荷物をトラックに積み込んでくれました。みなさん、ほんとうにありがとうございました。

旅班のバスが学校を出発するとき、見送りに来てくれた先生方が『生徒たち、一生懸命見ていましたね』と、嬉しそうに話してくれました。公演を見る生徒さんたちの姿を、先生方は頼もしく、また誇らしく感じていたのだと思います。バスが校門から出るまで手を振り続けてくれた校長先生、教頭先生、担当の先生方、ほんとうにお世話になりました。また中村中学校・高校のみなさんとの再会を願っています。


倉吉東高校定時制(鳥取文化振興財団主催)

人権委員の育友会のみなさんが中心となり、人権行事を進行してくれました。
この日は、倉吉東高校定時制の生徒さんたちが観劇の予定でしたが、全日制の演劇部、観劇を希望してくれた生徒さん、そして生徒さんたちの家族のみなさんが会場に集まり、公演を行いました。



年齢、環境も異なり、経験もそれぞれに有するみなさんは、客席で、お互いにどのようなことを感じ、考えながら、何を見つめ、何を聞いていたのでしょうか。呼吸の音さえも聞こえないのではないか、と言うほどの集中と凝縮した時間が流れましたが、カーテンコールで照明が一番明るくなったときに舞台上から見えたみなさんの表情と、拍手の音が、すべてを語っているようにも思えました。



終演後は、ヘレン役の白根と私でお見送り。『とてもよかった』など次々に声を掛けてくれたり、握手をし、写真を撮ったりと、盛り上がりました。その頃、舞台上では急遽、舞台見学が行われていたそうです。後から旅メンバーに話を聞くと、舞台見学も大盛りあがり、生徒さんたちも喜んでくれていたそうです。
最後に、人権委員育友会・委員長の立木さんが、『予想以上の人数が集まり、反応も大きく、期待を超えた公演になった』と、喜びの言葉を送ってくれました。ホッとしたのと同時に、みなさんと出会い、言葉を交わせた喜びを、胸に熱く感じる公演となりました。




鳥取湖陵高校(鳥取文化振興財団 主催)

翌日は、こちらも鳥取文化振興財団の主催で鳥取湖陵高校(体育館)での公演を行いました。人権行事の一環として行われた『ヘレン・ケラー』の公演。ヘレンとアニー、そして家族たちが出会い、苦悩しながら、共に生きていく喜びを見つけていく物語に、生徒さんたちはじっと真剣なまなざしを注いでくれました。





湖陵高校では農業学科、工業学科、家庭学科、情報学科など様々な分野で生徒さんたちが学んでいるとお聞きしました。カーテンコールでは生徒会長さんがお礼の言葉をかけてくれ、農業学科のみなさんが中心に作っている湖陵高校の特産物「オアシス」を贈っていただきました。




公演後はバスケットボール部、バトミントン部の生徒さんや有志の生徒さんたちが撤去を手伝ってくれました。友達や先生とみなさんが言葉を交わし合う様子に、少しの間でしたが学校の柔らかく、暖かい雰囲気を感じさせてもらいました。外で一生懸命荷物を運んでくれた男子のみなさん、体育館で色々な道具を一緒に片づけてくれた女子のみなさん、ありがとうございました!


恵那農業高校

恵那農業高校では以前『星の王子さま』や『ハムレット』などを上演、今回の『ヘレン・ケラー』が4度目の公演となりました。この日観劇に訪れた他校の先生も「生徒たちよく集中していましたね、びっくりしました」とお話しされるほど、それぞれに見る、聞く、考える力を使って2時間の舞台を支えてくれたことが、本当に嬉しかったです。




恵那農業高校では11月初旬に文化祭を控えていて、演劇発表をするクラスもあるとのこと。終演後には希望している生徒さんたちとバック・ステージツアー、座談会を行いました。「声」のことや「台詞」のことなど自分たちがこれから向かう“演劇づくり”についての質問がありました。クラスで劇をつくることはやりがいもあり難しさもあると思います。どちらの時間も人とともに何かをつくろうとした大事な時間だと思います。皆さんのつくる文化祭がみなさんにとってかけがえのない思い出になりますように!
そして舞台の進行に関わってくれた生徒会・文化委員会のみなさん、ありがとうございました。




↑恵那農業高校のみなさんに、学校の手作りジャムをいただきました!


