10月からスタートした『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』2021年秋の九州ツアーも、多くの出会いと共に、その出会いに支えられながら、無事に千秋楽となりました。
12月22日(水) 鹿児島県 龍桜高校 谷山サザンホール
龍桜高校




10月からスタートした『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』2021年秋の九州ツアーも、多くの出会いと共に、その出会いに支えられながら、無事に千秋楽となりました。
12月22日(水) 鹿児島県 龍桜高校 谷山サザンホール
龍桜高校
今秋のツアーも残り3週間となりました。
12月に入り、九州地方にも本格的な冬の到来を迎えるとともに『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の巡回公演は第7週目に入りました。
12月2日(福岡)柳川高校 柳川市民文化会館
12月3日(福岡)明光学園中学・高校 同校体育館
柳川高校
柳川高校さんはなんと風の公演が8回目の公演です。
仕込み中には担当の教頭先生が「この日を待ちに待って、楽しみにしていました。」と劇団員に声をかけていただいて、私たちもこれからどんな一日になるんだとワクワクしていました。
開場時、生徒さんたちが入場してくると、静かだった会場が一気に賑やかになり、800席ある客席が活き活きとした生徒さんたちであっという間に満席となりました。賑やかな客席を見て、劇団員も開演をいまかいまかと待っていました
開演前には司会の先生から「目で見るだけでなく心で見て楽しんでください」と生徒の皆さんに言葉をいただきました。そして会場が揺れ動くような大きな拍手と同時に開演です。
公演中は声を上げて笑ったり、時にはじっと集中した姿で舞台をみつめて、一人一人が自由な感覚で舞台と向き合っていました。
カーテンコールでの生徒会長さんの挨拶では「アニーとヘレンが出会って、徐々に信頼関係がつくられていくのが印象的で、ヘレンがどんどん成長していく姿に人の可能性は無限大なんだと感じました。そして今学校全体では〈伝える力〉というのに力を入れています。今日劇を観て、誰かに何かを伝える時の声の大きさや歩き方などをこれからに活かしていきたいと思います」と堂々と話してくれました。
公演後のバックステージではその日に募った30人くらいの生徒さんたちが「私サリバン先生と話したい!」「私パーシィー探してくる!」と、一人一人が話したい俳優を探しては色んな質問をしていました。様々なところに興味を持ち、今感じたことを共有し、今しかないこの時間を目一杯楽しんでいました。
その後の座談会ではサリバン先生役の高階と話をしました。
話を頷きながら真剣に聞く姿があり、明るい笑い声が聞こえたり、とても盛り上がっている様子でした。劇団員が仕込みをする姿に感動をしたと伝えてくれた担当の先生、中には今日の舞台を観て自分も舞台をやりたい!と夢を持った生徒さんもいました。
明光学園
この学校は昨年公演予定でしたが、コロナウイルスの影響により延期となり2017年以来4年ぶりの公演でした。風の公演は4回目の公演です。
そして明光学園はヘレン・ケラー役の倉八ほなみの母校です。
開場時、体育館に入ってくると「うわぁ、凄い!」「なんだこれは!」と体育館が劇場に変わったことに驚き、これから何が起こるんだとワクワクした様子でした。
そして開演前の校長先生の挨拶では「ステージ凄いですよね。この舞台を思う存分楽しんで、感動、意欲、熱意に繋がることを願ってます。そしてこの舞台は自由に観てください。楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて、でも立ち上がって踊るのはやめてね」と笑いを誘いながら、リラックスした中で開演しました。
公演中は俳優が客席の存在感をひしひしと感じるほど真剣な眼差しを舞台に向けて、ひとつのことも見逃さないぞと言わんばかりに集中した様子で舞台と向き合っていました。
カーテンコールでの生徒代表の挨拶では、「伝記でヘレンケラー を読んだことあったけど、文字では伝わらない迫力や感情が伝わってきて感動しました。細かいところにもこだわっていて見所がたくさんあって目が二つじゃ足りないくらいでした。そしてヘレン役の方が卒業生ということもすごく誇らしく思い、3年に一回じゃ足りないくらいまた観たいと思いました。」と想いのこもった目で、力強く話してくれました。
公演後のバックステージでは細部まで興味を持ち、劇団員にたくさんの質問をし舞台の構造や演劇を始めたきっかけなど色んなことを聞いてくれました。
先生も役者になりきっていました!