矢上高校

舞台に立っていると時折みなさんの舞台の出来事について話す声が聞こえてきたり、驚いたり、不思議に思ったり、考えたりと、リラックスして舞台と向き合ってくれた矢上高校の生徒のみなさん。先生も公演終了後に「テスト後でどう見るかなと思っていましたが、よく見ていましたね」と話してくれました。





終了後の先生の声かけに、たくさんの生徒さんが舞台に集まって、舞台の裏側や、ポンプや音響・照明、道具の仕組みなどに触れていました。それぞれの俳優たちに明るく声をかけ、質問したり、舞台に楽しく触れてくれる様子がとても嬉しかったです。




その後はアニー・サリバン役の渋谷と何名かの生徒さんたちが座談会を行い、同時に舞台の撤去を野球部の皆さんが手伝ってくれました。公演後にはたくさんの先生方が「ありがとうございました」と声をかけてくれました。日々を共に過ごしながら、生徒さんたちを見つめている先生方がつくってくれたこの公演―舞台と私たちとの出会いの場が、何か生徒さんの力に変えてもらえることを心から願っています。



『ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち』のツアーは西日本地域で2週目を終えました。秋のツアーはこの後、西日本・東日本の各地の高校生、中学生のみなさんとの出会いが続いていきます。各校それぞれの演劇鑑賞への思いを胸に、「ひびき合う」瞬間を探し続けていきたいと思います。


アニー・サリバン役:渋谷愛/ヘレン・ケラー役:白根有子




2017年 秋 『ジャンヌ・ダルクージャンヌと炎』九州巡回公演 第2週目

2017-10-10 11:05:43 | 全国巡回公演
ジャンヌ・ダルク第二週目は

10月2日(月) 宮崎県 日章学園中学・高校
    4日(水) 鹿児島県 川内南中学
    5日(木) 宮崎県 都農高校
    6日(金) 熊本県 熊本北高校
    7日(土) 熊本県 大津高校


での公演です。

日章学園中学・高校
10月1日は、宮崎市の日章学園の体育館に舞台を仕込みます。
日曜日の作業だったのですが、トラックから荷物を搬入するのを、剣道部の生徒の皆さんと先生が手伝って頂きました。



10月2日、日章学園高校と中学3年生が、午前と午後に分かれて観劇しました。
芝居が始まったときは、楽しく観ていた生徒たちが、次第に静かに真剣な態度になっていったのが印象的でした。
終演後には、体育館で行う部活動の生徒さんたちが、舞台撤去を手伝ってくれました。







川内南中学校
10月4日、薩摩川内市の川内南中学での公演です。
午前中の舞台の仕込み中、体育館の隣にある校舎から、生徒たちの合唱がずっと聞こえていました。どのクラスの合唱も美しくて、学校をあげて合唱に力をいれているのが感じられました。
本番では、生徒の皆が、それぞれの場面に反応を示してるのが印象的でした。
カーテンコールが終わった直後、役者全員が舞台上に上がって、全校生徒との質疑応答の時間が設けられました。
文化祭のクラス発表で、劇をするクラスもあるとの事で、声の出し方や、役者が大切にしてる事などの質問がありました。ジャンヌ・ダルク役の高階が、川内市の出身ということで、たくさんの生徒が、高階に親近感を持って接していたようです。





都農高校
10月5日、宮崎児湯郡の都農高校での公演です。
全校生徒200人が体育館での観劇です。
舞台で芝居をしていても、舞台を観ている生徒皆の表情が、しっかり見えていました。生徒たちは、それぞれの感じかたで舞台を受け取っているのが、とても印象的でした。
終演後の舞台のバラシを演劇部と有志の生徒さんが手伝ってくれました。









熊本北高校
10月6日熊本北高校の体育館での公演です。
熊本北高校は、今回の風の公演は7回目という、劇団の常連校です。
生徒1100人が、一度に体育館に入って観劇するということで、体育館のフロアーはもちろん、ギャラリーまでみっちり座っての観劇でした。
まだまだ暑い日が続く体育館の公演で、少し蒸すくらいだったのですが、生徒たちは真剣に観ていました。笑ったり、驚いたり、舞台に対するリアクションを起こしながら観劇している生徒の姿が印象的でした。
終演後、舞台撤去を演劇部と吹奏楽部の生徒さんたちが手伝ってくれました。







大津高校
10月7日熊本県菊池郡の大津高校での公演です。
学校の文化祭の行事での『ジャンヌ・ダルク』の公演でした。
前日の仕込みから、少林寺拳法部の生徒たちが手伝ってくれました。
本番は、午前の上演だったのですが、最初から最後まで、生徒みんなが静かに舞台を観劇していたのが印象的でした。
終演後は、『ジャンヌ・ダルク』の舞台上で、文化祭の発表が行われ、風のスタッフも一緒に文化祭行事を作りました。



舞台撤去を、たくさんの生徒が手伝ってくれました。







今週は、一旦東京に帰って鋭気を養い、来週から、気持ちを新たに第三週目に突入します。

文:栗山友彦(アンセラン、ピエール・コーション)