その後の撤去作業にはハンドボール部の生徒さんと演劇部の生徒さん、常任委員の生徒さんたちが手伝ってくれました。
ヘレンやアニーを見つけると、「あっサリバン先生と話したい!」「ヘレンさんに聞きたいことがあります!」と元気いっぱいに劇団員ともコミュニケーションを取り合いながら、そして体育館全体が笑顔に包まれるような雰囲気で手伝ってくれました。撤去作業が終了してもまだまだ話足りない様子で、作業が終わった後も「感動しました!」「進路のことなどで悩んだりしてたんですが元気をもらいました」と最後の最後まで劇団員に声をかけてくれました。
コロナ禍の中、昨年から我慢を強いられて悔しく思いや寂しい思いをした生徒たちになんとか芸術鑑賞だけでも観せてあげたいという思いを持った先生方やこれからも全国の皆さんに感動を与えて下さいと声をかけてくれた生徒さん。様々な出会いのある一週間でした。この出会いを力に変えて、これからもまだまだ続く『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅を最後まで駆け抜けていきたいと思います。
ジェイムス・ケラー役 蒲原智城
11月に入り冬の空気が感じられるようになってきました。
約二ヶ月の公演も終わりが近づき、TOUCHの旅公演は最終週となります。
今週の学校は
11月9日(火)兵庫県 伊川谷北高校
11月10日(水)香川 高松第一高校
11月11日(木)兵庫県 香住高校
11月12日(金)岐阜県 岐阜工業高等専門学校
です。
11月9日(火)伊川谷北高校
感染症対策の為に二回に分けての公演実施となりました。
前日の舞台設営作業中に普段の体育館から変わっていく体育館の様子を外から覗き込んでいる生徒さん達から期待と驚きの声が聞こえてきます。明日が楽しみだねと帰っていく様子を見てとても嬉しくなりました。
本番当日、先生からの挨拶で日常を忘れて楽しんでもらえたらとのお話がありその言葉を受け取った生徒さん達はじっと二時間見入るように舞台を楽しんでいる様子でした。
公演後は演劇部の生徒さんと職場体験にきていた地元の中学生の生徒さん達と一緒に舞台裏見学を行いました。俳優に聞きたいことを聞いてみたり、スタッフに舞台設営の仕組みなどを聞いたりとおもいおもいの時間を過ごしている様子でした。
二回目の公演の後、カーテンコールでは通常とは違いスタッフも舞台上へ呼んでいただき座組全員へのお礼の言葉を生徒さん達からいただきました。ありがとうございました。
11月10日(水)高松第一高校
この学校は昨年からの延期校です。会館の入場者制限で全学年での実施は出来ず、二学年に絞っての鑑賞となりました。高松港が隣にあり、会館からは海が見えました。
感染症対策として入り口では消毒の実施を行いました。
開演前の場内アナウンスは生徒さんが担当してくださり、会場内はぐっと舞台の世界の中へ。
客席からはくすくすと笑い声が漏れ聴こえてきていて楽しんでくれている様子が伝わってきました。
カーテンコールでは今回学んだことをこれからの学校生活に生かしていけるよう頑張っていきたいです。と生徒さんはお話してくださいました。舞台から何かを得てくれたことがこれからの糧になってくれたなら嬉しいなと思います。
11月11日(木)香住高校
この学校も昨年からの延期校です。昨日の高松とは反対側、日本海に面した海が近い会館での公演です。開演前には校長先生からの挨拶で三年に一度の芸術鑑賞です。三年に一度ということは最初で最後ということです。プロの演劇に触れられる機会を楽しんでください。と挨拶いただきました。
生徒達は笑ったり泣いたり一緒に舞台を楽しんでいる様子で、終演後の舞台裏見学も舞台上から溢れんばかりの生徒さん達が残り最初で最後の芸術鑑賞を最後まで楽しんでいました。
その後、残ってくれた生徒さん達数名とハロルド役の柳瀬が座談会をしました。
聞きたいことたくさん聞けたでしょうか。終始楽しそうな声が聞こえてきました。
11月12日(金)岐阜工業高等専門学校
この学校も20年度からの延期の学校で、今回が初めての芸術鑑賞となります。
感染症対策として会場となる体育館の入り口には認証タイプの検温機が設置されていました。
会場の中は寒さにも負けず学生さん達の熱気に包まれ、真剣な眼差しで舞台を食い入るように観ている様子が印象的でした。
終演後は舞台裏見学があり、どうやってつくられているのかの質問が飛び交い舞台の構造にとても興味を持っていました。
そのまま演劇部の学生さん達が搬出作業を手伝ってくださり、名残おしさはありつつもおかげで通常より早く学校を後にしました。
今年もあっという間の二ヶ月間でした。
たくさんの出会いや再会に感謝し、そしてこれからも皆さんと繋がっていけることを嬉しく思います。
ツアー中、旅のメンバーは公演中はもちろんのこと公演が終わった学校さんから送っていただいた感想文を拝読したり、掲示板への書き込みを拝読したりして公演の後もたくさんの元気をもらっていました。
皆さんからいただいた言葉ひとつひとつは私にとってもかけがえのない大切なものになっています。
本当にありがとうございます。
また『TOUCH〜孤独から愛へ』という作品を通し、皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。
文:スタッフ 赤井優理香